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荷物は必要最低限で

最近、なろう出身作品のアニメ化が多い気がする今日このごろ。 現在はあの死に戻り系主人公のやつが成金猫のお気に入りです。


 死に戻り系は読んだこと無かったけど、少しなろうであさってみようかなぁ。

 今日中に準備しないと間に合わないな。そもそも何を用意すれば良いか分からないし……。


「へリス、何か特別持っていかないといけない物ってあったっけ?」

「そうですね……早急に必要な物は服くらいでしょうか?後は講義を受ける際に紙や筆記用具なんかも必要ですが、どれも学園内で購入できる物ばかりですね」

「良かった~、アイテムボックスに入っている物で殆ど事足りるな」


 今日はある意味忙しかったせいで、明日の学園の事なんてすっかり忘れていた。

 へリスもそこらへんを察してか、俺が忘れていた事に突っ込んでこない。


「そう言えばゴルバドさんの所、代わりに行ってくれてありがとな」

「いえ、私達の為にアル様が注文して下さったのですから、それくらいさせてください」


 ほんまに良い子やなぁ……。


「お菓子くれたー!」


 ミューナがとても嬉しそうに伝えてくる。何気にゴルバドさんって面倒見が良いんだよな。


「とりあえず武具は食後に確認するとして……他に何かあったっけ?」

「後はアル様が何故今日の朝、魔力枯渇した状態で帰ってきたか聞いておりません」


 なんか声のトーンが低くなってる。実はかなりお怒りだったのか?


 恐る恐るへリスの顔を見て……直ぐに逸らす。


 ……へリスって怒るのが下手というか、怒る時に頬を膨らませるのは違うと思うんだ。


 全然怖くない。むしろ、『カメラみたいなスキルあったっけ?【万物之贄(サクリファイス)】で取っちゃう?』ってレベルだ。


 ……おかげでへリスの顔を見てしまうと、どうしても真剣な顔ができない。


「あの、怒らないので教えてもらえませんか?」

 

 へリスが心配そうに声をかけてくる。

 

 どうやら暫く俺が黙っていたのが、へリスの怒り顔があまりに怖すぎたからと思ったようだ。


 バレてないよな……?

 

「どう説明しようか迷っていてな。心配かけてごめん」

「それなら良かったです」


 そこからはスキルの説明も含めて朝の話をしていく。だが、俺が怪我をしたのは秘密にして【制限崩壊(リミット・ブレイク)】を使用しながら、周りに影響のでない魔法を使いまくっていたら魔力枯渇になったと伝えた。

 因みに【法則耐性】は話すと面倒臭そうなので話すのはやめておいた。




 一通り話終えた頃には夕食も丁度食べ終わるところだった。ちゃんと自分の分は食べれたな、意外と腹が減ってたんだろうか?


「鍛練するのは良いのですが、なるべく危険な事は止めて下さいね?」

「ミューナも一緒にする!」


 夕食後に二人から一言ずつ頂いた。今度からミューナもついてくるらしいし、確かに危険な事は止めておいた方が良いだろうな。



「よし、明日は早朝に出るらしいし二人とも早く寝るんだぞ?」

「アル様はどうされるのですか?」

「今日は1日中寝てたからな、明日の為の確認をしてから寝るよ」

「ミューナも起きる!!」

「「ミューナは寝てなさい」」


 今日は朝の事があったからか、ミューナが寂しがりやになってしまっている気がする。まぁ、数日程度で収まるとは思うけど。


「では、私達は先に寝ますね。アル様も、眠くなくてもしっかり睡眠はとるんですよ?あ、それとアル様の武具はどうしますか?」

「あー、明日は行きが暇だろうしその時に見るよ」


 思わず『お前は俺の母さんか!!』というありきたりなツッコミをいれそうになったが、考えてみれば俺は6歳児にしか見えないんだし、分かっていても子供を諭すような口調になるのも仕方ないか……。


 牛乳飲んだら大きくなるかな?……なんか効果無いって聞いた事ある気がする。


 

 へリスとミューナはそのまま風呂に行ったようだ。


 さて、じゃあ俺も準備をしておくかね。武具は明日のお楽しみにとっておくとして、他に細かい物は今のうちに用意しておこう。


 とりあえず、日用品で持参できる物を用意しよう。


「アル様、雑貨類に関してはある程度私共の方でご用意致しました」

「っ……ありがとう」

 

 慌てて後ろを振り向くと、そこには今日屋敷を道案内してくれたメイドさんがいた。

 一応これでも普通の人の気配くらいは感じれるはずなんだけどな……。何者だろうこのメイドさん。

 

「えーと、その荷物は」

「今は2階北館の左から4番目の空き部屋にあります」


 おー、これなら俺でも迷わずに行けそうだ。場所が分かるから後はそこまで行けば良い。


「それじゃあ貰いますね?」

「はい、2階北館の左から4番目の空き部屋ですからね?」


 いや、2回も言わなくたって俺もそこまで方向音痴じゃないよ……。


 俺はメイドさんに手を振りながら部屋を出ていく。




 ……直ぐに戻ってきた。


「北館ってどっちですか?」

「案内します」


 流石に知らない場所で方角は分からないって。







 



