異変
今回の回を書いて思ったのは、作者は戦闘描写が下手だと思う事。
でも戦闘は必要不可欠だからね、良い感じに書けるようにこれから頑張る所存。
*ちょっとグロ表現あり
俺達は、王都から徒歩で約20分の所にある森の中でゴブリンを探して歩き回っていた。
だが、俺達はもうかれこれ1時間は探しているのにゴブリン、いや、それどころか魔物や動物1匹見あたらない。
「流石におかしくないか?」
「そうですね……もう少し探してもゴブリンに会わないのであれば最悪、一応ギルドに報告してから依頼を放棄すれば良いかと」
「そうだな、もし何かあるのなら俺達だけじゃ対処出来ないだろうしな」
常駐依頼は他の依頼と違って、達成までの期限が決まっていない。しかも、依頼を放棄しても罰則等は無いという良心的な依頼なのだ。
まあその代わりにか、報酬は普通の依頼より安いのだが。
というか、さっきからミューナの様子がおかしい。
「ミューナ、どうかしたか?」
「ん~変?」
いや、まあその話を今ヘリスとしてたんだけどな……。
「どう変なのか分かるか?」
「何か、来る~?」
「「えっ」」
ミューナがそういうのだ、何か来るのかもしれない。
「とりあえず迎撃準備だ」
各々が武器を構える。
ミューナは言葉の意味が分かっているのかは知らないが、俺とヘリスが武器を構えたのを見て自分も構えたのだろう。空気の読める子だ。
というか、やっぱりミューナが大剣を構えているのはちょっと違和感があるな。ミューナの身の丈位はあるし。
ザザッ
「……来た!」
近くの茂みから出てきたのは念願のゴブリン……らしきものだ。
ゴブリンの体が緑なのにたいして、こいつは青と灰色が混ざったような変な色をしている。
そいつは俺達に今気付いたようで、直ぐに武器を構えだす。
「これってゴブリンか?」
「多分変異種かと……」
まさか変異種とは……。
変異種なんて中々現れるものじゃないのだが、まさかここ2週間で2体も出会うとはな。
俺達が話ている間、隙を見つけるためか変異種ゴブリンは動かない。どうやら頭は良いようだ。
「ちょっと今回はミューナは待機な。こんな森の中じゃ変異種相手はキツイだろ」
「え~……」
ミューナは残念そうにしながらもちゃんと下がってくれた。良い子だなぁ。
ヘリスを見ると、敵が一体だけだからか、魔法で俺の補助をしてくれるようだ。
もし普通のゴブリンが出ていたら、俺は魔導銃、ヘリスは弓でミューナの援護だったのだが……。
「よし、行くぞっ!」
そういって俺が走り出すと、ゴブリンは俺に標的を絞ったようだ。
今回は、変異種というイレギュラーがあるものの、戦闘技術の底上げが本来の目的なので俺は魔刀に魔力を流さずに行く。
これでちょっと良い刀位の切れ味になっているはずだ。ゴブリンは変異種だからか、持っている剣も普通の品質だったので、この前の幼竜のように問答無用で切ってしまう事も無いだろう。
「っ!」
ガキィッ!
俺がゴブリンに横薙ぎに切りつけると、ゴブリンは見切っていたようで結構あっさりと受け止める。
「グギャアッ!」
「うおっ!」
俺はあっさりとゴブリンに押し戻される。
まあ、ステータスの筋力値は高いというほどでは無いからな。
レベルのおかげで6歳のこの体でもゴブリンとある程度戦えるだけだろう。
「ヘリスっ!」
「『ウォーターボール』!」
俺が呼ぶと、ヘリスは直ぐさまゴブリンに魔法を放つ。
だが、ヘリスの魔法をゴブリンはサイドステップで危なげなくかわす。
あれ?ヘリスの魔法って、もう少しスピード速くなかったっけ?
