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旦那様が自由奔放で浮気ばっかりするのでざまぁし続けたらなんか可愛くなってきました  作者: 蒼井星空


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第39話 はぁ?鑑定士になる?そんなことを言って、関係ないことばっかり調べてたら嫌われますが良いのです?②

□ユフィ


「旦那様はどうしたのでしょうか? 昨日はアーゼンベルク公爵家で鑑定士のスキルを習っていたそうですが」

「伺っております。鑑定士のロベルト殿からは素晴らしく筋がよく、半日で全てを覚えられたとの連絡を頂いております」

「やはり戦闘とか魔力を扱うことは得意なようですわね」

「政治や調整、書類仕事は一切ダメですが……。驚くほど技能に偏りがある方ですね」


 レオンとともに朝食を採り、今日の仕事をこなした後、夕方になって少し休憩を入れていた時にふと旦那様が見当たらないことに思い至り、執事長に聞いてみたものの何も知らない様子でした。

 

 まぁ、いざとなったらレオンに召喚してもらえばいいのですが、無事に鑑定士になったにもかかわらずレオンを視に帰ってこないと言うのは少々気になります。


 きっとどこかで女性を追いかけているのでしょうが……待ってください。もしかして鑑定対象がその女性自身と言うこともあるのではないでしょうか?


 偶然散歩していて見つけた女性のことが気になって気になって仕方がないから、鑑定のスキルを使って素性を知ろうとしたとか……。もしかして当家はとんでもない偏執狂を生み出したのかもしれません。


 私としたことが、失敗しました。


 今後、旦那様は気になった女性を手当たり次第に鑑定し、丸裸にすることができてしまいます。

最悪ですわね。


 これまでは旦那様の声に反応してしまうちょっとアレな女性しか靡かなかったのに、今後は旦那様が鑑定結果を使って悪だくみして女性を陥れていくかもしれません……。


 どうしましょう……というか、どうしてやりましょう……。



「焦るお気持ちはわかりますが、レオン様に召喚してもらえばよろしいのではないでしょうか?」



□エラルド


 僕は手当たり次第に鑑定を使った。使いまくった。


 アリシャが破損した絵画のことがバレてはいけないので、ユフィや執事長の気配を探って遭遇しないように帰宅した。

 その後、アリシャにうまく行っていることを伝えて安心させ、問題の絵画を視た。


<絵画の鑑定結果>

 高名な画家であるリゼーム・ハフトリンガーの描いた絵画をオーベル・マジョリーニが複製したもの。複製対象の作品はハフトリンガーの代表作である"天上の裸婦"と同時期に描かれた作品で、より扇情的で優美な仕上がりとなっている。


 あまりにも直接的な表現に対しては画壇からの評価が一部割れているものの、傑作であることは間違いない。



 えっと、どういうことだ?

 複製品?


 だったら修繕ではなく、また複製してもらえばいいのではないか?

 いや、複製に時間がかかるかもしれない。


 しかし、これは鑑定は良い仕事をしたのではないだろうか。

 そのオーベルという人物に依頼すれば修正するか、再度複製してもらえるかもしれない。


 ただし、このオーベル・マジョリーニという名前に聞き覚えがないため、探索のために鑑定を使いまくった。この絵を梱包していた資材、運んできた業者が置いて行った伝票、そこから辿って業者の建物や使用人などをだ。


 そして辿り着いた。オーベルという人物はなんとアーゼンベルク公爵領都で複製専門の画店をやっていた。そんな世界があるなんて知りもしなかったが、だったら話は早い。


 僕はアリシャのために自ら金を払って修正か再作成を頼むと決めて画店に入った。


「いらっしゃいませ」


 店に入ると一人の紳士が奥から出て来たので即座に鑑定を使い、その人物がオーベルであることを突き止める。


 そして……。







「ん?」



 突如として僕の体の周りに怪しい光が沸き起こり、気付いた時にはクルスローデン伯爵家の庭だった……。


「ぱぱぱぱぱ!」


 そこに両手を広げて飛び込んでくるレオン。

 あまりの可愛さについ受け止めると、手に持っていた絵画が転げ落ちる。



「旦那様……なにをしていらっしゃったのですか?」


 まずい……ユフィがなぜか怒っている。

 まさかバレたのか?


 幸い絵画は下を向いて落ちた。このままなんとかやり過ごせないか?


「なっ、なにもしていないよ」

「本当ですか? 鑑定のスキルは覚えられたと聞いていますが、なぜ帰ってこなかったのですか? もしかしてどこかの女性を鑑定を使って追いかけていたのでは???」

「なっ、そんなことはしていない!」

「ならいいのですが。であれば、レオンのことを視て頂けますか?」

「わっ、わかったよ。そのために覚えて来たんだからな」

「……」

 

ひねり出した言葉への反応がなく、ただ睨まれた。

これは怪しまれているだろうか?


視界の端でアリシャがおどおどとしているのが見える。

彼女はレオンの乳母であるリフェレットとも親しいため、手伝っていたのかもしれない。


なんとかばれないようにしないと。


僕は片足で誰の目にも止まらない速度で絵画を花壇に押しやってから、レオンに向けて鑑定を使った。



<レオンの鑑定結果>

・父エラルド、母ユフィの長男。将来はクルスローデン伯爵家を継ぐことが期待されている。

・明るく朗らかな性格であり、両親や周囲の愛情を受けてすくすくと育っている。

・魔法に対して高い才能が認められる。

・特殊スキル"生物創造(初級)"の保有者。このスキルによりカエルやウサギの召喚を行ったことがある。

・ユフィが授かったフリューヴァルス神の力の一部を引き継いでいる。この力は父エラルドを母ユフィに対してのみ無力化するものであるが、その対象者にレオンも加わった。ちなみに弱体化する方法として、ユフィ(およびレオン)にとってエラルドをまるで原始生物であるかのように認識させることによってユフィ(およびレオン)にとってはエラルドが下等な生物に認識され、エラルドにとってはユフィ(およびレオン)が遥か高尚な生物に認識されるという形式だった。そう誤認させることでエラルドをユフィ(ないしレオン)限定で弱体化させることを実現していた。

・レオンがエラルドが使った召喚契約の魔力の動きを真似した際にこの弱体化が発動し、レオンは無意識化でエラルドのことを"生物創造(初級)"で創造可能な生き物であると認識した。そのため"生物創造(初級)"によってエラルドを呼び出せるようになった。(なお、創造されるたびに新たなエラルドがレオンによって作られているが、エラルドの能力は世界にとって強力すぎるため、この世界に複数同時に存在することはできないことから、創造されるたびに前のエラルドは消滅している。記憶が消滅前のエラルドから想像されたエラルドに引き継がれている理由は何らかの不具合によるものと思われるが、誰も迷惑を被っていないので特に問題はない。)





 ……。



 よくわからんけど、問題ないならいいか。

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