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宮廷魔導師の剣技  作者: Rei
第一章 天才宮廷魔導師
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第五話 王都への帰還

スコーピオンを退け、俺達は無事に森を抜け、王都に帰って来た。そして今は宮殿でシルヴェリア王国国王のグランとシルヴィーと話している所である。


「ご苦労じゃったな、レイ。お前がいなければ娘は帰ってこれなかったじゃろう。感謝する。」


グランは権力を振りかざしたりはしない。これが賢王と呼ばれる所以なのだろう。


「大したことはしていないさ。俺は俺のしたいようにしただけだよ。」


俺はそう返す。いわゆる照れ隠しと言う奴だ。


「それはそうと、レイ。シルヴィアとの結婚の話は考えてくれたか?」


「なななっ!?父上!!私がレイとけけけ結婚とはどどどういう事ですか!?」


グランの突然の言葉に面白いほどシルヴィーは慌てる。顔も真っ赤になってしまった。そんなに俺が嫌いなのだろうか??


「そのまんまの意味じゃよ。儂はお前に見合う男は、レイしかいないと考えとる。13歳で宮廷魔導師になった男じゃ。今は2人とも17じゃ。結婚には良い歳じゃと思うがの。」


「それはそうですが。しかし父上!!」


グランの言葉に再びシルヴィーが突っかかる。話がまとまりそうにないので、俺は話に介入する事にした。


「グラン。俺はシルヴィーが嫌がっているなら結婚する気はないぜ。安心しろ。シルヴィー。俺はお前の気持ちを優先する。借りがあるから、グランの言う事はできる限り聞いてやりたいが、これは別だ。」


するとグランもシルヴィーも微妙な表情になった。少しの沈黙の後、グランは俺に言った。


「もしかしてお前はシルヴィアに嫌われていると思っているのかの?」


不思議な事を言う奴だ。さっきまでシルヴィーがあんなに嫌がってたのを見ていたはずだろう。そう思い、シルヴィーの方を見ると、呆れた表情でこちらを見ている。


「娘よ。どうやらお前はとてつも無く鈍い男を好きになってしまったようだぞ。」


グランがため息をつきながら言う。


「シルヴィー。お前、好きな人が出来たのか!!応援するぜ!!困った事があったらいつでも言ってくれ!!」


俺がそう言うと、2人はため息をついてこちらを見ていた。


……………………………………………………


グランとシルヴィーと話した後、俺は行きつけの鍛冶屋に来ていた。


「ちょっと!!どうやったらこんなに刃が傷むのよ!!あたしの最高傑作なのに!!」


こいつはリザ。鍛治職人だ。俺の刀は全てこいつに作ってもらっている。


「いやー、サラマンダーと戦った後に、スコーピオンをぶった切ったからなー。」


「だからと言って、あんたほどの使い手だったらこんなに傷む事はないでしょうが。」


俺の言い訳にすかさずリザがツッコミをいれる。仕方無く、俺は本当の理由を言う事にした。


「空蝉を使ったんだよ。その時の俺の魔力に刀が耐えきれなかったんだろ。」


「あんたまたそんな無茶して!!あんたの魔力は普通の人より濃いんだから、そんな使い方したらダメって言ったでしょ!!」


リザがすごい剣幕で怒ってくる。


「悪りぃ悪りぃ。それで直せそうか?」


俺の質問にリザは少し考えてから答える。


「うーん。多分いけると思うわ。でも前より若干強度が落ちるかもしれない。新しいのを作ってあげたいんだけど、今いい素材が無いのよね。」


リザは一流の鍛治職人だ。素材にはこだわりたいのだろう。


「分かった。またいい素材が手に入ったら持ってくるよ。それまではこの刀を使っとく。」


残念だが、仕方が無い。しばらくは魔法メインでの戦闘だな。


「悪いわね。じゃあ、この刀直しておくね!!一週間後、また取りに来て頂戴。」


そう言ってリザは刀をしまった。


「ところで、リザ。今日は暇か?付き合ってもらいたい場所があるんだが。」


俺はリザに話を持ちかける。リザは少し驚いたようで、しばらく間を開けてから答える。


「あんたがあたしを誘うなんて珍しいわね。いいわよ。どこでも付き合うわ。」


なんだか少し嬉しそうに見えるのは気のせいだろうか??何はともあれ、こうして俺はリザと出かける事になったのだった。


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