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瞬く星に願う
キミが見上げた夜空の一点、
色のついた目立つ星があった。
炎を連想したから、
何を燃やしているんだろう、と呟いた。
キミは僕を見てクスリと笑い、
命を燃やしているんだよ、と答えた。
僕はキミの手を握った。
どうしたの、とキミは問う。
何でもない、と言いながら、
指先に少し力を込めた。
「命が燃えているのなら、何で綺麗に見えるんだろう」
「向き合っているからだよ」
「どんな物と。どうして」
「自分の内側と。強くなりたいから」
色のついた星を見つめるキミの瞳は、
潤んでいるように見えた。
夜目が利かない僕は、ただ手を握る。
「命が燃えているからかな」
キミが哀しげに見上げているのは。
だけどそれは、星だけでじゅうぶんだよ。
その言葉は、言えなかった。
代わりに僕はまた少し、指に力を込め直す。
「一緒に戦うよ」
だから行かないで、とも、言えなかった。
キミはまたやんわりと微笑んだ。
大好きよ、と。




