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指輪の宝石から放たれるきれいな青い光。それはどうやらこの巨大な扉の中心部分へと飛んでいき、そこで僅かな範囲に人魚の紋章を光らせる。きっとあれが鍵だろう。けどこのままではこの扉は開かない。
なにせ壊れてるからだ。反応はしてるが、それだけになってしまう。けどここで魔法陣を幾つも展開してたミレナパウスさんも同時に魔力を駆使して、私が送った扉の内部構造というか、内部に刻まれた術式の完成図に沿って魔力を流していく。
壊されたことで分断された、あるいはもうつながってない部分は私が送った完成図を元にミレナパウスさんの魔力で無理矢理に繋げる事で解決だ。そんな強引な方法でいいのか? と思うかもしれないが、ようはつながればいいのだ。
道だってそうだろう。そこは確かに道路としてつくられた。でも今や車はとおれないかもしれない。でも歩いてなら通れる。そんな感じである。そして通れさえすればそこはつながってるのだ。
強引な解釈? いやいや、ほらみてみ。実際にミレナパウスさんが無理矢理に魔力で復元してくれたおかげで、さっきまでは扉のほんのちょっぴりだった人魚の紋章。
それを中心に青い光が内部の回路構造と一致するように走り出した。そしてあっというまにその光は扉全体にはしる。するとズズズズズズ――とこの場所全体が揺れるような……そんな振動が起きた。
それによって扉にくっついてた泉の苔とかヤドカリとかが落ちる。
「おお、これは……これなら力を感じるのでないか?」
「はい、今はこの扉はエネルギーに満ちあふれてます」
そんな風にミレナパウスさんは女王様にいう。確かにミレナパウスさんのいうとおりだね。さっきまでなんのエネルギーも感じなかったこのデカい扉だけど、鍵が回されて、その機能が解放されたのだろう。それによって本来の役割りをこの扉は取り戻したってことだと思う。
まあけど、泉の街ってこの扉が壊れててもなんの問題もなく? はよく知らないが、実際普通に皆が暮らしてるのはみてる。ならばこの扉の役割りとは?
「これがこの街を支えてるのですか?」
「いや、そんなことはない。じゃがこの扉が大いなる力につながってるとはいわれていた。それにこれを起動してはいけないとも……な」
え? なにその不穏なワード。そんなことを思ってると、ズガーン! とこの場に衝撃が走った。一体何が?




