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部屋

 結構楽しく書けたけど、内容は当たり障り無く、進展もあまり無く、もうちょっとスラスラ行った方がいいんでしょうかね?

「……ふむ、登録できたようじゃな。ご苦労様」


「まさか、学園長が直々にいらっしゃるとは思いませんでした」


「たまには儂も身体を動かさんと、肩が凝ってしまうのでなぁ」


 学園長と事務の人の話が長くなりそうな予感……。

 

 あの後、直ぐにまた受付に戻って来たところ、メイドさんがもう待っていた。その後メイドさんに試験の話をしていたら学園長が年寄りっぽいところを発揮し始めたのだ。


 所謂おば様方の突発性井戸端会議ってやつ。


「(アル、お前ってあんなに強かったんだな……)」


突然後ろからカルロス兄さんに話しかけられる。

 やっぱ兄さんも待ってるのが暇だったんだろうか?というか、耳元で小さな声で喋られるせいでくすぐったい!


「(え?そんな事も知らなかったの?プークスクス、兄さんおっくれてるー)」


「(何で俺が悪い流れになってんの!?どう考えたってお前の方が悪いだろ!)」


 うわっ、兄さんってば責任転嫁してきた。

 

 人として恥ずかしくないのか!


「(そもそも一年前からよく1人で外に出かけて、あんまり会ってくれなかったじゃないか)」


 あ、あれ?そうだったっけ……。


「(あ、あの時はツンの状態だったんだよ。ツンしてたらデレにしようとするのが鉄則だろうに)」


 全く……責任転嫁するなんて酷い兄だ。


 あ、そこ、ブーメランとか言わない。


「(ツン?デレ?またアルがおかしくなったのか……?)」


 どうやら話し合いはやや俺の優勢で煙にまけたようだ。


「(そうだったのね……ツン、デレ、もしかするとあの時に私が構っていてあげれば、アルがお姉ちゃん大好きになっていたかもしれないって事……やり直したいわ!)」


 何故かエリシア姉さんまで考え込んでしまった。

 小声過ぎて聞き取れないが、なんとなく過去が変わりそうな予感がしたので止めておいた。


 というかなんだ、過去が変わりそうな予感って。


「はあ……カルロス、エリシア、そこまでにしておいて下さい」


「では儂らはそろそろ……って何じゃこれは?」


 会長、学園長、助けて下さい。僕は完全に被害者です(大嘘)


「アル様、今度無表情(ポーカーフェイス)の稽古をいたしましょうか。将来的にも役立つので」


 メイドさんの遠回しな指摘が辛い。













◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「ここがアルギウス君がこれから暮らす部屋じゃ」


「まだ小市民的価値観が抜けきらない俺にはちょっとでか過ぎ……」


 てっくてっく歩くこと20分、気づいたら学園の寮棟、その4階の一番端まで来ていた。


 何で気づいたらかって?左右の手をエリシア姉さんとヘリスにがっちりホールドされていたからだ。

 

 勿論素晴らしい状況ではあったんだが、なにぶん身長差がありすぎて……俺が小さい方だが。

 そのせいで俺はここまで地に足を着けずに来てしまった。しかも頭上でなんだか見えない火花が飛び散っている気がして周りを見る余裕なんて無かったのだ。


 こうやって道を覚えないからいつも迷うんだろうなぁ……。


「へぇ……部屋番号は4099ね、覚えたわ」


 な、なんか姉さんがさらりと恐ろしい事を言った気がする……。


「エリシア姉様、私とミューナがいるのでアルは任せて下さい」


 ヘリスってば、なんかエリシア姉さんと話す時だけ強気になるなぁ。



「ヘリス君、君は学部が違うので残念ながら棟が別じゃ。エリシア君も、ここは基本男性寮じゃからのぉ……生徒会の役員が緊急時以外にあまり頻繁に行くのは出来れば控えて欲しいかの」


「「うっ……」」


「ヘリスは違う部屋になるのー?」


「そのようですね……ミューナ、良い子にするんですよ?」


 てことは、この部屋は俺とミューナと爺やで使うって事か?

  

「ところでヘリス君、エリシア君の隣の部屋というのはどうじゃろうか?

