表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/519

2-17.巫女

<タイムストップ>


いきなり呪文が発動した・・・なんだこれ。

宇宙空間に立っている奇妙な感覚があった。

まわりは暗闇のなかに星がきらめいていた。

そこに白髪の少年が宙に浮いていた。


「お久しぶりです。黒猫武蔵さん」


1週間たってない気がするがな。最高神か・・・というかやっぱり死んだのか俺・・・


「おひさというほどではないですかね。本当は2度と会うことはなかったんですが」

「私ってやっぱり死んだんですかね?」

「いや・・・死んではいないですね。とある理由で死にそうだったです。それもあって呼び出しました」


?・・・毒で死ぬところを助けてくれたのか?


「毒で死ぬところだったんですよね?」

「いえ。毒はどうにかなってたんじゃないかと」


どうにかなった?キャラクターは全滅したんだが。

ほかに死ぬ理由が?


「明確な私への殺意を感じたんです。もう信じられないくらい濃厚でバキバキのやつを。見てみたら黒猫武蔵さんがフルボッコで。とあるアイテムが解凍されそうになっていたんで時間を止めたんです」


時間を止める?簡単に言いますな・・・殺意?・・・あああ・・・こいつが俺の敵か。


「それです。マジでやめてくださいよー。私心弱いんです」


・・・マジかこいつ・・・というかあるアイテム?


「とあるアイテム?」

「ええ。護衛艦?・・・ひゅうが?・・・と強襲揚陸艦?・・・ワスプ?・・・その他もろもろです。さすがにこの大きさが実体化されるとまずいので止めました。何があっても勝手に解凍はされないようにしましたので今後は大丈夫です」


とある理由で死にそうだったと。確かにあれが出たら圧死だな。


「今回の事態の根本解決を行うのでその殺意を引っ込めてもらいたいと思いまして」


根本解決・・・ということは身に覚えがあるんだなこの邪神・・・


「今回黒猫武蔵さんを襲った組織には私の巫女がいます。巫女はわたしの力と声を受けることが出来るのですがこの巫女はわたしの言うことはまったく聞かないので困っていたんです。それでも私の力を周りに渡すことが出来るので組織としては欠かせない存在になっています」


それは巫女とは言わないのでは・・・


「それなのでケリを付けようかと思いまして。団体全部・・・構成員信者丸ごとこちらで処分しますのでその殺意は引っ込めてもらえますか?」


・・・またもやマジかこいつだな・・・自分の信者を丸ごとか。


「その組織は総勢何人なんですか?」

「この際人数はどうでもいいでしょう」


・・・三度目のマジかこいつ。

この世界の人口の半分が信者とかだったら大惨事だぞ。


「・・・その巫女に最終警告をしてみるのは?」

「黒猫武蔵さんがそう言われるならそうしましょう」


周りの風景が宇宙空間から真っ白に変わった。

床と天井が白で壁は遠すぎて見えない。

長時間いたら気が狂いそうだな。

目の前に十数人がいきなり現れた。・・・巫女と教皇とその取り巻きか。


「初めましてというべきかな?我が巫女」

「最高神様!」


いきなりの土下座。ほれぼれする速度だ。


「いまさっき君らの組織の構成員が私の友人を襲ったんだ。で友人の部下に被害が出てね」

「部下じゃない。心の友だ」

「ソウルメイトですね。すいません。・・・で友人は怒り心頭で君らを皆殺しにして君らが信仰しているものも殺すと言っていてね。わたしが君らを皆殺しにするんで許してくれないかってことになっているんだ」

