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異世界神話奇譚 〜白虎の王様〜  作者: 下弦の月
バルサ編
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地下都市 5

少し長い・・・かも?

ドラバルトを保護してから一週間経った。

相変わらずオルテンからは神域について一向に何も言ってこない。


(なんで何も言ってこないんだろう? 私が神域へ行けばこの世界でおきてる事とかが変わるんじゃないの?)


街の惨状を知っている彩奈にとって、神域へ行く事が自分に出来る事なのではないのか?と考えていたのだ。


(ドルーガにもドラバルトの事はバレてないし、街へ行った事もバレてないみたいね。)


あれから彩奈は何度か自室を抜けだしている。

もしかしたら神殿が開くのではないか?と期待して毎回街に行くのだが、未だ開かれた事は無かった。 その為、バルサではかなりの食物飢饉が起こっていた。


バルサでの光は人工的な物だ。 その為野菜等が充分に育たない。 バルサの食物の殆どが地上からの交易によって賄われていた。

そしてバルサからは地下でとれる鉱石が地上へと送られていた。 これは身を飾る装飾品だけではなく、鉱石からとれる薬があるらしく地上では大変貴重な物だ。


流れてくる噂では地上でもかなりの流行病が横行している為、バルサでとれる薬が不足しているようだった。


(なんで神殿封鎖なんかしてるわけ? このままじゃバルサも地上もどうなるか・・。)


彩奈は何か手はないか色々考えているのだが、オルテンはあまりこの部屋には来ないし、ドルーガもどうやら地上と地下を行き来しているようでやはり彩奈の部屋にはあまり来ないのだ。


朝食を食べ(ドラバルトの分も余計に頼んだ)とりあえず今日も抜け出そうと考えていると、彩奈の部屋の扉がノックされる。 彩奈は 急いでドラバルトをベッドの側へ隠れさせると「どうぞ。」と返事をした。


「失礼いたします。 彩奈様にオルテン様からご伝言でございます。 (本日、来客がある為部屋には行けぬ。 今日は部屋から一歩も出ないように)との事でございます。」


オルテン付きのソルダンがわざわざオルテンからの伝言をもってきた。 普段はメイドに頼む事なので僅かながら不審を覚える。 だが、それを顔に出すわけにも行かずとりあえず残念そうに答えておく。


「そうなんですか。 今日は天気もいいので中庭でお茶でもと思っていたのですが・・仕方ありませんね。 わかりました、と伝えて下さい。」


彩奈の言葉に頭を下げソルダンが出ていった。


「来客・・・ねぇ。」


この主宮に来客はたまにある。 だがそれはバルサの地方領主だったり、貴族だったりが主だ。 わざわざ彩奈を部屋から出ないようにと言いにくるあたりどこか普通の来客ではない感じがする。


(それに、最近夢の中でも何か変なのよねぇ。)


彩奈は基本夢を見ない。 いや、見てもすぐ忘れると言った方が正しいか。

だけど最近は夢を見るし、しかもそれを覚えているのが殆どだ。


だが、その夢の中身が問題なのだ。 彩奈の見る夢は白い世界から始まる。 そして顔の見えない誰かが必死になって何かを叫んでいる。 それを聞こうと頑張るのだが、何を言っているのか一度も聞こえた事がない。 その後、急に場面が変わる。 それは見たこともない明るい部屋の中に彩奈がいたり、何故か虎が出てきたりと様々だ。 そして最後は多くの人が病に魘されていて、そこで夢は終わる。


夢占いが出来れば私が見ているものがどういうものか分かるかも知れないが、彩奈は元の世界に居た時から夢に興味が無かった為、調べた事もない。 だが、今でも覚えているこの夢には何か大事な物が隠されているようで気になっていた。


とにかく今は来客を確かめる方が先だ。

今日も部屋を抜け出す事を決めた彩奈はドラバルトにもどうするか問いかける。


「今日もちょっとお出かけするけど、ドラバルトはどうする?」


ドラバルトを保護してからすぐに部屋を時々抜け出していた彩奈。 それにはドラバルトも同行していた。


最初はドラバルトと一緒に倒れていた二人の子供を弔う為だ。 ドラバルトと二人の子供は兄妹ではなく、知り合いと言った。 ドラバルトはバルサの出ではないと言ったがそれ以上は話してくれなかったのでおそらくは神殿が閉まっている為帰れない地上の子供なのだろう。 バルサに閉じ込められてから兄妹と知り合い色々と良くしてもらったのだが神殿の長い封鎖の為食料が無くなり餓死寸前だったらしい。

