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転生者が集まれば…無敵公爵家が出来上がるまで  作者: ハシドイ リラ


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12/25

10.流行病を防ぐには…

すいません!もう少し推敲したくて予約投稿の解除をしたらそのまま掲載されてしまいましたー!!

そして一旦取り下げようと思ったら消しちゃいましたー泣

文章が少し変わってますが、言いたいことはほぼ同じです。本当に申し訳ない…。


「これは…インフルエンザね。」


「ええ、間違い無いでしょう。」



お話コンクールは順調に進んでいたが、ある日の選考にエリーゼ嬢から欠席を詫びる手紙が来た。

領内で悪質な風邪が流行っており外出できる状態にない、ということだった。


「まだ死者はそこまで多くないのかしら?」


「恐らく。ただ、この世界に特効薬がない以上快癒までに時間がかかる上に体力の消耗も大きいのでしょう。死者が増え出す可能性はとても高いですね。」



"突然高熱を出し、3日ほど続いた後下熱するようです。また今回は教会での集会後に感染が始まっており、高齢者が最初に罹患してしまった関係で回復までに時間がかかっています。その後看病していた家族に感染し、その子供に…となり領内には混乱が生じています。"


「現在は領外に広げないよう極力外部との接触を絶っています、か。この状態でよくその決断ができたな。助けの手はいくらでも欲しいだろうに。」


「本当に。まだまだあの子は子供なのに。ご両親も罹患したのかしら?」


「恐らくそうでしょうね。私の情報網では2,3日前に兄のナミビール君が帰省届を出したと聞いています。」


「エリーゼちゃんは近づくなって言ってるけど。」



背後から鼻息の荒い元王子が現れた!


「助けに行くに決まってるでしょ!父上…王に掛け合ってくるから必要なものをリストアップして。あと…」


「どういうタイプの人を派遣したらいいのかもね。体力自慢なのか、医療に覚えがある人がいいのか。」


相変わらずエピナッチ様は話が早い。しかも、王様直通だよ。これで物資も人員も確保可能だ。


※※※※※※



「ワクチンも特効薬も作れないけれど…。解熱薬はたくさん用意したわ。とりあえずは働ける層の回復に注力しましょう。」


そう。ワクチンがないならば…免疫獲得者を増やすしかない。

今回王都から送り込んだ救助班は、医療知識よりも体力自慢のものたちを優先した。

そう、罹患すること前提だ。だってしょうがないよね。


「ワクチンがないのに免疫つけたいなら罹っちゃうしかないものねぇ。」


もちろん褒められたことではない。けど、この世界で特効薬なしで立ち向かうなら恐らくこれが1番効率的だ。




「もうちょっとリスクは下げたいんだけどなあ…」




結局領内に入る治療隊は小規模になった。

なんと、バーレンスフェルト領の外にキャラバン隊の協力を得て駐留地を作ったのだ。

拠点を少し離すことで感染のリスクを減らし、その上でひとまず体力のあるものに治療に入ってもらったのだ。領内で治療に当たるのは長くて半日。交代して引き上げた後は隔離スペースで休息を取ることで後方部隊への感染は防ぐことができた。


まあ免疫を獲得なんて言ってはみたけど、うつらないのが一番なのは間違いない。

その後、罹患後症状が軽く全快した者は免疫ありとして領内でも感染リスクの高い場所での作業をお願いすることにした。



バーレンスフェルト近隣の領も協力的だった。バーレンスフェルト子爵からの依頼で、近隣からは物資等の協力を取り付けて領内から人を出さずに完結できる体制が出来上がっていた。自領内に感染を広げたくない領主達と利害が一致して、理想的な協力体制が既にできていた。


※※※※※※


〜数週間後〜



「いやあ、父…ではなくて王に感染力の強さを力説してね。封じ込められるか、それが無理でもここで対処方法を確立しておかなければ王都みたいな人口密度の高いところで発生したら、国が傾くよって。」



