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2-9.ダンジョンコアさんとの再会

警戒しながら峡谷風ダンジョンを進む。

警戒している風になるのか知れない。

地図上では冒険者もまばらだが魔物もまばらだ。

一番近い魔物方向に歩いていく。

初遭遇はゴブリンだった。

この世界ではダンジョンといえばゴブリンなんだろう。

出会いがしらに脳天に一撃を入れ即死させる。

フルボッコに会っていたのが遠い過去のようだ。

そのまま解体を行う。


「一撃でしたね・・・解体はちょっと・・・」


解体?倒したら解体。何か問題があるのか?


「1層の入り口に近いところでは初心者ゾーンです。魔物を倒すのは別にかまわないのですが初心者以外は解体しないのが暗黙のルールです。ここに現れる魔物の数はは大体一定なので魔石を回収されると初心者の収入が減ります」


上級者が初心者エリアで魔石回収は困ると。

魔石を切り目を入れた胸に戻す。


「それにしても解体が一瞬でしたね。初心者以外がゴブリンの解体をしないのは解体にかかる時間が割に合わないからでもあるんです」


勝手に手が動きます。

一回で魔石が出ます。

すいません。

理由は分かりません。


「それならばあそこから下層に潜りましょうか?」


左側の一番手間の下層への入り口を指さす。

とりあえず近くでいいでしょう。


「よく下層への入り口がわかりますね?」


・・・油断した。気が緩みすぎだ。どうこたえるか。


「目はいいんです」

「見える角度ではないですが?」


かなりやばい・・・


「空気の流れが見えるというか・・・そんな感じです」

「おおーなるほど・・・斥候だとそうなるんですね」


おお・・・なぜかうまくいった。

言ってみるもんだ。

そんなことを言いながら下層への入り口に近づいていく。

ふと地面を見ると見たことがあるような草が生えている。

じーと見ていると


「それは癒し草ですね。採取は別にいいですよ。これは1層にしかないので。ただ根こそぎ取るのはダメです」


両刃になっているスコップのような採取用ナイフが勝手に出てきて採取を行う。

癒し草を手に取り見た後で地図で確認する1層一面に癒し草がある。

どうやら一度手に持って見てみないと認識されないようだ。

やっかいだな。

閃いた!アイテムの中で癒し草を探して錬金術で解凍する。

今採取した癒し草と見比べると確かに同じものだ。

こちらに存在するもの差し替えてあるのだろう。

夜寝る前にでも素材を探して錬金術で解凍して観察しとけばいいのだろう。

ある程度癒し草を採取してから下層への移動を再開する。


「ここはよく潜るので構造は知っています。人気はまったくないんですけどね」


人気はないのによく潜る?意味不明だな。


「人気がないのによく潜るんですか?」


思わず声がでた。


「ここは宝箱が全く出ません。そして強さの割に素材がよくない俗にいうおいしくない場所です。1区と呼ばれてます。今はここから順番で12区まであります」

「ここは人気がないので定期的に行われるアルゴラン様と騎士団、兵士の間引きの対象になります。わたしもその時に雑用の冒険者枠で潜ります」

「間引きというのは?領主が?」

「人気がない場所は魔物が溜まっていきます。それを放置するとスタンピートを起こすと云われています。なので溜まった魔物を狩ります。騎士団や兵士のの訓練も兼ねています」

「アルゴラン様はトップクラスの実力者です。ここから南にある王都と呼ばれる場所にあるダンジョンのダンジョンマスターを倒したチームの一員です。ある意味伝説の人物です」


ダンジョンマスター・・・オークの魔王も言ってたな。

ダンジョン管理人のことかな?聞いてみよう?


「ダンジョンマスターとは?」

「ダンジョンの主と言われています。階層が増えたり構造が変わったり魔物の配置が換わるようなダンジョンには居ると言われています。ダンジョンマスターを倒すとダンジョンがそのままで固定されるため資源ダンジョンとして有効利用できるようになると言われています。ただ階層が増えることもないので取れる資源が増えないということにもなります」


かなり正確に把握されてるな。

普通は全自動で動くダンジョンコア。

ダンジョン管理人がいれば管理人の権限内でダンジョンが変化すると。

よく考えたら攻略者からすれば死活問題だからは分かるのは当然か。


「ということはここのダンジョンマスターは領主様が倒したとか?」

「・・・ここのダンジョンマスターは倒されていません。ダンジョンマスターは速攻で倒すべきと言われていますが・・・」

「明らかに周りの実力が足りていません。ある程度潜るとアルゴラン様がチームの全員を守りながら攻撃している状態になります」


騎士団で最初に盾士をやると言うのはそれが原因か・・・

聖剣というからにはアタッカーなんだろうが味方を庇う?

そんな限界まで潜ってもしょうがないような気もするが。

下層への入り口に到着する。

ここまで出会ったのは2ゴブリン。

解体せずにそのまま放置だ。

そこには石積の通路があった。

フルボッコにされた所と一緒だ・・・

そのまま侵入するが腰がが引けているのが分かる。

いい思い出はない。

ゴブリンにフルボッコだからな。

無言のまま進むと反応があった。


<ゴブリンファイター Lv1>


ゴブリンファイターは初めて見るけどゴブリンとの差はなんだろう?

