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ジョブ

部活は無かったけど、テスト後の勉強を……。

まあ、その間に執筆をしてましたw

でも、親に隠れてやってたのと、少し難産だったので予定より遅くなりました。

後、ランキングが13位に載ってました!!ありがとう!!

いやぁこれのおかげで今日はこの時間まで気合いで書けましたw

「ん~……」


俺は今、また街中をぶらぶらしている。

だが、今の俺には道の脇に並ぶ数々の店は目に入らない。


さっきゴルバドさんから聞かされたリオの話で頭がいっぱいなのだ。


ゴルバドさんの話によると、リオがこの街に来たのはだいたい1年前。ゴルバドさんの情報網によると、リオはグラスニア帝国方面から来たらしい。[因みに、グラスニア帝国はレルガン王国の西に位置し、かなり大きい軍事国家らしく、このレルガン王国とは敵対、という程では無いが仲が悪い]

だが、仲が悪い国から来たから間者だと言ったわけではない。

ゴルバドさんによると、レルガン王国とグラスニア帝国の間に関所があるのだが、リオの通行経歴が無いらしい。謂わば不法入国と言うやつだ。

だが、この不法入国をするには並み大抵の実力では出来ないのだ。仲の悪い国との間の関所と言うだけありそこの給料は高い。そこを兵士達は一斉に志願するので、武力による勝ち抜きで決められる。結果、そこら辺の関所よりは兵士の質も高いし、兵士達には勝ち抜いてきた誇りがあるのでそこで働いている兵士達は全員精鋭揃いだ。普通の幼竜なら2~3人で倒せるのではないだろうか?

ともかく、そんな兵士達を潜り抜けて来たのだ、リオが異常に強いのか、それともその道のプロに頼んだのか、……まあ、結局の所は全て仮定の話で終わってしまうものだ。

次にリオに会った時にでもそれとなしに聞いてみよう


「……そうだった。2人にローブを買ってやらないとな」


俺にお金があればヘリスもミューナももうちょっとオシャレさせてあげられるんだがなぁ……。


とりあえず手頃な服屋によってみる。

少し小さい店だが結構良い感じな服がいっぱいあった。


……皆でお揃いの色にしよう。


何色にするかだが……目立つ色は止めておこう。元々そのためにローブを買うわけだし。


ん~黒……は厨二病に拍車がかかりそうだしな……。

でも、他は茶色とか明るい色とかしか無いんだよな~。

赤とか白とか緑とか……無いな。


結局、俺は黒色のローブを買ったのだが、結構高かっただけあり、装飾や布の丈夫さも高水準だった。

一応、男物と女物があったのでそこだけは分けて買っておいた。


少し早いけど、そろそろ集合場所に戻るか……。


暫く歩いてたまに迷ったりしながらもちゃんと目的地に着く。早めに来ておいて良かった……。


「あ、こっちです!アルギウス様!」

「アルー!」

訂正。どうやら待たせていたようだ。


「早いな」

「はい。少し早く買い物が終わったので先に待っていました」

「服買ったよ?」


よく見ると、2人ともローブの下に新しい服を来ている。ローブを脱いだら注目の的だな。


「そろそろ門の前に言ってみよう」


そうして門の前に行くと、なにやら怪しいローブ姿の人がいる。……俺達もか。

だが、まあ何となく誰かはわかる。


「父さん」

「おおっ!久しぶりだね、アル!そうか、予定より早く着いたんだね?」


相変わらずテンションが高いがやっぱり父さんだった。俺はなぜ早く着いたのかを簡潔に話した……。何故にローブ?


