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「くそっ」
ドワーフがグレネードを足元に投げると周囲が一瞬で白い煙に包まれる。
網膜を変化させ、煙を透過し透かさず迫りくるドワーフに火球を放つ。
「うあ!?」
一発命中したようだ。
ドワーフはホバーで建物の上へ逃げていった。
追わなきゃ。
兵士達が疾風を放ち煙を吹き飛ばす。
「おい動くな止まれ!!」
兵士達が武器を構え身構えている。
〘⇄〙
両手を上げる。
「襲われたのはこっちだよ」
「喋るな!! そのまま両手を頭の上に」
〘⇄〙
兵士の指示に従う。
「おい、待て!! アークディラだ!」
「あの噂の!?」
「す、すまない」
兵士達が武器を下ろす。
姿勢を戻す。
数人の兵士達が周囲の警戒に向かっていく。
横を通り過ぎる兵士。
「さっきはすまなかった。仲間を救ってくれたって聞いてたのに……俺は……」
「いいって」
リーダーらしき兵士が目の前に来る。
「怪我をしているようだな。大丈夫か?」
「平気だよ」
「襲ってきた奴はどんな奴だった?」
「黒い鎧を着たドワーフだった。短剣2本。かなりの手練だった」
リーダーらしき兵士が他の兵士と目を合わせる。
「そいつらはフィアナ騎士団の奴に違いない」
「騎士団がどうして僕を襲うの?」
「騎士団とは名ばかりで、蛮行を平気で行う連中だ。恐らくアサシンだろう」
「フィアナ騎士団って?」
「昔、オートマトンとの戦争で活躍していたらしいんだ。だが過去の栄光にしがみついている哀れな連中さ。今では金でしか動かない傭兵組織だ。金の為なら子供でも殺す。何でもやる腐った連中さ」
「そんなのが街を彷徨いているの?」
「すまないな。俺達が不甲斐ないばかりに。だがどうか分かってほしい。オートマトンとの戦いで今は人員が足りていないんだ」
「出来る限り追ってみるよ」
「それは助かるが、どうか気をつけてくれ。クズな連中だが、腕は確かだ。それと協力出来る事があればいつでも力になる。声をかけてくれ」
「ありがとう」
「おい! 巡回に戻るぞ」
「「了解!」」
路地裏から出る。
表通りを進むと道が広くなり、種族の行き交いも目に見えて増えてきた。
建物も清掃が行き届き、巡回する兵士の姿も増えてくる。
・酩酊蜥蜴
巨大な赤いロブスターが建物の正面の壁に掛けられ、ぎこちなく動いている。
におってくる強いアルコールと美味しそうな食べ物の香り。
ここは酒場かな?
少し中を覗いてみよ。
リライトはここまででした。
続きはいずれ。