ただし数が多い。

11か。

ここは魔法で数を・・・いかん。

アンジェリカさんの前で攻撃魔法の連続使用は出来ないな。

バフ魔法は目には見えないからいいのかな。


(プロテクションアップ)(アタックアップ)(ヒットアップ)(スピードアップ)(マジックアップ)

<プロテクションアップ><アタックアップ><ヒットアップ><スピードアップ><マジックアップ>


バフを掛けて攻撃魔法を一発だけ撃つ。


(マジックアロー)

< マジックアロー>


ゴブリンファイターの先頭が吹き飛びそのまま動かなくなった。

突っ込んでくるゴブリンファイターに切りかかると一撃で倒れた。

強さはゴブリンと大差はないような気もするが持っているのが剣だ。

攻撃は避けて戦うが囲まれてしまう。

アンジェリカさんは盾で攻撃を弾きながら剣で一体一体倒している。

かなり動きはいい。

避けながら戦う私より殲滅速度は高い。

被害を受けることもなく数分で全滅させた。


「ここでは解体してもいいですよ」


すぐさま解体をする。解体の速さは圧倒的に私が早い。

話によるとどうやら敵の数が多いらしい。

不人気なのは本当となるとダンジョンコアが設置されいるのはここの可能性があるのか知れない。

その裏をかくってこともあるからダンジョンダンジョン管理人の性格次第だな。

剣は銅製だった。

剣と魔石とを何も考えずにアイテムボックスに入れた。


「クルーソーさんは魔法の鞄を持ってるんですね。わたしと同じものですね。私のは借りてるんですけどね」


ダミーで持っていてよかった。

今からは魔法の鞄に入れよう。

その後もゴブリンファイターとかなりの頻度で遭遇する。

さすがに11匹とかはないが3,4匹でかかってくる。

その程度の数なら問題なく処理できる。

そうしているうちにボス部屋らしい部屋の手前まで来たが・・・

地図で見るにボスを倒さなくてもその後ろに抜けられる構造になっているような。


「この先に階層主と呼ばれる魔物がいます。ここはゴブリンケンプファーですね。どうしますか?普通は階層主を倒す実力がないと下にはいきませんがどうやら大丈夫な感じです。ここは階層主を避けて下層に下がることが出来ます」


そのまま下層に行くことにする。

何倒しても経験値1だしな。

また下り坂が続くが1層への坂ほど長くはない。

2層も石畳のダンジョンだ。

角の先に魔物の反応が3つあった。


「角の先に反応が3」


そういって角を曲がるとそこにはGがいた。


「ひょー」


<縮地><吶喊>

<大地斬>

1匹目

<中段回転斬>

2匹目

<スマッシュ〉

3匹目


すべて頭をたたき割った。

思わずやってしまったが武器技能を使ってよかったのだろうか。

今までアンジェリカさんは戦いで武器技能を使っていないので分からない。


「そんな風に迷宮油虫を倒したのは初めて見ました。これの外殻は鎧の材料になるくらい硬いので。普通は足を破壊して腹側を攻撃して倒します。これの鎧を着るのが初心者たちの目標らしいです。硬いのですが攻撃力が低いですし倒し方が確立しているのと素材としていい値で売れるので初心者たちが団体で狩ります」


初心者が狩るだと・・・マジか・・・攻撃力が低い?