 まだ学園になれておらんし、生徒会役員であり姉妹でもあるエリシア君の部屋の近くなら何かと都合が良いじゃろう」


 んー、ぶっちゃけ混ぜるな危険な未来しか見えないんだが……。


「分かりました」


「たしかにヘリスの容姿と性格では良からぬ虫が寄って来そうですしね、それが良いと思います」


 あれ?二人はあっさりとオッケーを出しちゃったぞ?

 ……二人の距離感が分からない件。


「せ、先輩の隣の部屋になるわけですか……」


「どうしたのメイドさん。先輩って誰?」


 後ろに爺やと一緒に控えていたメイドさんが、急に浮かない表情になってしまった。


「エリシア様に現在仕えているメイドが私の先輩なのですが、新人、後輩教育の厳しさは屋敷でも有名でしたので……」


 あー、なんというか、それは残念としか言いようが無いと思う。

 

「とりあえず中を見てみるとよいじゃろう」


 学園長先導のもと、皆次々と部屋に入って行く。


 俺も少し遅れて部屋に入ると……


「広すぎぃ!」


「貴族の中には使用人を常に常駐させたり、あまりおらんが複数人で使用する者もいるからの」


 地球のちょっと良いマンションの一室程度の大きさはあるんじゃ無いだろうか?

 まあ、部屋同士の扉の間隔が随分離れていた時点で嫌な予感はしていたけどね……。


「一応部屋は4室、そこに小さいながらキッチンと、当たり前じゃが厠も完備されとる」


「いくら何でも大き過ぎませんか?」


 俺たちは貴族と言えど子爵、それも名誉貴族なのだ。

 それにいくら貴族を平民より優遇しないと問題があると言っても、これは少し優遇し過ぎな気がする。具体的には、俺1人ならこのまま堕落していきそうなくらいに。


「いやいや、これでも文句を言う貴族だって何人かいるぞ?しかも没落気味の弱小貴族まで」


「はぁっ!?」

 

 カルロス兄さんの今言った話がとてもじゃないがバカな作り話にしか聞こえない……!


「まあ、兄さんが嘘つく事は無い……あまり無いしなぁ」


「おい、今なんで言い直したんだ?えぇ?」


「これでもミューナ君とアルギウス君は共同部屋なのに少し小さめの部屋にしておいたから、やっかみもあまり無いじゃろう」


 おー、それは素直にありがたい。使いきれない部屋を渡されてなおかつ、周りのヘイトを集めるとかデメリットをわざわざ集めたようなもんだしな。


「それでは次はヘリス君の部屋に行くとするかのぉ~」


「あ、俺はさすがに女子寮に行くのは気が引けるんで止めときます」


「アルの言う通りですね。まぁアルならまだしも、俺の場合はもう中等部かつ生徒会って事もあるんで」


「今は生徒も授業中じゃし大丈夫じゃが……そう言う事なら後はヘリス君達だけで行くとしようかの」


 これは決してヘタレになったわけでは無い。


 あれだ、荷物とかを部屋に置きたいしな。


 ……さて、残ったのは俺、爺や、ミューナ、カルロス兄さんの4人だ。


「アルって転生者だからアイテムボックス持ってるんだよな?まあ、それでも一応荷物運びは手伝うから、高い所とかは任せろ」


 カルロス兄さんが手伝ってくれるのは嬉しい。嬉しいんだけど……。


「ちょっと聞きづらいけどさ、俺が転生者って知っても何も思わないの?」


 我ながらズルい質問だなぁ、と思う。だって、もう既に態度で答えを示してくれてるんだから。


「んー、そうだなぁ。例えばお前が前世で兄弟がいたとしよう。そいつが実は違う世界の記憶を持っているって言ったらどうする?」


「ちょっとヤバい奴だと思うけど、それが本当の話なら……やべぇ、ちょっとカッコいいかも」


「自分でカッコいいって言うか!?……まあ、そう言う事だ。別にアルが転生者だからって、アルはアルだ。そんな事で簡単に人の見る目を変えるように育てられた覚えは俺には無い」


 ヤバい。目から変な汁が出てきそう……断じて涙では無い!


「あれ?もしかして超カッコいいお兄様の話に感動して泣いたのか?」


 ぐぬぬぬ!ちょっとカッコいいと思った俺がバカだった!そんな兄さんには天誅じゃぁ!


