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星闇ピーターパン

ある日キミが言った

たまには抜け出そうって

暇を持て余した

私すぐさま頷いた


ネット検索して

見つけたバスツアー

直前予約可能

コンビニ払いで決定


「バスジャックみたい」

キミが呟く

「ドラマ見すぎ」

返したら抓られた


こっそりと覗いた

カーテンの向こう

ハイウェイのライトアーチ

隙間を飛んでいく

まんまるの月

口許が緩む



キミが文句を言う

真っ暗過ぎるって

私も同意した

まだ目が冴えてるのにって


周りは寝てるみたい

もう少し静かに

だけど眠れないよ

そんな時に停まったSA


「窮屈だったね」

大きく背伸び

「見てよ真上」

指差したキミの笑顔


キラキラしていた

黒の夜空に

まぶされた光

キミの魔法みたい

星座を辿る

指先の虜



「連れてって欲しいよ」

寝言のフリで

「それじゃ行こう」

重ねてくれた手は

信じていい?


こっそり目を開けて

確かめたいよ

でも少し怖くて

キラキラしている

夢のような夜

ずっと走り続けて

知らない世界へ

導くキミは

ピーターパンなのかな

差し込む陽の中

触れたくちびる

「おはよう 着いたよ」




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