「何でローブなんか着けてるの?」

「アルも着けてるんだけど……。まあ、僕の場合は職業が職業だからね、色々目立つのさ」


そういえば父さんは王宮騎士団ロイヤルガーディアンの副団長だったな……。


「それで……そこの子達がアルのお嫁さん達だっけ?」

「ちちちちがいます!私は、その……。」

「ミューナだよー!アルの……お嫁さん?」


ヘリスは突然の事に戸惑っているようだがミューナ、お前は何を言っている……。


「ははは、まあ2人ともアルの事を宜しく頼むよ。アルはよく外に出掛けていたのに、一度も友達ができたなんて話を聞かなかったからね」

「さ、さっきリオって友達ができたよ!」

「アル様……その子は女性ですか?」

「え?そうだけど?」

「ヘリス……だったかな?君の言いたい事はよく分かるよ……それも含めてアルの事を宜しくね……」

「はい!任せて下さい!」


なんだ?よく分からないうちに父さんとヘリスが意気投合してしまってる……。


「父さん、その様子だと母さんから手紙で色々聞いたんだろうけど……俺は冒険者になりたいんだ」

「ああ、良いよ」


軽っ!!何で父さんも母さんもそんなに軽いんだよ……。


「でも、一つ条件がある」


なんだ、条件があるのか……。


「それは……学園に通いなさい」

「学園?確かにまだ知らない事はあるけど……」


でも、学園に通っていたらとても冒険者なんて出来ない。


「アルの心配は分かるよ、だから君の実績と僕の権限を使ってアルを学園の特別枠に入れるようにしておいた」


父さんによると特別枠とは、いってみれば特待生。まあ、受けられる特典は地球の学校の比ではないが。

まず、学費免除。しかし、これは父さんが俺を無理矢理入れるわけだから普通よりも高額の学費がいる。次に出席の自由。これは特待生としての実力をキープできるなら学校行かなくて良いよ、という感じだ。後、他にも諸々の特典はあるが、現時点では関係無いらしい。


「これは親としての最大限の譲歩、かな。出来れば特別枠でも出来る限り学園には通ってほしいかな」


そんな条件ならお安いご用だろう。寧ろ願ったり叶ったりだ。


「あっ、でもミューナちゃんはまだ子供だから初等部から、と言いたいところだけど1人はこっちとしても不安だからね。アルの付き人で良いかい?」

「付く!」


そう言ってミューナは俺にくっついてくる。そういう付き人じゃなくて……。

まあ、ミューナは人化しているが元はスライムだからな……。

何かあったら不安だしその方が良いだろう。


「話としてはそれだけかな……。よし、皆の冒険者登録をしに行こうか!」


おお、やっとか!色々あったがこれで晴れてテンプレ道が開かれる!!












そんなわけでギルドに来たわけだが……。


「めっちゃ人いるじゃん……」


やっぱり夕方らへんに終わる人が多いのかな~。

てか、ガチムチが多いな……。


今、俺達は受付に並んでいる途中だ。

今の間に冒険者の実力を集めておこうか。

とりあえず強そうな人、ガチムチはラノベとかだとモブが多いと思ったので、その他を探しているとちょうどいい人を見つけた。

酒場の奥の方で一人酒を飲んでいる普通の体型の男?女?ローブ着てるから分からない。ローブ人気すぎだな!まあ、80%俺の身内だが。

その人はなんか強そうなオーラが出てる気がする。いや、ボッチオーラでは無いと思う。多分……。

とりあえずこの人に鑑定!!……をしようとしてやめた。

鑑定は、

相手を見る(認識する)→魔力を目に込める→情報収集?→ようやく俺にいつもの鑑定結果のように表示される。

だが、情報収集?をしているらへんだろうか、そのローブの人が不意に辺りをキョロキョロと見渡し始めたのだ!……やっべぇ、多分ばれそうだったんだろうな……。

どうやらえらい大物を釣り上げてしまったようだ。

因みに、父さんを鑑定したとき見れたのは、家の中ということもあり、完全に油断してたとかだろう。


「アル、どうしたんだい?そろそろ僕達の番のようだよ?」


おっと、今はとりあえず気づかれないように自然体でいよう。


「ああ、ごめん父さん。考え事してた」

「まあ、アルの新たな門出だからね……お、次だね」


受付嬢は綺麗な黒髪だった……。でも顔はこの世界の顔なので転移者とかでは無いっぽい。


「お待たせしました。今日はどういったご用ですか?」

「ああ、この子達の冒険者登録をしてほしい……一応これを渡せば話が通るようになってるはずだ」


そう言って父さんが受付嬢に渡したのは手紙らしき物だった。


「承ります……っ!!はい。ギルドマスターからの許可も出ていますので個人情報に関しても大丈夫です。では、このプレートにこの針で血を垂らして下さい」


え?ミューナの血は……。父さんが何も言わないなら大丈夫かな?というか、父さん何を渡したんだよ……。

て言うか、プレートに血を垂らすってテンプレートだな。プレートだけに……ごめん。


俺達は各々血を垂らすわけだが、意外とミューナは針を刺すのは平気そうだった。

しかもプレートもちゃんと反応してるっぽい。


「これで登録は完了です。後は冒険者のルールですが……。」

「この子達には本で渡してあげて下さい。それとアルとヘリス……この子とこの子はレベル10に達しているのでジョブに着かせてあげて下さい」


ジョブ?職業欄か?