「っせい!」


「ぐぉおっ!?」


 兄さんの鳩尾に向かって思いっきりジャンプ!会心の一撃だ!


「あー!それミューナの技ー!」


「ふぉふぉふぉ!お二人とも元気が良いですなぁ」


 なんと、ミューナが前に父さんに放ったこの攻撃はもう“技”にまで昇華していたのか。


「はっ、まだまだだな。エリシアのボディーブローの方がよほど威力があるぜ」


「またしてもエリシア姉さん最強説」


「あぁー……後、いちいちアルが泣かないように言っておくが、他の奴もそんな反応だったぞ?エリシアはさっき見たように全然気にして無いし、クラインはアルより精神年齢年下だった事にショック受ける程度、ガロムなんか転生者の英雄が多いからって、今度戦いたいとか言ってるくらいだ」


 エリシア姉さんはともかく、クライン兄さんはあれでちょっと父さんに似てるところあるからなぁ、意外と精神年齢の事でかなりショック受けてるかもしれない。


 ガロム兄さんは相変わらず戦闘狂だな。


「はい、終わり終わり!話は後で本人達に聞きに行け。とりあえず女性陣が戻ってくる前に荷物の整理しちまうぞ」


「今度こそミューナが一番だー!」


 こうして話はカルロス兄さんが強制的に終わらした。

 ところでミューナは何に勝つつもりなの?荷物整理?















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「ふぅー、終わった~」


「むー、一番じゃ無かった!」


「だぁ~!本当に負けちまった!3位か……」


 結果、荷物整理勝負に関してはまさかの爺やに軍配が上がった。

 それもそうだ。毎日のように家事をしているんだから。


 続いて2位はミューナ、3位はカルロス兄さんだった。俺はアイテムボックスから荷物を出す作業があったので試合に参加していない。参加していても負けてたと思う。


 だってミューナもカルロス兄さんも、部屋の雑巾がけとかアクロバティックな動きしてたもん。……具体的にはミューナは足の裏を少しだけスライムに戻して、壁に張り付いて高い所を拭いたりとか……。


 改めて爺やが勝ったのが謎だ。カルロス兄さんもミューナもやりたがらないトイレ掃除にまわったかと思うと数分もしないうちに二人の部屋掃除よりもピカピカになってたりとかするし。


「皆様、お疲れ様でした。お飲み物を用意いたしましたが飲みますかな?」


「「「飲む!」」」


 まあ、結局皆疲れていたので飲み物に一斉に飛び付いた。俺もだ。

 と言うか爺やはいつの間に飲み物を用意してたんだよ……。


「っぷはぁ~!運動後の飲み物は旨いなぁ」


「ぷはー!うまーい!」


 配られた飲み物は毎度おなじみピチルスのジュースだ。この国には生産地が多いのか、ピチルスの飲み物が多い気がする。

 ……ピチルスパイなんかを作れば売れるだろうか?


「お、アルの飲み方で飲むとなんか良いな」


 日本の『風呂上がりの牛乳スタイル』が意外と好評のようで、ミューナもカルロス兄さんも真似している。


 カルロス兄さんみたいな年頃のイケメンがやると、おじさんスタイルのはずなのにどこか優美な感じがするのが不思議だ。


 これが俗に言う『ただしイケメンに限る』現象と言うやつだろうか?


「そう言えば、カルロス兄さんは試験官に呼ばれる前は何の授業してたの?」


 ちょっとした疑問だけど、結構興味のある質問だ。


 俺の質問にカルロス兄さんが少し考えこんでしまう。


「んー……さっきは歴史学の講義を受けていたんだが、アルは聖騎士って存在をどう思う?」


 聖騎士って言うと……聖国だか教国だかに所属する騎士で、天使と契約しているって話だったかな?

