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愛さえあれば性別という壁は無意味に等しい。さぁ、恋愛対象に漢の娘をいれるんだ

 扉の向こうから聞こえてきたのは、あの二人の声だった。


「あぁん、もう、愛してるわぁユノン」

「僕もだよ、リラ」


 バカ夫婦の茶番はまだ続いていた。


「うるせぇ!」


 ノアは扉ごとユノンとリラを蹴り飛ばした。


「きゃっ!?」

「うわぁっ!?」


 後ろから見ていたヒルデは顔面蒼白。

 マルマとメルメは、ノアの蹴りをパチパチと手を叩いて褒める。


「いちゃつくなら家でやれ!」


 憤慨するノアにユノンとリラはポカンとしていた。

 すぐにノアと気付いた二人はなにもなかったかのように喋り始めた。


「まぁ、貴方がノア様かしら?ユウトちゃんとラウラとリノンがお世話になってます」

「三人が世話になっていると聞いた。はじめまして、ノア様」


「お、おう。よろしくな」


 蹴飛ばされて地べたに座ったまま、あまりにも自然に話し始めた二人に混乱するノアだったが、面倒なので突っ込まないことにした。


「ユウトちゃんが可愛いからって手を出したらだめよ?」


 リラはユウトの貞操を心配していた。

 なにせ、可愛い息子だ。

 心配しないわけがない。

 ただし、方向性はズレていた。


「ユウトは男だけど?俺もだが……」

「性別なんて関係ないもの。そこに愛さえあれば、性別なんて無意味に等しいの……」


 リラの物言いに納得できずにいたノアはリラを無視することにした。


「で、二人は強いの?」

「僕達が弱いように見えるかい?」

「そうか。ならいいや。二人にはユウトたちと一緒にこの森の探索の指揮を頼む」

「それくらい構わないよ。けど、リラにはさせてあげないでくれないかい?」

「どうして?」

「リラは森の泉の精霊のような存在だ。どこかお茶のできる場所でのんびりさせてやれないか?」

「うん、わかった。とりあえず、保護したエルフの看護の指揮を頼む」

「構わないわ」


 指揮系統がちゃんとしたところで二人にはそれぞれの場所に向かってもらうことにした。


「案内はこの、マルマとメルメがしてくれる」


 ノアは後ろで傍観者をしていた二人をユノンとリラに突き出した。


「「!?」」

「二人は大人だからな。仕事も完璧にこなすぞ」

「期待してるわ、マルマちゃん」

「任せたよ、メルメ嬢」


 ビクッとした二人はノアを一瞬だけ睨み付けて、二人を案内していった。


「あとは、ヒルデだな」

「はい……」

「俺の補佐ね」

「へ?」

「ここでは俺が一番偉いので、俺の命令は絶対だ」

「ええ!?」

「というわけで、ヒルデはそこのソファに座ってくれ」

「は、はい……」


 ソファにちょこんと座ったヒルデは何をさせられるのか?とビクビクしていた。


「ちょうどいい枕が欲しくてな、膝を借りるよ」

「へ?」


 ヒルデの太ももに頭を置いたノアは満足げに目を閉じた。


「おやすみ、眠りを邪魔した罰ね」

「あぅ……」


 突然の強制膝枕にされたヒルデは顔を赤く染めるのだった。


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