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ロードオブダーク  作者: 逆立ちハムスター


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一瞬、力を込めていた念動の反動が軽くなった。

タロスの頭部だけが僕の念動で宙に浮いていた。

「胸のコアを破壊した。後は背にあるコアだ」

「分かった」イセリアの操る蔓の動きが激しくなる。

急いで下がるセタン。翼で下がるルーデンと一緒にタロスから一旦離れる。

イセリアの蔓がタロスを持ち上げ、背が見えた。

でもタロスの体から白い煙が吹き出し、視界が煙に覆われてしまった。

何も見えない。

大きな金属の破壊音が聞こえてくる。「あっ!?」

突風が吹き、一気に白い煙が吹き飛んだ。煙が晴れ視界が戻ると、目の前でルーデンが翼をばたつかせた後、折り畳んでいた。

恐らくコアのある部分目掛けルーデンが尾が勢い良くぶつけたんだろう。タロスの背にあったコアが損傷した装甲と一緒にズタズタに砕けていた。

イセリアの放っていた植物の蔓が地面に戻り、消えていった。

壊れたタロスが地面に落ちる。

「やったのか?」

「多分な」

「やったわーー!!」イセリアがこっちに手を上げ喜んでいる。


「イセリア、警戒を頼む!」

イセリアが魔法を放つと、空に向かって一直線に白く輝く鳥が上っていき、そのまま空で弾け飛んだ。


セタンが壊れたタロスの小さなパーツを袋に入れている。

「何をしている?」

「こんな珍しいオートマトンのパーツ。逃す手はないだろ? 仲良く半分と行こう」

「お前達がいなくとも勝てた」

セタンが手を止めた。

「手伝ったんだから、いいだろう?」

イセリアが段差を降り、側まで来る。

「セタン、友好的なドラゴンに喧嘩売るなんてやめてよね」

「仲間のオートマトンに手を出さないのなら好きにしろ」

セタンが無言で回収を再開する。

「本当に!? 全部私達にくれるの!?」

「僕達は興味ないから。それに中に沢山転がってるよ」

「わお……」

また手を止めたセタンとイセリアがお互いの顔を見て驚いていた。

「どうするセタン?」

「回収できるだけして、戻ったらすぐにまた来るさ」

「報告した方が良いんじゃない?」

「回収した後でいいだろう」


「中にはまだ起動してないオートマトンが残っているぞ。いつ起きてもおかしくない。行くつもりなら気を付けた方が良いぞ」

先へ進むルーデンの後に続く。


タリが隠れていた茂みから出てきて走ってくる。

タリの体には葉っぱがいくつか付いている。

「お二人共大丈夫ですか?」

「うん。でもルーデンがいなかったら、ヤバかったかも」

「ある程度力が残っていて良かった。あいつにずっと追いかけられていたら気が気じゃなかった」

「ホントだね」

「それにしても恐ろしい戦いでした」

「怖かったの?」

「当然です!」

「う〜ん」

やっぱりまだ何か違和感がある。オートマトンに感情が、ね〜。

「どうされました?」

「いや別に。葉っぱが付いてるよ」

タリに付いた葉っぱをいくつか取る。

「これはどうも!」


拘束されたオートマトンの元へ着いた。

「ヤットカ。早ク出シテクレ」

「ルーデン、それでどうするの?」

「情報が欲しくてな」

「正しい判断ですね!」


「おい、名前はあったりするのか?」

「名前ハ、無イ」

「誰の命令で、ここへ何しに来たんだ?」

「上官ノ命令ダ。普段通リ、オ前達有機生命体ヲ捜索シテイタ」

「一先ず、あのドワーフやエルフとは争わずに済みそうだな」

「そうだね。ああ…タリ、大丈夫?」

「はい! でも私が側にいるだけで、面倒事が起きる可能性がありますね」

「だとしても一緒に行こう。タリはもう仲間だよ。ねえルーデン」

「もしかしたら友好的なオートマトンは珍しいかもしれない。役立つだろう」

「私は感情と論理、両面で役立てるのですね!」

「オイ! 私ヲ忘レルナ」


「解いてあげる?」

「駄目だ」後ろからセタンの声が聞こえてきた。

大きくなった重そうな袋を背負っているセタンと少し膨らんだ袋を腰に付けているイセリアが歩いて近付いてきた。

「仲間に報告されたら困るからね」

「そっか」

「ソ、ソンナー」

イセリアが片手を伸ばし、蔓でオートマトンを破壊した。

イセリアが蔓を消滅させると、壊れたオートマトンのパーツが地面に転がった。足元にオートマトンの頭部が転がってきて、目が合う。

「可哀想」

「ベル、こいつらは生きていないの。ただの機械よ」

「うん……そうだね」

「良かったら私達と一緒に来ない?」

「おいイセリア!」

「いいじゃない。どうかな?」

ルーデンの方を見ると、軽く僕に頷いた。

「いいけど、タリもだよ」

「大丈夫。手は出さない。約束する」

「ありがとう」

「それから……」

「なに?」

「うっ!?」

イセリアが僕を思い切り抱きしめてきた。

「あぁ〜! モフモフで可愛い〜!」

二つの球体が鼻と口を塞いで苦しい。

「イ、イセリア……く、苦しい」

「あっ! ごめんね。でも会った時からずっと我慢してたの」

頭を必要以上に撫でられる。

「もういいから」

「はぁ〜まったく。どうなっても知らんぞ」

セタンが背を向けて先に進んでいく。

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