「分かりました。では、此方に来てください」


そうして俺とヘリスは流されるままに受付の奥の扉に通されたわけだが……扉の向こうは通路になっており、一番奥が目的の部屋らしく、そこまで行ってから、


「それでは一人づつお願いします」


え?一人?とも思ったけど、ちゃんと受付嬢さんも来てくれるらしい。


「じゃあ、俺から行くよ」


そして部屋に入ると、真ん中に青色のデカイ結晶が浮いていた。

……受付嬢さんに聞くのも恥ずかしいし父さんにでも聞こう。


「これははるか昔に見つけたアーティファクトのレプリカらしくて、それまではレベル50~100位まで上げれば個人差で着けていたジョブをレベル10でも皆一律でジョブに着けるという物凄い物なんですよ?そんな凄い物なのにレプリカと本物との違いは今のところありません!!後、これを盗んでも遠隔操作でドカンと出来るので盗む人はいませんね」


と思っていたら受付嬢さんが話してくれた。これは「あっ、これ先に言っておきますけど凄い物ですよ?でも盗んでも意味無いですけど」と言いたいのだろう。確かにこの結晶を自爆させられるとしても結局作り直す事になるからな。冒険者にいちいち言っとけば噂になるし盗むやつもいなくなるだろう。


「……アルさんはここに立って目を瞑って下さい。そうしたら、頭の中に適性のあるジョブが出ますので、気になるものを覚えて目を開けて下されば、そのジョブの情報を持ってきますので後でじっくり選んで下さいね?一生に二度あるかないかののジョブなんですから慎重に選んで下さいね?」


受付嬢さんが結晶の手前にある、魔方陣を指差す。

……結晶が目立ち過ぎて気づかなかった。


というか、こんなに話してくれるのにジョブに対する情報が無い。たまたま俺が知らないだけなんだろうな……。


そうして俺は魔方陣の上に立ち、目を瞑る……。


――――――――――

・勇者

・魔王

・伝説之料理人

・神鍛之鍛冶師

・創成之錬金術師

……etc

―――――――――――


何でだよ!?何?魔王?勇者?両方ともジョブでなれるもんなの!?

……それに比べれば凄い事になっているけどまだ生産職の方がましだ……。これは間違いなく受付嬢さんに話してはいけないと分かる。

……鑑定使えるかな?……おっ!?使えた!!こういう時は頼りになるんだけどなぁ。いざって時に頼りにならない鑑定眼……。


とりあえず弱いジョブは却下。勿論、魔王とか勇者とか却下。


そうして、受付嬢さんが待っているので早めに、されど真剣に悩んでようやく決めた。


これは今度のとっておきにしておこう。なんかステータスも上がってるし。


「あっ、ジョブはいくつか決めましたか?」


俺が目を開けると、受付嬢さんが心配そうに聞いてくる。ずっと目を開けないから心配されていたらしい。


「いえ、もう選びました。それと、心配させてすいません」

「えっ!?もう決めたんですか!?」


そういえばビルドさんに言われたな……。


「冒険者は一つや二つ位秘密が無いと食べていけませんので」

「そうですか……アルさんは冒険者の情報秘匿の自由を知っていたのですね。その年でそこまで知っているなんて凄いですね!!」


そんなのあったのか……。まあ、俺にはプラスにしかならないことだから良いけど。


そうして、ヘリスとも交代して待っている間に、自分のステータスを見てみると、ジョブ欄が増えていた。あれか?新しく更新でもされたのか?……いつか調べてみよう。


ヘリスは案外早くに終わったらしく、直ぐに出てきた。まあ、後日聞いた話によると、一度神になった時に覚えていたらしく、今回は覚えるふりをしたらしい。ヘリスもいきなり選択した事にしたのか……。

俺達が受付に戻ってくると父さんが、


「よし、二人共終わったし皆今日はこの街にある僕達の家に行こうか!!」


そういえば泊まるところ考えてなかったな……。


そうして皆で帰ろうとして、また一人俺が勝手に行きそうになった中、これまた馬車でいくことになり、馬車(高級なやつ)に揺られてガタンゴトン……あっ、尻痛くない。行きの荷馬車は尻が当たりまくって痛かったのに。


暫く揺られて着いた所は……結構大きめの屋敷だった。ここは貴族区間的な物なのか目に入る全ての家がでかい。


一瞬、カルロス達も居るかと期待したが、学園に居ることを忘れていた。……あっ、学園で会えるじゃん。これは嬉しい誤算だ。尚更学園に通いたくなってきた。


そんなわけで、飯から風呂からし終わり、寝るときなのだが、父さんの変な計らいのせいで3人同じ部屋で寝ることになった……。


ちょうどいい。リオの事や明日の防具の事をゆっくり話したい。


とまあ、意気込んで話したわけだが、ミューナは途中で爆睡。ヘリスはちょっと不機嫌そうに聞いていたが、守る理由を説明したら一応納得してくれたようだ。


話も終わったのでミューナをそのままベッドに寝かせて、俺は部屋にあるソファで寝る。


明日も忙しい一日になりそうだ!

あっ、感想返しを2週間に1度にする事にしました!!とりあえず今日までの分は今日中に終わらせてしまおうと思っています。

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