まあ齧るだけだしな。

体当たりされたら大ごとだと思うがな。


「顔色悪いですよ。旅で疲れてるんですか?もう戻りますか?」


戻ることにした。

大体の感じは分かった。

魔物を避けて移動し1層の上り階段前のギルド出張所前まで移動した。


「魔石の買取はどうしますか?私はここで売らないといけません」


全部まとめてアンジェリカさんに売ってもらうことにした。

彼女のギルドのポイントの足しになるだろう。


「全部で96銅貨でした」


ひとり48銅貨か・・・低層で途中で帰ったとはいえ安いな。朝の串焼きより安いぞ。


「わたしの都合で途中で切り上げて申し訳ない」

「今日は様子を見るだけの予定でしたので構わないですよ」


まあ最初は潜らず1層をうろうろするつもりだったからな。

これでもいいのか。

まだ宿に泊まるのは早いので街を案内してもらった。

武器屋、防具屋、道具屋一通り見てみたが現状必要なものがないからな。

凍結されているアイテムが満載だからな。

今日は最初に泊まろうとしていた宿に泊まれた。

1泊が4銀貨で夕食は2銀貨 朝食が1銀貨だったのでまとめて払った。

部屋を見てみたが広さは狭くなっていたがシャワーと水洗トイレはまったく同じ感じだった

食堂で夕食を取ったが食事のレべルもあまり変わらない。

値段が5倍の差があるとは考えられないが。


「今日はゆっくり休んでくださいね。明日はもう少し深くまで潜りましょう」


明日の予定を組まれてしまった。

ここに馴染むまではそれでもいいのか・・・

部屋に入って寝る前に検証を1つやることにしよう。

癒し草があるのでポーションでも作るか。すり鉢、すりごき、鍋、七輪等を錬金術で解凍する。

空瓶があったのでこれも錬金術で解凍した。

瓶の材料もあったが瓶の作成は今度でいいだろう。

癒し草をすり鉢ですりつぶしクリエイトウォーターで作った水と混ぜて鍋に入れる。

後は過熱して混ぜるのだが七輪で火を起こすわけにはいかないな。


<ヒート>


鍋を温めながら魔力を込めて癒し草を煮詰めていく。

魔力が干渉しなければいいのだが。

魔力を込めるのをやめアイシングで余熱を取る。

初級の中レベルのポーションになった。

ゲームでは初級の上を作れたはずなのだが。

これは数をこなすしかないのか。

シャワーを浴びて寝ることにする。


朝起きて食堂に行きアンジェリカさんと朝食をと取る。


「実は私は今日ダンジョンに潜れなくなったんですよ。アルゴラン様がダンジョンに潜るのでその前準備をしないといけなくなったんです。指定依頼が来たんです。すいません」


アンジェリカさんと宿の前で別れる。

これはチャンスかもしれない。

そのままダンジョンに向かう。

途中の検問も何事もなく通過できるしチンピラが付いてくることもない。

昨日のチンピラは高級宿から出て来たからだろうか。

今優先するべきは経験値と魔法のスクロールになる。

このダンジョンにはダンジョン管理人がいると思われる。

そこまで行って魔法のスクロールをねだることにしよう。

出さないならボコるのみだ。

10層の階層ボスや魔王よりは弱いだろう。

たぶん。

1区の入り口まで到達した。


<隠蔽>

<気配遮断>

<忍び足>

<魔力遮断>


出来るだけ戦闘は避けて最下層を目指そう。

あの技能が使えるのではないだろうか。


<加速>


使えるようだ。

地図を見ながら魔物を避けて爆走する。

階層ボスも避けられる構造なのはラッキーだな。

2時間もかからず10層のボス部屋に着いた。

ここから先に通路はないのでここは戦うしかない。

武装をオールオリハルコンに変える。

ここまで冒険者はいなかったので大丈夫だろう。

角から覗くと銀色の巨大なリビングアーマーが1体いた。

腕が4本で巨大な剣をそれぞれ持っていた。ここは援軍を出すことにしよう。

ミノタウロス装備のゴーレム一体、リビングアーマーの装備のゴーレムを4体、スケルトンジェネラルメイス持ちのストーンゴーレムを8体をボス部屋に投入する。


<プロテクションアップ><アタックアップ><ヒットアップ><スピードアップ><マジックアップ>

<シールド><シールド><シールド>


リビングアーマー装備のゴーレムで敵の攻撃を抑える。

後のゴーレムは全力で攻撃だ。

私の魔法も加わるのでじわじわと敵のHPが減って行くがこちらのゴーレムのHPはそれ以上に減っている。

私の両手剣攻撃を加えることにする。

敵の攻撃の合間を見て武装技能を叩き込む。

かなり時間はかかったが銀色のリビングアーマーを沈めることが出来た。

こちらのゴーレムはぼろぼろだ。


ここにダンジョンコアがあるならダンジョン管理人が出てくるはずだが・・・

出てきたようだ。細身の少し小さめの黒い全身鎧で両手にロングソードを持っている。

どう交渉しようか・・・


危機感知が働いた。

縮地で後ろに飛ぶと私のいたところに火柱がたった。

ファイヤーストームか・・・全身鎧なのに魔法なのか。

ゴーレムを全部突撃させる。

私も突撃するが剣戟でゴーレムが粉砕されている。

これはまずい。

ゴーレムに全力防御を命じてアロー系魔法を全力で叩き込む。

マジックハンドを使ってMG3とM2を構える。

まだ消費した弾は完全には回復していなかったがそのまま射撃する。

弾が切れた瞬間銃を格納して縮地で突っ込む。


<スラッシュ>


相手の右肩に当ったがそのまま縮地で後ろに飛ぶ。

わたしが飛ぶのと同時に剣が空を切っていた。

普通に切り合える速度ではない。

縮地なしでは避けられない。

相手の動きが止まっている。

こちらのゴーレムも防御に専念している。

交渉を開始するとしよう。

強気でいこうか。

そう思った瞬間胴に衝撃を感じ壁まで吹き飛ばされた。

ダンジョン管理人は動いていなかった。

魔法か・・・いや魔力も危機探知もなかった。

幻覚が見えた気がする。

ハンマーをくりくりまわすダンジョンコアさんがこちらに歩いてくる気がする。幻覚だよね。


「あげっ」


左耳に一撃を食らい右の壁に激突した。

間違いない・・・

これはダンジョンコアさんだ。

なぜここに?

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