4-24.魔法陣
まてまて・・・ここは冷静に考えよう。
まずいったん移動をしないといけないが・・・旧西門からは入れないはず・・・?
旧西門は開いている。何故だろうか?
道路もなければ湿地でその先は川なんだが・・・
ん・・・馬車が出て来てそのまますれ違う。
魚の匂いがした。近くの村かなんかから魚を売りに来ているのか。
旧西門から都市に入る。先ほどの疑念の考察を続けよう。
なんの話だったっけ・・・
イケメンエルフとダンジョンマスターは裏で繋がっているかということか。
まずそうだと思われる理由は
ダンジョンマスターが「迷宮都市との全面対立になりますねー」と言ったこと。
とりあえずこれだけしかない。気にしすぎか。
ただ・・・だとすると説明がつくことがあると。
何故私に城壁の作成を依頼したのかは・・・最初から私の能力を知っていたとすれば考えられる。
流れとしては・・・
工房付きの家を準備できないからそこら辺に家作って住めと言うのを領地と表現。
領地と言う言葉を真に受けた私が北の地に堀と壁を作った。
離れすぎているから堀と壁を繋げろと言うことで延長する。
延長後石壁にするように依頼されて・・・下水道までやる羽目になる。
これについて否定する材料としては・・・
ここまで土魔法が使えるのは私も知らなかったし急成長するのも知らなかった。
むこうも知るはずは無い・・・違うか。
私は知らなくてもむこうは知っていてもおかしくはないのか。
レべル不明の天使が正体のダンジョンコアさんに鑑定さていたのだった。
次は・・・わたしが領地に興味を持たない可能性があったということだな。
そうなると堀も土壁もすべてない。
そうなるとゴーレム魔法もここまでは鍛えられなかった訳になるのだが・・・
疑念を肯定するにはまったく薄い推察だが・・・否定もしきれない。
何故私にダンジョンの強行偵察を依頼したのかは・・・私の正体と言うか経緯を知っていたのなら納得いく。
知っていたとすると・・・
北の新ダンジョンが休止中なのも、ダンジョンマスターが不在なのも、それを私が知っているのも分かっていたから依頼した。
そうでなければ新参者の私を送り込んだのは無理がある。
私がダンジョンマスターを倒してダンジョンコアを破壊する実力があると判断する材料はないはずだ。
実際に死にかかったし。
おおお・・・もしかすると殺すつもりだったか・・・死んでもよかったとかじゃないよね・・・
否定できない。むむむ・・・しまった。違う疑念が発生してしまった。
それ以外で判断する材料はないものか・・・
私がここに来たのはダンジョンコアさんが進めたからだ。
だがここを進める以外の選択肢はないともいえる。
後は迷宮都市でレッドキャップに出会ってイケメンエルフ一行に出会ったのは不自然だったな。
レッドキャップは不自然だったが・・・イケメンエルフは散歩とかでなく団体で移動していた。
あのタイミングで出会ったのは私の都合か。
一旦のろのろ南下した後一気に南下したのだった。
もしあそこで一行に出会ってなければアンジェさんと知り合いにもならないし1区の強行偵察に付き合うことはない。
むむむ・・・。考えすぎか。疑念を肯定するのにはあまりに薄い。
ただ殺すつもりだったか死んでもよかった思っている疑惑が・・・そんなことは・・・ないよね・・・といいな。
旧北門を抜けたところでアンジェさんとレオノーラさんと出会った。
合流して夕飯を食べに行く。
「どうしたんだ?元気がないな?」
なんですと?・・・顔に出ているのか。
「そうですか・・・仕事がひと段落したので気が抜けたのかと」
「そうなのか?休んだ方がいいんじゃないのか」
「そうします」
今日は北の拠点に帰らずに貰った家に泊ろう。
買っておった果物を3人で食べてから寝る。もちろん種は回収しておく。
朝起きたらなんとなく気が軽くなった。
今日は一度北の拠点に行って貰った魔道具のコピーをばらして複製するか。
いつもの元常宿で朝御飯を食べる。
アンジェさんは昨日と同じ愚痴を言うが・・・どうやら言うことを聞かない子供に手を焼いているようだ。
まあ・・・がんばれ。
二人と別れて新北門を抜けて農地エリアに入ったところで薬師の婆さんにあった。
今日は誰も作業をしていないようだ。
「おはようございます」
「ああ・・・おはよう」
「今日は作業はないのですか?」
「昨日もおとといも雨が降ったからね。今日は作業はなしだ」
なんですと・・・気がつかなかった。