こわ。実の親子とはいえ、国のトップに向かってここまで言えるなんて。


まあ、ただの脅しでもないからなぁ。現状で王都に感染が広がれば貧民街を中心にとんでもないことになってしまう。

そう、バーレンスフェルト領は比較的裕福で貧困に喘ぐ人々がほぼいない。王都のような華やかさこそないが、貧困街のような何かあれば真っ先に犠牲になるような層がいない。


他に比べれば体力のあるバーレンスフェルト領で食い止めなければ大袈裟じゃなく国が傾くことになるだろう。











「クリスティーネさま!テルニアさま!」


「エリーゼちゃん、頑張ったわね!今までのところは百点満点よ!…と言いたいところだけど!」


「近づかないで!はないなぁ。こういう時にこそ権力というのは使わなくちゃ。」



エリーゼ嬢はぼろぼろ泣いていた。そらそうだろう。原因はわかっているけど、対処方法は万全とはいえない。ただ、国中に蔓延させるととんでもないことになる。

ご両親も領の閉鎖は苦渋の選択であったろう。近隣の協力を取り付けたとはいえ、治療方法がほぼ無かったのだから。最悪の場合、領ごと滅びる覚悟もしていたとか。


そんな悲壮な覚悟の中、兄であるナミビール君は冷静だった。利用できる伝手は最大限活用しなければ、と。大っぴらに助けを求めることのリスクを訴える妹に


「それなら今度の選考会に欠席する詫び状を出すんだ。その時に、症状など細かいところを書いて領を閉鎖しているから近づかないように、って書いとけばいいよ。」


"それなら助けるか沈黙を貫くか、向こうに丸投げできるから"


大人を試したのか!大した14歳だよ。嫡男じゃなければウチに取り込んだのに。



国を巻き込んだかもしれない感染病だったが、子供達の活躍により驚異的なスピードで収束していったのだった。



※※※※※※


「カルボシス侯爵、この度は本当にありがとうございました。物品の提供はもちろん大変助かりましたが、感染の危険があるというのに人材まで出していただけるなんて…一時期はこのまま領ごと消滅を覚悟しておりました。」


「バーレンスフェルト子爵、当然のことをしたまでですから。どうぞお顔をお上げになって。わたくしこそ、子爵に感謝しております。これだけ早く収束できたのは領外へ拡散させないために、と閉鎖を決意してくださったお陰ですから。もちろん、貴方を信じて指示に従った領民達もね。」


「そういっていただけると、領民もみな喜びます。」


「そうですよ、子爵。先の見えない、バタバタと人が倒れていく恐怖の中。領を閉鎖する決断なんてなかなかできるものではないです。そして決断をなさった子爵だけでなく、領民もまたその覚悟に応えて耐えたのですから。」


止めようとしたって領主との信頼関係が無ければ勝手に逃げ出すものですからね、とグアイフェニシン伯爵は続けた。



今回の病の流行から収束までは驚くほど早く、また感染を広げる前に防いだ手際も素晴らしいものだった。

そこに注目した王から、


「国内に蔓延する前に収束させたことを感謝する。」


という言葉と共に、収束したとはいえ何かと物入りであろう、とかなりの金額の見舞金が出された。

これで症状が重かった領民にも手厚い看護ができる、と喜んでいたのだが。



「えっ!国を上げての対策本部を立てる?」


そう。流行病はいつ来るか分からない。だから今回のことをモデルケースとして、発生時の対応マニュアルを作る事になったのだ。


「ええぇ。私が、ですか。」


お父さまは陣頭指揮を取ったということでオブザーバーとなってしまったのだった。

インフルエンザは一度罹ればワンシーズン罹らない、というわけではありませんよ!

今年度の小中学校は11月ごろからA型が猛烈に流行ったと思ったら年明けからB型が流行り出したようです。(逆かも)

この物語の世界には今のところワクチンを作れるような転生者がいないので、どうせ罹患するなら体力があって軽くて済みそうな人に任せよう、というある種博打な対処方法です。

現代日本では絶対お勧めできないので悪しからず!


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