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旦那様が自由奔放で浮気ばっかりするのでざまぁし続けたらなんか可愛くなってきました  作者: 蒼井星空


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第43話 はぁ?医者になりたい?なんでもいいからレオンを助けてくださいませ!①

 そろそろレオンが2歳になる頃……彼は軽い風邪を引いた。


 と言っても重いものではなく、微熱が続き、軽く咳き込んだり、鼻水が出たりしています。


「ぱーぱ! ごほっ……」

「あぁレオン。今日は軽く散歩にしよう。ほら、パパがお馬さんになるから乗って」

「やーだ。はちる……ごほっ……」

「走ったら咳が出るから。なっ、乗って」

「やーの! じゅる……」


 そのせいで毎日の日課だった外遊びをさせてあげられなくなりました。今は家の中で旦那様が遊んであげてくれますが、少々ご機嫌斜めです。


「じゃあ魔法の練習をするかい?」

「旦那様、ご病気の体では避けていただきたく」

「なぜ? 魔法を使うのは風邪とは関係ないだろう?」

「そうなのですか? 魔法を使うと疲労を感じるので、病気の時は避けたほうがいいのかと思っておりましたが」

「そんなことはない。もちろん集中力が必要だから扱いづらくなるかもしれないが、体の回復に必要な力とは別物なので関係ないぞ?」

「そうなんですか? それは興味深いお話です……」


 旦那様がきっと異世界で身につけられたであろう知識をひけらかしています。執事長は何やら興奮気味ですが、そんなことはどうでもいいのです。


 気になるのはレオンの軽い風邪症状がずっと続いていることです。数日で治れば『風邪でしたね』ですみますが、もう20日……。


 心配になってお医者様に診せても風邪だろうとのことですが、なぜ治らないのでしょうか?


「集中力が低くなって暴発してはまずい魔法は使わないほうが良いだろうが、例えば創造とかなら失敗しても何も出てこないだけだから関係ないだろう」

「そういう事なら……」


 大変珍しいことに執事長が旦那様に論破されたようですが、繰り返しますが誰かレオンを治してあげてください。お願いします。


「よしレオン。じゃあ試しに僕を召喚してみようか。なに、失敗しても僕が残るだけだしな」

「うん! ごほん……ぱぱぱぱ!」


 どうやらレオンが旦那様を召喚するときの掛け声として昔の呼び方で定着したようです。


 が、いつもの怪しい光が出てきません。私は咳き込んだレオンの背中をなでます。


 そう言えば、旦那様の召喚について、何か忘れている気がしますが、忘れるということはきっとたいしたことではないと思うので、どうかレオンを治してあげたい。


「うーん、失敗かな? じゃあ他には何かできるかい?」

「カエルさん?」

「やめてください……」


 レオン、なぜそこでカエルなの?

 あなたを心配している私になんて仕打ちなの?


「ここはうさぎさんでお願いします」

「じゅる……うしゃぎ♪」


 レオンが腕をかざすと光が放たれ、可愛らしい兎さんが出てきます。


 あぁかわいい。


 今はレオンを抱っこしているので抱きしめられませんが、可愛らしいうさぎさんです。


 そんな心配と緊張感に包まれつつも、暖かい時間を過ごしていたのですが……。




「う〜……じゅる……」

「だめよ起き上がっちゃ。寝てなさい、レオン。ほらお熱も上がってるわ」

「む〜……ごほんっ……」

「よしよし……良い子ね。大好きよ、レオン」

「あぶぶ……ごほん」

「ねんね……」


 レオンの症状は治るどころか悪化しました。ずっと微熱だったのに熱が高くなりました。それに伴って咳や鼻水は酷くなり、ふらつくようになったので寝かします。


 子供なので大人しくはしてくれませんが、なんとか寝てくれました。


 あとをリフェレットに任せて執務室に向かうと、執事長と旦那様が難しい顔をしています。



「どうされたのですか?」


 私が入ってきたことに気付いた執事長が助けを求めるような顔を向けてきます。


「ユフィ、僕は医者になってくる」

「旦那様……」


 すっかり良いパパになって、なんとレオンが体調を崩してからのこの30日ほどの間、一度も愛人のところに行かずにずっと屋敷でレオンを心配していた旦那様。


 その気持ちは本当だったようです。


 レオンが産まれる前、いや産まれてからも旦那様はどこか遠くでこちらには関与せずに大人しくしていてほしいなんて思っていたことを少し反省しました。


 彼だってちゃんと父親だったのです。


 宣言通り医者になるために出ていきました。きっと知識を身につける前に医学書をまともに読むことはできずに失敗すると思いますが、とても真剣な表情で歩いていく旦那様を止めることができませんでした。


「まぁ、実は僕も鼻水や咳が出るんだけどもね……」


 頑張ってください。今回始めて旦那様を心の底から応援しています。


 旦那様にはうつったのでしょうか?

 それとも、大人は大したことないのでしょうか?

 わかりません。だから頑張ってください。


 私は仕事をしながら応援するしかありませんので。


 そんなこんなで、早々に真面目に勉強するのを諦め、あの手この手を使って美人女医に取り入ったことも特に責めたりしません。


 ちゃんとレオンを診察し、治してくれるなら文句は言いません。



 どうかレオンを助けてください。


 何か嫌な予感がするんです。

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