二人の兄妹は自分の食べる分を少なくしてドラバルトへと分け与えていた為、元々普段からあまり食べていなかった兄妹が先に亡くなったようだ。


とにかく二人を弔う為に出かけた街へは何度もドラバルトと一緒に出かけた。 それは神殿封鎖が開放されているか確かめる為と、街の情報収集の為だった。 だが、いつ行っても内容は同じで食べ物が足りなくなっている事と神殿の相変わらずの封鎖だった。


今日も街へ行くのかと聞くドラバルトに今日は主宮よと答える。


「この中なの?」


「そう。 さっき聞いたでしょ? どうやら来客があるらしいんだけど、私にこの部屋から出ないようにって言ってたのが気になるのよね。 なぁんかあるような気がするの。」


わざわざ出ないようにメイドではなく側近のソルダンを使ったのが彩奈は気になっていた。


「彩が行くなら僕も行くよ。」


少し前から彩奈の事を彩と言うドラバルト。

彩奈にとって弟のような感覚で彩と呼ぶのをを許している。


「じゃあ着替えましょうか。」


いぜん焼却施設で見つけた侍女服に着替える。 ドラバルトも男の子だとマズイので侍女姿になるよう言った。髪は短いが外見が中性的なので今までバレたことはない。


「じゃあ行こうか。」


彩奈は何度か侍女姿で主宮内を彷徨いているのでオルテンの執務室等この主宮内を知り尽くしている。


ソルダンは来客と言っていたのでオルテンと客がいるのは、おそらく応接室だろうと予想してそちらへと向かった。


ドラバルトと二人、掃除してるように見せる為一応布を持ってきている。 これは廊下に置いてある壺などを拭きながら歩いている人達の会話を聞くのに非常に役立っていた。


応接室につくと、ドラバルトと二人で扉の前に置いてある壺を磨きながら中の会話に耳をすます。




ーーーーーーーーーーーーーーーー


「これはこれは竜の王が何用でこのバルサに?」


「以前よりこのバルサへの行き来が出来なくなっているので、オルテン殿に何故神殿が使えないのかを聞くため今日は出向いた次第だ。」


「そうでしたか!それは失礼しました。少し前より地上で流行っている病を予防する為、現在神殿を封鎖しております。 ですが、竜王コンラッド様はどうやってこちらに? 地下へは神殿以外には魔法でしか来られないはずですが。」


「あぁ、そなたは知らなかったか。 各国の王は幻惑空間からこちらへと来る方法があるのだよ。 まぁ王しか使えないのであまり知られてはいないだろうが。 我はそちらを通ってバルサに来たのだ。」


「そうでしたか。 ですが王しか使えないのではあまり意味がありませんな。 未だ流行病は収まっておりませんので、神殿封鎖は暫く続くかと思われます。 これもバルサの民を守る為ですのでご了承を。」




ーーーーーーーーーーーーーーーー



中にいるのはオルテンとどうやら竜の王様らしい。 この世界は竜もいるんだ、と考えていたが、王様の名前に聞き及びがある事に気付いた。


(コンラッド・・ってどこかで聞いたような。)


そして彩奈と同じように中の様子に聞き耳をたてていたドラバルトは顔色を変えていた。


「竜王様が、何故・・・。」


その呟きに彩奈が問いかける。


「ドラバルト? あなた竜王を知ってるの⁇」


彩奈の問いに頷く事でドラバルトは答えた。


「竜王様は僕の母のお兄さんです。 すみません今まで黙ってて、僕は竜の国アルカーレンからこちらに来たんです。 バルサの様子が最近おかしいと聞いて。 しかも子供が次々と餓死しているらしいと父が話しているのを聞いてしまって・・僕に何か出来る事があるかもと思いバルサに来たんです。でも結局僕には何も出来なかった。 それに僕を助けてくれた二人も・・・・。」


ドラバルトの言葉に彩奈は何も言えなかった。 彩奈もドラバルトは助けたがその他は何も出来なかったからだ。


「竜王がバルサに来たのは多分ドラバルトが関係してるんじゃないかな。 神殿封鎖も気になったけど、ドラバルトがバルサにいると思ってここにいるんじゃない?」


その考えが正しいと思った彩奈はどうにかしてドラバルトを竜王に合わせなければと考えていた。




遅くなりました。

この回で地下都市編が終わると思ってましたが無理でした(・_・;


お読みいただきありがとうございます!

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