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第25話:美術館長、ミュージアムショップの準備を終える

「……ということで、ソフィちゃんとアストラ、そしてヴェルデさんが美術館の新しい仲間になりました」

「よろしく頼むぞ」

『ヨロシクネ』

「仲良くしてくださると嬉しく存じます」


 モンテスキュー伯爵家で夕食会が開かれた、翌日の休館日にて。

 美術館の一階に作った会議室で、私はソフィちゃんたち三人をセシルちゃんに紹介した。

 

「こちらこそ……よろしく……お願いします……」

「セシルちゃん、そんなに怖がらなくてもみんな優しいよ」

「わかっては……いるんですが……」


 先ほどから、セシルちゃんは私の後ろに隠れるばかりだ。

 彼女はゴーレムを初めて見たとのことで、緊張しているらしかった。

 自己紹介が終わり、そのままみんなに"例の件"についても話す。


「前から思っていたんですが、そろそろミュージアムショップを開こうかなと思います。この美術館にしかないグッズやアイテムを販売して、もっと来館者のみなさんに楽しんでもらえたらいいなと思っています」

「『……いい(コン)!』」


 フォキシーにノーラ、セシルちゃんはみんな賛成してくれた。


「グッズについては、ミオ殿が絵を描いてくれればその通りに錬成するぞよ」

「ありがとう、ソフィちゃん。実は、もういくつかデザインを描いているの」


 私は机の上に資料を広げる。

 昨日モンテスキュー家で話してから、売りたい商品のアイデアやラフデザインをまとめておいた。

 ソフィちゃんは資料を見ると、楽しそうに錬成陣を描き始めた。


「ほぅ、こりゃあ面白い物ばかりじゃな。錬金術師の腕が鳴るわい……そーれ、<錬成>!」

「『すごーい(コン)!』」

 

 絵を元にして、《ディルーカ》の絵が描かれたトートバッグやブックカバー、"美術館イチノセ"のアクリルスタンドなどなど……多種多様なアイテムができた!

 みんなが喜び、ソフィちゃんは胸を張る。


『この調子で警備用のゴーレムも作ってやろう。ミュージアムショップの店員も必要じゃろうからの』

「ありがとう、ソフィちゃん。じゃあ、また一緒に素体の人形を作ろうか。……あっ、でも材料の用意がないよ」

「それには及ばん。すでにワシが家で作ってきたからの。……ヴェルデ、例の物を出してくれるか?」

「かしこまりました」


 ヴェルデさんは机に置いた鞄から、丁寧に小さな人形を取り出していく。

 昨日、モンテスキュー家で一緒に作った素体に似た人形だった。

 どれも完全に自立していてボディバランスもよく、私と一緒に作業した内容が全て満たされている。


「もしかして、ソフィちゃんが全部作ったの?」

「さよう。ミオ殿に教わった知識や技法を全て再現したぞよ。じゃから、このまま錬成すれば警備用のゴーレムができる」

「ええ、すごいなぁ。ソフィちゃんは何でもできちゃうね」

「いやいや、ミオ殿の教え方がよかったからじゃ」


 彼女はまだ五歳なのにとても人間ができている。

 立派だなぁと感心する中、素体は十個出してもまだまだ出てくる。

 鞄はそれほど大きくないのに不思議で、ヴェルデさんに仕組みを聞いてみた。

 

「ずいぶんたくさん入るんですね。何か魔法がかかっているんですか?」

「これはお嬢様が作ってくださった収納鞄でございます。中には亜空間が広がっており、際限なく物を収納することができます。衝撃が加わることもないので、お屋敷から安全に運んでこられました」

「へぇー、そうなんですか。……やっぱり、ソフィちゃんはすごい子どもだね」

「もっと褒めてよいぞ。じゃあ、さっそく始めようとするかの……<錬成>!」


 ソフィちゃんが錬成陣に魔力を籠めると、十数個の素体は白い光に包まれる。

 十秒も経たぬうちに光は収まり、素体はそれぞれ2m近いゴーレムに姿を変えた。

 広い会議室が一気に狭くなる。

 これらの個体はアストラみたいなナックルウォークではなく、人間のような立位だ。

 いずれも力強い威圧感に溢れ、一目見て頑強な存在だとわかる。

 たちまち、私はノーラにフォキシー、セシルちゃんと一緒に歓声を上げた。


「かっこいい~! どんな敵でも倒せそうだよ! ソフィちゃんはデザインセンスもいいよね!」

「こんなたくさんのゴーレム初めて見た! 公爵家とかじゃないと見られない光景だよ!」

『力強くて頼りがいがあるコン!』

「素敵……」


 私たちからすごいと言われ、ソフィちゃんは大変ご満悦な表情を浮かべていた。

 警備ゴーレムはズシズシと歩き、絵画の前や美術館の外に位置する。

 おかげで安心感がさらに増した。

 ミュージアムショップは明日からさっそく開店することになり、"美術館イチノセ"の新体制が始まった。

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