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089⚫️出たぞ! & 090⚫️暴君と暴海竜

089⚫️出たぞ! 


巨大暴海竜が現れた。

エイン・ファルマ王国の沖合から、黒い岩山のような姿が迫り、

浅瀬に達すると、その巨体がゆっくりと立ち上がった。


6つの眼は爛々と輝き、

4本の腕は虚空を掴むように蠢く。

2本の脚は波を蹴立て、

1本の尾が大気をうねらせた。

ついに、城の櫓のような全身が露わになる。

地鳴りのような振動が海岸に伝わり、伝令が王都へと駆けた。


突然の報に、レグナス王はわずかに口を結ぶと、

自ら兵を率いて出陣する。



090⚫️暴君と暴海竜


暴海竜は陸を進む。

地震がその歩みとともに起きる。

足音は振動だけではなく

轟音の波状攻撃が村に、森に、野山に届く。


レグナスが前線に到着した。

既に前衛はほぼ壊滅している。

いかなる矢も投石も通じない。

暴海竜は口から高温の息吹を吐く。

燃える。あたり一面が燃える。

火の粉を掻い潜った僅かな敗残兵を後にまわすと

レグナスは突撃の先陣を切る。

かつての’暴君’対現実の’暴海竜’。

だが、その戦力には埋めきれぬ明らかな差があった。


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