第13部 百獣の王
そこで、死肉を貪る、王者たる堂々とした姿に畏怖を覚えた。
遡る事、10時間前、たまたまネットニュースを見ていた所、人食いライオンが
現れているという記事を見かけた。
早速、夜になってから現場に向かうと、メスライオンらしき獣王が公園を根城にしていた。一体ずつ火をつけて処分していると、引き寄せられた、オスライオンが集まって来た。
オスライオンどもに火を着けていると、明らかに異質なライオンが一匹居た。
普通のライオンの3、4倍はあるだろうか。
その巨体をゆらしながら現れた。
この個体のみ、人に関心があるようで、その肉を喰らわんとしているようだ。
いきなり襲ってきたところを、すんでの所でよけた。
「あっぶねぇ・・・。」
こいつは危険なやつだ・・・。
とっとと始末して、終えたい。
背中に火を着けてやったところ、猛獣が背中の火を消そうと、寝転がって悶える。
その様は猫が腹を撫でて欲しがっているようだった。
これで、こいつに危険性はなくなった。
こいつをじっくりと焼きながら、ぼんやりと考えていた。
こいつが人だったら?
感情的に同族を襲うのは、俺も躊躇う。
犠牲になるのならともかく、対人戦をやったことのない俺にとって一番の敵は
人間なのかもしれない。
そんなことを考えながら、百獣の王の中でも最強の部類に属するライオンを
焼きを入れた。




