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閑話 千草の愛情日記 第二話 愛され方を知らない:結婚前夜

私が愛されていたのは、父が亡くなるまでだ。


いや、父のそれも、愛だったのか

私には自信が持てない


大人になるほど、その思いは強くなった


どの親も子どもに危ないまねはさせない

ましてや、生死に関わるようなことなど


だが、父は私にそれらを強いた

一歩譲って、

それが私が生きていく上で必要だと考えたものだとしても

私は愛されていたのだろうかと思ってしまう


罰当たりな娘なのだろう


そのせいかもしれない

父が私の中に蓄積してくれた経験・知識は

「こどものくせに」

「女のくせに」

という言葉で常に切り捨てられた


ほめてくれる言葉も

つないでくれる手も

抱きしめてくれる腕も

なかった


だから私は、それらを出すことを

自分に禁じた

その方が、

普通の子どもを演じる方が

まだ、ましだったから


私が愛されたという記憶

それは、もう記憶にも残っていない

母からのものしかない


だから、私は愛され方を知らない


明日、私は結婚する

私は、どうなるのだろう

旦那様となる方は、どうなるのだろう

考えてしまう、そのことでさえ怖い


願わくば、旦那様となる方が不幸にならないように


私は愛され方をしらないから

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