昨日は・・・下水作成で地下にいた。
おとといは・・・ダンジョンで蹴り魔に蹴られていた。
その間に降ったと。
「なるほど・・・今は何を植えているんですかね?」
「白菜、ネギ、ゴボウ、玉ねぎ、ニンニク、カブ。後はいろいろ葉物じゃの」
となると・・・季節は夏の終わりか秋の始まりかな。
「イモや豆ならすぐに手に入ると思って言ったんですが・・・葉物の種ってよく手に入りましたね」
「家の裏とかで育てている連中とかもおってな。いろんな種類の種が手に入ったんじゃよ。特に初心者エリアの連中はいろいろ作っておった」
家庭菜園で自給しているということか。
見てみると農地エリアを全部使っているわけではない。
いうとおり葉物の植え付けが多いような・・・イモや豆はない。
自給率を上げたければイモや豆がいいような。
というかこの季節なら少しばかり麦類を植える準備もいいかもしれない。
たしか冬の前に植えるはず。
「野菜の植え付けが多いですね。イモや豆をもっと植えてもいいんじゃないですか?」
「迷宮都市で高く売れると考えれば新鮮な野菜と言う考えじゃ。それに野菜ならここに野菜を持ってくる連中への影響も少ない。もともと不足しているからな。イモや豆はそこそこの量が周辺の村から持ち込まれておるからあまり作るとそやつらが困るかと思っての」
・・・実は優しいじゃん婆さん。
「・・・何言ったか?」
「いえなにも」
心の声が聞こえるのか?
「ホテルとかでは結構新鮮な野菜とかが出ているんですがあれはどうやっているんですかね?」
「あれは専門の業者がおるんじゃ。高級食材専門ってことじゃな」
「・・・となるとその業者と揉めたりはしないですかね?夜中にバッサリ後ろからとか」
「その業者はアルゴランの息がかかっておるので大丈夫じゃ。ああ・・・これは内緒じゃぞ。なのでこちらの野菜はそちらとは棲み分けすることになる」
八百屋もやってるのかイケメンエルフ。
「では・・・そのときどきに旬の野菜を作っていくということですね。と言うことは麦とかとはやらないと言うことですか?」
「麦は100%ビスロに頼っているんで作ったほうがいいんじゃろうがな・・・少しばかり試作してみるぐらいしかできだろうな。それに必要な量も多いでな」
まあ小麦の消費1人当たり農地が1hいるらしいからな。
というかここの人口はいくらだろうか。
「ここって何人くらいいるんですかね?このエリアは西になら延長は簡単にできると思いますが」
「さてのう・・・10万はいないと思うが・・・正確には分からん」
10万・・・マジか。もともと6平方kmしかないはずだ。
1人当たり60平方m・・・。
そう考えると広い・・・違うか。
道路や店舗とかも含んでいると。
「10万だと・・・10万h。1000平方kmなんで・・・農地は整備できても人のやりくりは出来ませんね」
「そういうことじゃ。なんでもかんでも自給できる必要はないがな。低すぎるのも問題じゃがどうにもならん」
少し農地を眺めた後、北の拠点に移動した。
雨が降ったのか。
いかん。家のの回りに干してある皮と甲羅が濡れたな。
甲羅はいいのだろうが皮はいかんな。もしかするとダメになったかもしれん。
領地の内側エリアに移動すると・・・ゴーレムが木の皮を剥いでいた。
器用に剥いている。
上手いもんだ。・・・違う。
そんな命令だしたっけ・・・まあいい。不都合はない。
家の周りの壁から中に入ると・・・家からゴーレムが甲羅と皮を出して石と木の上に干していた。
木は皮が剥がしてある。
・・・ラッキー。ということで。
じゃねえよ。・・・もんさんが気をきかしてくれたのか?・・・命令できる・・・ようなきもするな。
今は・・・北東の森にいるのか。後で聞いてみよう。
さて・・・家に入って魔道具をばらそう。
過去やっているからかサクサク出来る。
暖房器具の小中大。照明の小中。照明の小は携帯用かな。
さて・・・魔法陣の作成をするか。
まず鉄板を作成する。
その上に魔法陣をピタッと貼り付けてその上から粉の石を土壁魔法で積層する。
石と鉄なので・・・少し力を加えれば・・・外れる。
石に魔法陣の窪みが出来る。
これに銅を流し込めばOKのはず。
魔導溶解炉をだして・・・いや。試作は魔法でやるか。
銅のインゴットを魔法で石製の型の上において錬金術で熔かす。
ヒート魔法でも同じことが出来るだろうが微調できる自信がない。
溶けた銅を魔法で冷やして取り出す。
魔力を流し込むと・・・全く反応がない。あれ?




