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20 扁桃線肥大症 という病気とは

扁桃腺肥大について説明しています。


興味がない方はスルーしてください。

思わず呻き声を出しそうになって、下唇を噛んだ。

孝一の言っていることは解る。だって、今まで散々説明されてきたことだから。


私がずっとつき合ってきている扁桃腺肥大症。これは実は珍しい病気ではないの。


扁桃腺にはいくつか種類があるそうで、喉の奥の両側にポッコリと丸く見える口蓋扁桃(こうがいへんとう)の他に咽頭扁桃、耳管扁桃、舌根扁桃があるそうなの。そして、一般的に「扁桃腺」と言えば口蓋扁桃のことを指すらしいの。

ちなみに扁桃とはアーモンドのことで、口蓋扁桃がアーモンドと見た目が似ているために、そう名付けられたと聞いたのね。


扁桃腺の働きは4~8歳の幼小児期に最も活発になり、サイズも最大になって、その後徐々に小さくなるそうよ。ただし、扁桃腺の炎症を何度も繰り返すことで、扁桃腺が通常よりも肥大化することもあり、幼小児期の生理現象だけが扁桃腺肥大の原因であるというわけではないそうなの。


扁桃腺肥大には、その大きさで3段階に分けられ、現れる症状もその段階によって異なるらしいのね。


・1度肥大 口蓋扁桃がわずかに出ている

・2度肥大 1度と3度の中間

・3度肥大 口蓋扁桃が真ん中で互いに接するほどに突き出している


子供の扁桃腺肥大は生理的に肥大する物なので、1度肥大であれば、特に症状が出ることもないようよ。しかし、2度肥大、3度肥大になると、様々な症状が現れる可能性があるの。

扁桃腺が肥大すると、空気の通り道が狭くなるから、睡眠の質が低下したり、食べ物が飲みこみにくくなることもあるのね。


扁桃腺肥大の検査は、基本的に口の中を覗いて、扁桃腺の大きさを見る視診によって行われ、扁桃炎が扁桃腺肥大を起こしている可能性もあるため、原因の細菌を見つける細菌検査が行われることがあるわ。

検査によって子供が扁桃腺肥大と診断されても、症状が軽く生理的なものだと判断されると、成長に伴って自然に治まっていくのを待つのよ。扁桃腺肥大が炎症によって起きている場合は、抗生物質を投与するのが一般的なんですって。


ただし、扁桃腺肥大によって睡眠障害が起きたり、食べ物が上手に飲みこめなかったりなど、日常生活に支障が出ている場合には、扁桃腺を摘出する手術が行われることがあるわ。しかし手術は小さな子供にとって負担が大きいので、メリットとデメリットについて医師と話し合いながら慎重に考える必要があるとか。

あと、子供の成長に伴って起きる生理的な扁桃腺肥大は、予防する方法がないそうなのよ。


ここまでが子供(・・・)の扁桃腺肥大のこと。そう、これが珍しくない理由。

それで私のことが珍しいのは、大人になっても肥大していること。

ううん。大人になっても肥大していることは珍しいことではないの。

と、いうのも、大人になっても扁桃腺が肥大したままの人はいるらしいのよね。


扁桃は、学童期後半に次第に小さくなるけど、肥大の程度、経過は個人差が大きく、時に大人になっても肥大が持続することがあるの。たとえば、舌根扁桃は20~30歳にかけて肥大するそうなの。女性では肥大が早期に出現し、男性に比べて舌根扁桃肥大がよくみられるのね。

子供の説明と同じで気道が狭められて睡眠障害や食事の際の嚥下障害を起こすこともあるのよ。急性に肥大した場合であれば、細菌によるものとして薬物投与で改善することがあるけど、ただ、長期間にわたり肥大、閉塞(へいそく)症状が持続するようなら、扁桃を手術で摘出する必要があるそうよ。


他にも高熱を出しやすくなるとも聞いているわね。風邪をひくと高熱が出やすくなるとか。・・・じゃなくて風邪の細菌がリンパ節に悪さして炎症を起こして高熱が出るとか。


私はこれに当て嵌まらないの。

確かに風邪は年に2回春と秋の季節の変わり目に必ずと言っていいほどひいている。

けれど、高熱を出すことは滅多にないの。最近で高熱を出したのはインフルエンザに罹った時だったわね。でも、それも2年前のことなのよ。


私は一度溜め息を吐いた。

気づいちゃったけどさ~、無駄だと思うけどさ~、言ってみるか。


「あのさ、孝一先生が扁桃腺肥大について、病歴を追いたかったのは解ったけど、そのどこに研究要素があるのさ」

「もう一度扁桃腺肥大について説明するか?」

「・・・もう耳タコだから、要らん」

「じゃあ、解るだろ。慢性的に肥大していながら、日常生活に支障を起こしてないだろう。こんな珍しい症例がそばにあれば研究したくなるだろ。ついでに滅多にいないめまいの副作用該当者だしな」


やっぱり~!・・・わかっていたよ。解っていたけど、人をモルモットかなんかと間違えてないか~。


なので、また、キッと睨む。


「それで、なんで眼科と脳外も関わってくるのよ。扁桃腺肥大症に関係ないでしょ」

「池上、よく思い出して見ろ。3年前と今回と、脳梗塞の診断を受けた時のことを。前回も今回も酷い咳をしていた時だっただろう」

「・・・確かにそうだけど。じゃあ、脳外はいいわよ。眼科はどこにかかってくるのよ」


私がそう言ったら孝一は、溜め息を吐いたのよ。

・・・おい!


「池上、お前は自分で言ってただろう。酷い咳が長く続くと頭痛と目も見え方が変だって。親父がな、目の見え方がおかしくなるのも、身体が繋がっているからだ!って言ってたんだよ。だから今回も切り離して考えずに総体的な見地から眼科の戸塚先生にも参加してもらったんだよ」


・・・だ~か~ら~、モルモット発言は嫌だってば~!


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