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春、ゆらぎ
日常を離れたくなったときに
見上げる空は萌木色
一本前の路地に寄り道
鼻腔をくすぐる芳ばしさ
誰かに逢いたくなっときに
文字を打つのが遅くなる
私は正しく生きてたか
確かめたいけど否定はイヤで
何も聞かないあなたの空は
一体どこまで広がってるの
何も言わずに私を撫でる
春風に包まれてるみたい
飛び出したいけど
風が強そうで
窓越しに見れば
暖かそう
連れていってくれるかな
果てしなく広がるあなたの空の
向こうで揺れるみかんの木の下
日常を離れたくなったときは
薄桃薫る流れに目を閉じ
日常に帰りたくなるときまで
誰でもなくてあなたのそばに