そんな事を考えながらもゴブリンがサイドステップで着地する寸前に思いっきり切りつける。
「ギギィッ!?」
かろうじて俺の刀を受け止めたものの、ゴブリンはそのまま後方に転んでしまう。
「おりゃあっ!」
ギィィィィィン……
そこにすかさず追撃を放つと、ゴブリンがまた受け止めるもゴブリンの剣を弾く事に成功する。
そこにすぐさま無防備になったゴブリンの心臓を突き刺す。
「ギイッ!ギ……ギギィ……」
初めは抵抗していたゴブリンだが、直ぐに生き絶える。
「アル様、お疲れ様です」
「アル凄いねー!」
「んー……」
ヘリスとミューナが労ってくれるのだが、俺は腑に落ちない事がある。
「どうかされましたか?」
「いや、幼竜の時も盗賊の時も、このゴブリンに関しても、殺したのにあまり何も感じないなーと思ってさ」
「そうですか……言いにくい事ですが、転生の時に精神に干渉は一切されていないので元々そうだったのかもしれませんね……」
「まあ、ラッキーだと思っておこうか」
テンプレ主人公とかだとこういう場面で吐いたりするしな。
「次はミューナも倒すー!」
ミューナが意気揚々と拳を掲げる。
「そうだな、後一体だけ倒して行くか……の前にする事があったな」
モンスターを倒すと、ギルドカードにそれが保存されるらしく、ギルドでギルドカードを解析すればその人がどれだけモンスターを狩ったか分かるらしい。
ファンタジー技術なので俺にもメカニズムは分からん。
そして、それとは別に、ゴブリンの爪と耳は錬金術師達が作る何かの材料になるらしく、買い取ってもらえるらしい。
つまり俺は今から剥ぎ取りをするわけだ。
「その前に……ミューナ、スキルを喰って良いぞ」
「にゃーっ!」
ミューナはゴブリンに近寄り、手でゴブリンを暫く触ると戻ってくる。
「?……今ので喰ったのか?」
「そうだよー?」
これでスキルが奪えるとか、全くもって不可思議なもんだなぁ、スキルって。
「何が取れたんだ?」
「んーとね、みきり?って言うの!」
ああ、【見切り】か、ゴブリンの割りにやたら攻撃を受けるのが上手いと思ったらスキルだったのか。
あっ……鑑定すれば良かった。
「そうか、このスキルがあればゴブリンと戦っても怪我はしないかな……よし、2人とも、俺がゴブリンを解体している間は周りを警戒しててくれ」
「はい」
「んー」
よし、さっさと終わらせるか……殺して何も感じていないっていっても罪悪感とかの話で、グロ耐性は普通に無いんだけどなぁ。
まず、耳を切り落とす……ゴルバドさん製の剥ぎ取りナイフは中々切れ味があるから簡単だろう。
おりゃっ!
うわっ、めっちゃ血が出てくるな……かからないように気を付けよう。
もうひとつも切り取って……次は爪かぁ。地球だと爪剥がすのとか拷問しか浮かばないな。
爪は手で千切るしか無いので目を逸らしながらやることにする。
「終わったぁ~」
「お疲れ様です」
「ミューナも手伝うー?」
「いや、馴れるまでは一人でやってみるよ」
流石にこんなことで男がへこたれていたらダメだしな。
因みに、ゴブリンの死体はアイテムボックスに入れてある。後でヘリスと相談してからptにしよう。
「よし、探索続けようか」
そのまま俺達は探索に入る。
あれから30分経った所で凄い魔物を見つけた。
「あれはオーガですね……」
「ああ、オーガだな。」
俺達はオーガに見つからないように茂みに隠れてオーガを観察している。
「あれってさっきと同じ感じがするー」
「……うん、だと思った。普通は緑色なのにこいつは黒だもんね」
そう、多分こいつも変異種で間違い無い。
しかも、厄介な事に通常オーガは通常の幼竜と同じ位強い。
変異種の幼竜の場合は防御力以外は普通の幼竜より少し上程度なだけだったので、魔刀のおかげで簡単に倒せたが、オーガのスピードが速かったら?力が強ければ?生命力が高ければ?さっきのゴブリンのように強力なスキルや知能があれば?勝てたとしても絶対誰かが怪我をするだろう。
「一度ギルドに帰ろうか」
「そうですね……連続で変異種が出るのも偶然では無いかもしれませんし……」
「むぅ~。分かった~」
これはヤバい。この森のもっと奥に行けばオーガよりも強いやつは何体かいるだろう。そいつらが変異種になっていたら緊急依頼としてギルドに出るだろう。
とりあえずいち早くこの情報をギルドに持って帰らないといけない。
「行くか……」
幸いオーガが遠くに行ったので、さっさと見つからないうちに帰る事にする。
何もなければ良いのだが……。
これからも頑張っていきます。
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