「なにか言うことはないかい?わが巫女」

「なんだこ ぶがっ」


取り巻きの一人が絶叫した瞬間吹き飛ばされた。

手足があり得ない方向に曲がっている。


「君らには聞いてない。しゃべっていいって言ってないよな?」


巫女は土下座しながら泣いている。なにかぶつぶつ言ってるな。


「お許しください。お許しください。お許しください。お許しください」


どこにでもいる村娘という感じだ。

許しを請うということはこの事態を把握してるな。

有罪ということでいいか。

このままでは皆殺しか・・・まあそれでもいいが・・・きっかけはわたしか。

寝覚めが悪くなりそうだな。


「そこの村娘。ぶつぶつ言ってないで顔を上げろ」

「われらが巫女に おが」


また一人絶叫した瞬間吹き飛ばされた。

先ほどとは比べ物にならないくらいの大惨事になっている。


「そうやってぶつぶつ言っていても何も起きないぞ?お前は最高神の力だけを使って教えは無視した。今回の事態はすべてお前の責任なんだが自覚はあるのか?」

「最高神様。これはなにかの ぼげ」


また一人吹き飛ばされた。

もはやただのラインになっている。


「わたしは最高神様の教えを皆に伝えました。だけど誰も聞いてくれないんです」

「なに びょ」


血煙って起こるんだなー。


「最高神の教えは伝えましたー誰も聞いてくれないんですよーでも最高神の力は振りまきますよーってな感じでお気楽に生きてきたわけだ」

「で・・・教えは聞かないが力だけを使うお前らの存在がなぜ許されると思うんだ?頭が悪いのか?」


巫女は無言で泣いている。

これはダメだな。

ただの村娘が巫女として祭り上げられただけという感じか。


「このままだとお前の責任で平信者まで皆殺しだ。でだ・・・お前に贖罪の機会を与えよう」


ウォーハンマーを出す。何故か手が震えるので使えないのでいいだろう。


「組織の構成員 裏も表も 全部お前が殺せ。平信者は対象外でいい」

「お前が実行すれば平信者は助かる。いままでのように何もしなければ全員死ぬ。お前が選べ。私はどちらでもいい」


巫女は なにを言っているんだお前は って顔をして震えている。


「本当にそれでいいですか?」


最高神が意外そうな顔で聞いてきた。

あんたに任せると大虐殺だしな・・・


「わが巫女よ。あなたから周りへの力の放出は止めました。すべての力が使えるので本部の掃除はすぐに済みますね。その他の掃除も1か月もあれば済むでしょう。本部を今日中、その他を1か月以内に処理できなければ皆処分します」


そういうと教皇、巫女その他はみな消えた。

おう・・・あの娘が何もしなければ皆殺しじゃん。


「贖罪の機会を与えるなんて黒猫武蔵さんは優しいですね。なにも言わず皆殺しで良かったと思いますがね」


よく考えればここまで放置したこいつが悪いのでは・・・


「それでは全部済みましたので」


そういうと最高神が消えた。

その瞬間わたしは地面に大の字で倒れていた。

左肩は痛いし左腕はあまり動かない。

体が異常に重い。

キュアポイゾンをかけてみるか。


(キュアポイゾン)

<キュアポイゾン>

(キュアポイゾン)

<キュアポイゾン>

(キュアポイゾン)

<キュアポイゾン>


あまり何も変わらないな。

起き上がって周りを見る。

多量のゴーレムの残骸と12体の死体。

どうやら敵も全滅したようだな。

元ゴーレムとその武器、敵の武器、敵の飛び道具を全部アイテムボックスに回収する。

歩いて帰る気力がない。

と言って野宿もないな。

前に買ったゴーレムの元を使うとしよう。


<クリエイトクレイゴーレム>


何か違う・・・クリエイトゴーレムよりも細い人間に近い形状のゴーレムが現れた。

この呪文の検証は後にしよう。

今は帰りたい。

ゴーレムにお姫様抱っこさせて移動する。

結構揺れるがそれは我慢する。

移動しながらこの戦いについて検証する。

敵はまず奇襲してきた。

気配遮断、魔力遮断を使用したかそれに相当する手段があった。

対策がいるが・・・思いつかない。

麻痺毒付きの飛び道具でこちらの行動を抑え込んだ。

途中で殺す気になって毒を使ったのだろうが最初から殺す気ならヤバかったかもしれない。

完全に敵をなめていた。

ガタがきているがオールオリハルコンの鎧に装備変更するべきだった。

そうしていれば左肩は切られなかったかもしれない。

飛び道具は効かなかっただろうから行動を抑え込まれることもなかった。

銃器も使うべきだった。

呪文での攻撃は通じていたので戦えないことはない。

だが人数はそれだけで脅威だと思い知った。

ランチェスター第二法則では12人は戦力144倍になる。

攻撃は12倍で防御も12分割だらかな。

といって・・・出会うのはただの盗賊かもしれないから装備を見せるわけにはいかない。

最初から殺す気で全力で行くしかないのか。

人間相手だと強さや目的が図れない。厄介だな。

そう考えていると前から近づいてくる反応があった。

鷹の目で見ると馬に乗った・・・アンジェさんだ。

何故にアンジェさんが?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