 と言っても、知ってる情報なんてこんなもんだ。この世界で勉強なんてほとんどしていないし。今思えば転生者にあるまじき生活だったな俺。


「……あんまり知らないから何とも言えないかなぁ」


「そうか……実は最近、聖騎士に歴代最年少で就任した奴がいるらしくてな、授業でも聖騎士の話が多くなってるんだが、どうも聖騎士って存在が謎でなぁ」


「へぇ~、例えば?」


「聖騎士ってのは聖国の最高戦力にして人類最強とも言われる事がある集団なんだが、その聖国が不思議なもので、神を信奉する国家のはずが、聖騎士達の動きが少し神に対して反抗的に思えてな。

 歴史上では神と相反する魔族に対して一度も戦争を仕掛けなかったり、神から神託を受けて建てられたと言われる祠を壊したりと、直接的な事もしている」

   

 ん~、神を信奉しているのに神に仇なす……。


「実は魔族と同じ神を信奉していて、その壊された祠で奉っていた神は異端だからーとかじゃないの?」


「おい、さらっと恐ろしい事言うなよ……聖国が魔族と組んでいるなんて、恐ろしいにも程がある」


 でもぶっちゃけありそうな気がする。信じる神が違うからって理由で起こる戦争や迫害なんて、前世でもいっぱいあったし。


「ただいま戻りました~」


「お、皆戻って来たようだな」


 とりあえず話はここで終わりだろう。ぶっちゃけ、今興味のある異国はリオが関係していたと言われる帝国くらいだし、覚えてる必要は無いと思う。


「ふむ、部屋の掃除はしてしまったようじゃのう。君たちが教室に入るのは明日からじゃし、とりあえずは先輩から話を聞いていなさい。儂もやることがあるし、そろそろ戻る事にしよう」


 そう言って学園長は行ってしまった……。たしかに学園長なんだから仕事は多いだろうし、むしろここまでいてくれた事に感謝すべきだな。


「この部屋は何も無いし、とりあえず椅子のある場所に行きますか!」


 カルロス兄さんの意見に皆異論は無いので、さっさとこの部屋を出る事にした。


 
















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「アルギウスさん、貴方の注意すべき点は大きく分けて3つ。

 まず1つ目は、魔法の構築が稚拙な事。

 2つ目は、魔法職寄りのはずなのに、作戦の内とはいえ直ぐに接近戦に持ち込んだ事です。

 最後の3つ目は、近接戦において相手の人体の急所を狙わなかった事ですね」

 

 今は寮のロビーにて反省会。まさか会長が試合中に数えていた数字は俺の注意点だったとはな……。


「細かく言えばもっとありますが、とりあえず、これを目標に頑張ってみるのはいかがでしょう?アルギウスさんは才能があるようですし、直ぐに克服できると思いますよ?」


 あぁ、これが飴と鞭ってやつか……。さすが生徒会長なだけはあるな!


「あぁ、後は相手の話に注意しない事と挑発が下手な事でしょうか?」


 なんと!まさかの鞭→飴→鞭だと!?……あれ?鞭で終わってるけど大丈夫か?

 じゃなくて!会長の言葉で思い出した事があったんだった。。


「そう言えば会長、試験の時に何度も言っていた『私たち』ってどういう意味なんですか?」


「隠す必要も無いので教えますが……実は私、こう見えて精霊使いなんですが、その筋では有名なんですよ?」


 精霊使い……もしかしてそれのせいで俺の水蒸気爆発攻撃がバレたのか?


「私は風の精霊と契約しているのですが、その子おかげでアルギウスさんの作戦を全て防げました」


「そう言えば、たしかに会長の隙を完全についたはずなのに、見えない何かに吹っ飛ばされた時があったなぁ……」


「その……アルギウスさん、私からも質問してよろしいでしょうか?」


「?……ええどうぞ」


 会長が遠慮がちに問いかけてくるが、この流れで聞かれちゃまずい会話なんて無いだろう。


「私の精霊がアルギウスさんに始めてあった時から怯えている様子なのですが、何か知りませんか?あの時の攻撃も、本当はあそこまで吹き飛ばすつもりは無かったんですがこの子が暴走してしまって……」


 あー……、そう言えばギルドマスターもそんな事を言っていた気がする。でもなぁ……


「他の方にも聞かれた事がありましたが、正直分からないんですよねぇ……」


 転生者なんだから、精霊に愛されても良いと思うわけ。


「そうですか……この子も理由は分からないらしいのですが、後で言っておきますのでこれからも仲良くしてあげて下さいね?」


「は、はい……」


 見えないけれど、どうやって仲良くすればいいんだろうか?


 その後、ミューナとヘリスの話や、明日までの説明を受けた後は解散になった。

 これで大体6500文字くらいなんですが、どれくらいの文字数が良いですか?

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