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残春はさ迷える子羊達のコンチェルト  作者: Mr.M
第4楽章 最後の晩餐

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28/114

第28話 不穏な晩餐会 19時

食堂の柱時計が

ボーンボーンと19時を告げた。


部屋の中央にある

長方形のテーブルを挟んで、

こちら側には左端から、

西岡、六条、僕、そして佐藤が、

向こう側には同じく左端から、

平原、宮崎、菅野が座っていた。


テーブルの上には

ビーフシチュー、

サラダ、

そしてバゲットが並んでいた。

「それほど腹は減ってないんだけどな」

西岡が欠伸をしながら

両手を上に伸ばした。

どうやら。

西岡は先ほどまで

鍵のかからない部屋で寝ていたようだ。

図太い神経をしているのか、

それとも自分は殺されないと

高を括っているのか。

もしくは。

彼が【犯人】なのか。

「別に無理して

 食べなくてもいいんだよ。

 それよりも。

 食事を用意したあたしらに、

 まずは礼の1つでも言うのが

 先じゃないのかい。

 これだから。

 躾のなってない餓鬼は嫌いなんだよ」

すかさず平原が責め立てると、

西岡は首を竦めて、

シチューを口に運んだ。

依然として。

魔女と死神はいがみ合っていた。


「酒はないのか?」

ふいに。

宮崎の濁声が食堂に響いた。

「本当に世話の焼ける男ばかりだねぇ。

 飲みたいのなら自分で取ってきな。

 厨房に沢山あるからさ」

平原が大袈裟に溜息を吐いた。

「悪かったな、婆さん。

 そんなつもりで

 言ったんじゃないんだ。

 鈴木くん、

 儂にビールを頼む」

宮崎は頭を掻きながら平原に謝った。

老豚は魔女には敵わない。

逆らえば大釜で煮られるだけだ。

「鈴木くん!

 どうした?」

「へっ?

 あっ!

 は、はい!」

僕は慌てて立ち上がった。

「あたしも何か飲もうかねぇ」

そう言って、

平原も腰を上げた。

「ぐ、グラスも必要ですよね?

 わたしも手伝います」

続いて六条が立ち上がると、

それを見た菅野までもが

渋々と重い腰を上げた。

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