「こちらでございます」


 そう言って、メイドさんが目の前の扉を開けてくれる。


「ありがとう……ん?」


 空き部屋と聞いていたのだが、部屋の中には随分荷物が置いてあった。まるで引っ越してきたばかりの部屋みたいだ。


「これ全部俺の荷物ですか?」

「はい。学園生活に必要な雑貨類を予備も含めておよそ10年分でございます」


 10年分って、中には非常食や歯ブラシ等の日常雑貨や、ロープ等のサバイバルでもするの?っていうような物まである。

 特に医療品が充実していた。包帯、傷薬から風邪薬、麻酔薬や止血剤なんかもある。


「父さんか……」

「はい。旦那様が用意されました。カルロス様、クライン様、エリシア様、ガロム様が入園される際にもこれらと同じものを用意されました。アルギウス様はアイテムボックスのスキル持ちという事でアイテムポーチが今回はありませんが」


 まあ、父さんが何もせずに終わるとは思わなかったけどさ、最後の最後にものすごい爆弾を投下してきやがったな。

 でも正直、俺の正体を知った上でまだこんなに愛してくれているのは凄く嬉しい。


「全部取り入れていくか……」

「お手伝いします」


 メイドさんも手伝ってくれるらしいけど、何を手伝ってくれるんだ?と思ったら、種類事に俺の前に持って来てくれるので俺は椅子に座ったまま作業ができたので、全然疲れなかった。




「ありがとう、えーと……」   

「私は先日アルギウス様専属メイドの任を受けた者です。元は戦闘の心得がありましたので使用人達に戦闘訓練をつける傍ら、雑務係のチーフを務めていました。『使用人』や『メイド』と声をかけていただければ私が駆けつけるので、どうか私を呼ぶ際はそう言って下さい」


 初めのイメージと少し違うような……?


「堅いなぁ、家のメイドさんってどの人ももう少し緩くない?」

「私共も常時あのように振る舞っているわけではありません。旦那様の希望により必要な時以外は自然体な言動で良いとおっしゃっていただいたので」


 へぇ……、たしかにずっと人に恭しく話かけられ続けたらダメ人間になってしまいそうだもんなぁ。


「えーと、今は必要な時ではないんじゃないかな……?」

「いえ、やはり通常の業務中ならまだしも、アルギウス様のご入園の荷物を用意するのです。忘れ物があったとなれば我々メイドの恥ですから」


うーん……。そんなに深刻な問題には思えないんだけどなぁ。


「それに……」


 メイドさんは疲れきった表情でため息をつく。心なしか、目から光が消えている。


「旦那様がこの事を知ってしまうと、アルギウス様に忘れ物以外の物まで送ってしまいそうで……」

「凄く納得した!!夜も遅いけどもう少し踏ん張ってくれよ!?」


 確かに、父さんなら+アルファどころか+ベータ、ガンマ……となんでも送ってきそうで怖い。

 基本的に父さんは放任主義な所があるけど、父さん自身は家族にダダ甘なせいでたまに暴走する事がある。

 



「もう食糧関係で困る事は無い気がするよ……」

「当たり前です。何があるか分からない所に行くのですから、このくらい用意しないと私共も安心できません」



 少し訂正。既に使用人さん達もダメになってた。



「そういえば、俺の従者枠にはミューナが入るけどへリスはどうなるんだ?やっぱり血の繋がりは無いし平民扱い?」

「いえ、この前旦那様がへリス様との血縁関係を王様に認めてもらいましたのでへリス様もグランバート家の一員です。ですので学園では私がお供させて頂きます」


 おかしいな……場をもたせる為の素朴な質問に、当たり前のように爆弾が投下されるんだけど……。


「あまりそんな噂は聞かないけど、周りは知らないの?」

「はい。事が事なので、ある程度準備ができてから平民や他の貴族の方々に公表されるようです」


 父さんの当たり前の様に発揮している行動力が怖い……。多分へリス自身も聞いてないんだろうなぁ。


「もしかして……ミューナも?」

「いえ、へリス様はアルギウス様と容姿がよく似ていらっしゃるので誤魔化せましたが、ミューナ様の場合は養子としてしか迎えられませんが流石に旦那様でも同時期にそこまではできなかったようですね」


 うん。なんか父さんなら何でもできそうで怖かったけど、流石に父さんでも無理な事はあるよな。なんか安心した。


 ……っと、喋っている間に荷物はこれで最後か。



「お疲れ様です。荷物も揃っているようですし、明日の為にもアルギウス様も就寝された方が良いかと」


 たしかに、意識したら急に眠くなってきていた。

 同じリズムでアイテムボックスに物を入れていたのが、羊のあれと同じ効果でも生んだんだろうか……?


「やっぱり6歳児にはキツい……かなぁ……」

「ベッドまで運びますので、安心してお眠り下さいね」


 俺がそのまま寝てしまいそうなところをメイドさんに軽々と持ち上げられる。所謂お姫さま抱っこで持ち上げられたのは、なんか男としてはプライドが傷つくがそんな事より……



 胸……でかいな!!



 見た感じでは分からなかったけど、凄く柔らかい物が体の右半分に当たっている。何カップとかは分からないが、多分CとかDなんていうレベルではないと思う。

 もうちょっと楽しみたいけど、気持ち良すぎてもう意識が限界だ……。



 そうして睡魔に誘われるままに俺は意識を手放した。

 全然話が進まない‼……どうすんだべさ?

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