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バッドエンドの向こう側  作者: 白い黒猫
世界の解説

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14/14

★★★あとがき★★★

 最後まで読んで頂きありがとうございました。


 コチラは7月11日の11時11分11秒に事故に合うことでループ現象に巻き込まれた人達のドラマを描いたシリーズ四作目となります。


 今回の物語は前作【バッドエンドはもう来ない】作成時に脳内で同時に湧いて作られた作品で、前作の2026年の11月11日の物語の前の年の現象を語った内容となっています。


 このシリーズ現象そのものの発生条件やその構造は同じなのですが、巻き込まれた人のキャラクターによって物語の雰囲気がかなり変わって感じるモノとなっているようです。


 そして今回はシリーズの中でかなり異色の内容となっているかもしれません。


 一人でこの現象の中で過ごすことになる状況は、二作目に近いような形ではあります。しかし事故の際に周りの被害も考えなくて良いので、最初から気ままに自由に動けること。

 さらに夢見がちで妄想癖があるという今回の主人公、そして彼女に接触してくる事になる他のルーパー(ループ現象にハマった人の事)の性格がアレな為に一番嫌な世界になってしまっているのかも知れません。


 シリーズ初とも言うのは、このループ現象について物語の中で詳細な検証がされていません。

 そもそも主人公は自分が原因となった事故が11:11:11に起こったという事実を知らないし、事故の時間を気にしてすらいません。

 他の年のルーパーが辿り着いていたまでのレベルの情報に全く届いていないどころか、殆ど何も分からない状況です。

 そのためループ現象の謎については一番ボンヤリしています。


 他の作品では、別の年のルーパーと接触する事で、ループ現象の謎についてより詳しくなるのが定番の流れだったのですが、今回のヒロインは別の年のルーパーとの交流はありません。


 そもそも他の年のルーパーと接触出来る権限は現象の核となっているルーパーのみ。

 今回の主人公の愛花は核ではないという事。

 核であるルーパーが愛花に対して不親切であることで、他の年にもこの現象がある事にも気がつけていません。

 そして今までのシリーズは基本、過去の年のルーパーとの繋がりで進行していくのですが、今回裏ではありますが繋がっているのは一年後のルーパーという事。


 この物語においてはナナシという名前で登場する人物がこの年の核となっているルーパーで、その一年後にループ現象に巻き込まれる人が佐藤周子となっています。


 この佐藤周子は前作の【バッドエンドはもう来ない】の主人公。

 今回、愛花が接触しているのと同じ人物で、一年前の時間を生きてる周子。

 その為この時間軸では単にループ現象の中にいるだけの状態です。

 そしてナナシは一年後のルーパー達と既に接触済み。その為一年後の佐藤周子とは交流があり、周子に複雑な感情を抱きこの物語での行動に至っています。


 このループ現象ですが、ひたすら同じ日を繰り返す事で倫理観が壊れがちです。

 単にループしているだけの人への気遣いの低下、自分の欲望に忠実な行動を過ごすようになります。


 周子は見知らぬ狂人二人にレイプされるという毎回かなりな恐怖の体験をさせられていて、愛花が言うように決して喜んでいる訳ではありません。

 愛し合っていると言いますが、抵抗出来ない状態にされ一方的に身勝手な愛をぶつけているだけ。

 0時超えると全てリセットされて、次会っても笑顔の対応をしてくれるので、愛花は自分は受け入れられていると勝手に認識している状態です。それに都合の悪いところはスルーして妄想力で二人の関係を勝手に素敵なモノへと変換しています。

 ナナシの方がまだ状況を冷静に見ていて、周子を精神的に甚振り恐怖を与える為にあえてやっているところがあります。その為に愛花も利用しています。

 ナナシは周子に対して恋愛感情は全くありません。とある理由で憎んでいますが、周子さん自身の事は嫌いではなく、友情もそれなりに感じています。それはあくまで一年後の周子に対して。

 この時代の周子は八つ当たりの対象でしかありません。一年後の周子と複雑な気持ちを抱えてながらも冷静に付き合っていく為に。

 そして彼女を自分()抱くという事には大きな意味を感じています。


 ナナシは人を利用する為に操る事が上手い人。恐怖と笑顔という飴と鞭で、愛花を自分の都合の良い動きをする駒として洗脳してしまっています。


 結果、この物語は夢見がちな妄想爆発系女子と、拗れまくった愛を抱く男が繰り広げる歪み切った愛の世界となりました。


 シリーズの中で一番ストレートに嫌な世界になったのかもしれません。


 そして前二作、とバッドエンド二作。共通しているのは佐藤さんという人物が、ルーパー仲間からやたら執着されて困った愛され方をするというところかもしれません。


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