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新訳三國志演義  作者: 篠原2
幼少期

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幼少期 第七十八話

少年の言葉を聞いた劉備は、


「…まあ、子供達の手伝いは無理かもしれないけど憲兄ちゃん達は手伝いに来てくれるだろうからそれまでは二人でやっていこうね?」


と、言って少年に話し掛けたのである。

これに少年は、


「…わかった。それじゃ壺に穴を開けていくね?」


と、言って壺に穴を開け始めたのであった。

これに劉備も、


「うん、良いよ。私も穴を開けていくね?」


と、言って壺の穴開け作業を開始したのである。

そうして二人がそれぞれ三つずつ穴を開けたタイミングで簡雍と女の子が劉備達の元にやってきて劉備と少年に、


「よぉ、二人とも、俺達の方は終わったからここの手伝いにきたぜ」


と、言って手伝い始めたのであった。

これに劉備は、


「思ってたより早かったね、憲兄ちゃん。それとも私の言葉に怯えてたのかな?」


と、言って声を掛けたのである。

これに簡雍はビクッと体を震わせた後で、


「…玄ちゃん相手に震えるなんて…そんなわけねえだろ?」


と、言って劉備の言葉に答えたのであった。

これに劉備は、


(さっき一瞬震えたのが丸わかりだったんだけど…まあ良いか)


と、心の中で話すと、


「ふ~ん、そっか。それならそうしておくよ」


と、言って簡雍に笑顔を向けていったのである。

この劉備の言動に簡雍は、


「お、おう!そうしておいてくれ!」


と、言って少しだけ引き攣った笑顔を見せると続けて、


「それでどうする?壺にはまだ穴を開けていくのか?」


と、言って劉備に尋ねてきたのであった。

これに劉備は、


(笑顔が引き攣ってたな…。まあもうどうでも良いか…)


と、心の中で思いながら簡雍の言葉に、


「そうだね、もう…八ヶ所ぐらい開けていこうか?」


と、言って答えていったのである。

これに簡雍が、


「わかった。それじゃ早速穴開けていくか。良いな?」


と、言って劉備の言葉に答えると隣の女の子に声を掛けたのである。

これに女の子が、


「うん、わかった!」


と、言って穴を開け始めたところで簡雍も、


「それじゃ俺もやっていくか」


と、言って壺に穴を開け始めたのであった。

そんな二人を見て劉備も、


「二人には負けていられないね。私達も続けて穴を開けていこう」


と、言って少年に声を掛けたのである。

これに少年は、


「はい!!」


と、言って力強く答えると張り切って壺に穴を開け始めたのであった。

この様子を見た劉備は、


(…ああ、そういう事か。この子はあの女の子の事が好きなんだな…。こういうのは昔も変わらないんだなぁ…)


と、思いながらもその事には一切触れずに壺の穴開け作業を再開させていったのである。

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