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『ジーゼ様、この扉は……』
思考でミレナパウスさんが私に通信をよこしてくる。そしてそれは何を言いたいのか、最後まで言わずともわかる。この扉……この巨大な扉は元々が中途半端だった。てか誰かに壊されてるし? このままでは駄目だ。実際この扉を壊した存在が何を狙ったのかはわかんない。
いや、狙いとかなかった可能性もある。ただこの扉の事は重要……とか秘密とかしか知らなくて、この扉の構造とか理解せずに壊した。まあけどここまでデカい扉だからね。全部を壊すなんてできなかった。だからある程度壊したと思ったところで放置したのかも。
実際これがいつ壊されたとかわかんないしね。その内、藻とかのせいでその傷跡とかは隠されていったみたいだし、かなり古い感じではある。これが大切なものだとわかってただろうに……それこそ人魚の女王様が最後にすがってるのがこの扉である。
つまりは最終手段としてあるのがこれだったわけだ。それを壊すって……そいつは破滅願望でもあったのか……それともただの腹いせ? かつての泉の街には権力争いとかあって、それで蹴落とされた側が腹いせに……とかの線もありそうだよね。
「このままだと同じことになります。この扉はもう壊れてますから」
「こわれ……てるじゃと?」
ミレナパウスさんのその言葉に人魚の女王様は驚愕してる。まあ一応ちゃんと起動して開いた……ように見えたもんね。ちゃんと動いたら、それは正常……とおもうのも当然だ。なにか使い方があるんだろうってのが人魚の女王様にあっただろう。それも王家の血筋かなんかで制御できる……はずだと思ってたんだろう。
まあそれはある。ある程度特殊な血筋に反応してるのは確かだし? でも……結構雑に壊されてるからね。動いたのは中枢部分が無事だったからだろう。でもこの扉は無駄にこれだけ大きいわけじゃない。これだけの大きさに当時の技術を詰め込んだ結果……この大きさになった感じだ。つまりはこの扉全体にびっしりと術式が刻まれてて、その外側部分の回路がいくつか壊されてる。
でも中枢は当然だけど内部にあるからね。そこは無事だった。だから動く。でも……細かな制御がおろそかになってる。壊されてるからね。自己修復とかあればよかったんだろうけど……いやあるみたいだけど、長年の蓄積か、この扉を維持するので精一杯みたいな? なにせ水の中にあるしね。
「あの……直せたりは……するわけないよの?」
「いえ、直せますよ」
「神よ!」
なんか人魚の女王様のテンションがおかしい。大丈夫? まあそれだけ死活問題なんだろう。




