表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/95

21 次は・・・目のことかい!

今回は目のことです。


気になる方は読んで見てください。

そういえば最初に扁桃腺肥大症に気がついた鎌田先生。中耳炎のウイルスによるものとは言っていなかったのかな?


「ああ、それなあー。親父が鎌田先生に直接訊いてみたけどわからなかったそうだ。何と言ってもあの時も熱を出さなかったそうだからな、お前」


あー、そうですかい。・・・って、これってもしかして声に出してるの私!


「ああ。しっかり声に出してるぞ、池上」

「マジっすか~」

「・・・だから言葉使いをな」

「ワザとに決まっておろう、孝一先生よう」

「お前なあ~」


睨んできても怖くないもん。逆に睨み返してやるもん。


「プッ」「ククッ」「ン~、ゴホン」


あら~、先生方どうしましたか~。肩を震わせてますけど~。


「おい、こら。確信犯。止めないか」

「え~、いいじゃん。笑う方が悪いじゃん」

「母さん。先生方が可哀そうだからやめようか」


あーあ、息子にまで止められちゃった。じゃあ・・・。

一度大きく息を吸って吐きだしてから私は言った。


「それじゃあ、真面目にいくけど、孝一先生。おっちゃん先生はどこまで調べたの」

「あー、それはな、今池上が話したことは各先生方と話したって言ってたぞ」

「はっ?えーと、鎌田先生と野島先生も?川谷先生と森山先生だけでなく」

「そうらしいぞ」

「えー、嘘でしょ。鎌田先生は5年前に亡くなられたし、野島先生もやめられて8年は経つよね」

「最近の話じゃないからな、鎌田先生と野島先生と話したのは。かれこれ10年以上・・・もしかしたら15年以上前なんじゃないのかな」


おっちゃん先生・・・なんか執念を感じるんだけど。


「孝一先生、何となくわかったから、そこは置いておこうか」

「お前が聞いたんだだけどな、池上」

「うん。突っ込めない、ううん、突っ込みたくないからもういいや。それで目のことについて説明をお願いしたいです」

「お前な。・・・ハア~。それでは、栗田先生お願いします」

「ここで、私ですか」


栗田先生が目を丸くした。・・・うん。すんません。この流れでの説明が嫌なのはわかりますが、目のことは何もわからんとです。分かっているのは視力が裸眼だと0.2なのと、かなりひどい乱視な事。角度ずれが左右で真逆に近かったのよね。おかげで裸眼じゃ近い所でもボケまくりなのさ。


「池上さん、それだと説明の必要ないですよね」


あれ?口に出してました? テヘッ ペロッ 


「すみません、栗田先生。でも、これは視力に関することですよね。眼球の筋力が弱いというのは何となくわかりますが、出来ればついでに詳しくお願いしたいです」

「ついでって・・・」


あら。またつい本音が。栗田先生はこの先生方の中で一番若いみたい。私のボケに対応するのが上手く出来ないようだ。

フッ。そんなことでは立派なツッコミにはなれないぞ。


「おい。いい加減、若い先生をからかうのをやめないか。栗田先生、池上の言葉は気にしないでお願いします」

「あー、はい。それでは、説明させていただきます。池上さんは視力低下により眼鏡をかけていらっしゃいますよね。日常的に眼鏡は手放せないと思います。そしてこの1年ほどは趣味のため日常的にパソコンを使うようになり目を酷使されているとか」


・・・無言で私は栗田先生のことを睨んだのさ。お~い、もう少し言葉をオブラートに包んでください。私の視線に気がついて一度言葉を切ったけどさ、もう少し言葉を選べや!


「・・・すみません。えー、それで」


って、めげないのね。栗田先生。


「池上さんはどうも、もともと眼球を支える筋力が弱いみたいなんですね」

「はあ~?先生~、みたいというのは?」

「あー、はい。私も今回のことで川谷先生からカルテの提供を受けましたが、池上さんの診察をしたのはまだ2回です。それで説明と言われましてもね」


まあ、確かにそうですな~。


「栗田先生、あなたは医師なんですから。池上もおとなしく話を聞いてくれ」

「わかっているともさ。だからさっきよりはおとなしく訊いているでしょ」

「・・・・・」


孝一が黙りましたとも。それで栗田先生が続きを話しだしたよ。


「えーと、その目の筋力というものは3つあります。視たもののピントを調節をする「毛様体筋」光量を調節する「虹彩筋」眼球を動かす「外眼筋」です。それで、池上さんにとって問題になるのは「外眼筋」です。眼球は上下左右から筋肉で支えられています。「外眼筋」についての詳細は省きますが、この「外眼筋」が衰えると眼球を動かす機能が低下して、文字を読むのが遅くなったり、読み間違いが多くなったりします。また、眼球に歪みが生じて、近視や遠視、乱視の症状が出てきます。池上さんは目を酷使すると遠近感が掴めなくなると言っていましたが、その症状はどちらかというと「毛様体筋」に当たるものです」


うん。そうでしょうね。


「ですが、池上さんの目の動きを見ると「毛様体筋」だけでなく「外眼筋」も関係しているようなのです。ですから、もう少し経過観察をしてみたいと思いました」


・・・つまり?経過観察ということはデーターが欲しいということですか?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