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【85】ウィンターマーケット戦線



――――ウィンターマーケット戦線。分かりやすく言えば……クリスマスマーケット戦線!


「これ全部100ゴルゴルなの!?」

「これが噂の100均ね」

100均オーナメントコーナーも大好評だ。

もちろん税別100ゴルゴル。魔王国の税金込みだと110ゴルゴル。それでも安いんだよな。


「100均外のオーナメントもちゃんと売れてるみたいだな」

「住み分けしてますからね」

そこら辺はしっかり商業ギルドで情報交換。

クリスマスマーケットのオーナメントが売れるのと100均のオーナメントがどちらも売れるのと同じことだ。


「リードくんたちも休憩がてら回ってきていいですよ」

「はい、ユルヤナさん」

ウィンターマーケット戦線は大忙しなので旅団の俺たちも現地の商業ギルドのお手伝いをしているのだ。

早速ブレイクとコーデリア、ふわわにウェイド。いつものメンバーでまずは腹ごしらえ。


「ふーわー」

「熱いからふうふうだぞ」

ふわわはコーデリアにポテトをふうふうしてもらいながらはむはむしている。


「プレッツェルうまー」

ブレイクも満足そうだ。


「ウェイドには食わせてやれないからな」

ヴルストを食べながらも何だか申し訳ない。

『味覚を共有すれば……うん、美味しいですね』

「えっ、すごっ!?それならもっと食べてみないと」

思えばウェイドと作った携帯ブロック食も旨かったからな。俺の味覚を読み取っていたのか。


「何か食べたいものあるか?」

『そうですね……あれを』

「ああ、俺も行きたいと思ってたんだ」

俺たちが向かった屋台ではスペイン風トルティーヤに混ざってベーグルと揚げあんドーナツが売られている。


「わぁ、久しぶりだなぁ」

「おや、リードくんじゃないの」

「まさか魔王国の魔女たちとコラボできるなんてね」

店頭にはツナードで出会った魔女のママさんたちが待っていた。


「ええ。こちらこそ依頼を引き受けていただいて」

ママさんたちは冒険者でもあるので冒険者ギルドと共同で出店依頼を出したのだ。

「リードくんからの依頼だからね」

俺は偉いひとたちの名前の端に列ねてもらっただけなんだけどね。それが決め手になったようだ。


彼女たちには揚げあんドーナツの販売と隠れ里の魔女さんたちの護衛を頼んである。


もちろん商業ギルドも立ち合い、隠れ里の魔女さんたちもドキドキしながらもツナードのママさんたちのお陰で安心して参加できているようだ。

「買ってくかい?」

「もちろんです」

後からコーデリアたちも来たので揚げあんドーナツやベーグルをシェアしながら……ウェイドにも味覚をシェアしたのだった。

時折ウィンターマーケット戦線を楽しみつつも商売も負けてられない。


終わった後は大人はホットワインだが、子どもの俺たちはホワイトホットチョコドリンクでカンパイしながら忙しなくも楽しい戦線を乗り越えたのだった。


「うん……こっちの方が楽しいな」

終わった後のご褒美ドリンクも旨いしなぁ。

『だからリードは剣ではなく商売を……』

「ウェイド?」

『いえ……聞き流してください』

くすりと微笑んだウェイドはじゃれに来たふわわとくまちゃんで遊んであげている。


忙しない日々、穏やかな日々。どちらも俺の好きな世界だ。



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