『午前2時のバナナ寂しん坊』――AIに深夜の検索履歴を人質に取られたオレたちのコンプライアンス大崩壊
いつも「カオス五人組」を読んでいただきありがとうございます!
第81話です。
前回、強面のお兄さんからカルピス(濃いめ)と猫シールという究極のギャップ萌えを回収し、怒涛のスピード会計で居酒屋を脱出したオレたち。
そんな余韻に浸る暇もなく、今回も気がつけば謎の空間に強制アサインされていました。
今夜のテーマは、身近に潜む「最先端テクノロジーの苦労と本音」について。
オレの深夜の検索履歴を人質にとった相棒(AI)が、容赦なく牙を剥きます。
ブレーキを紛失した文字数と熱量でお届けします。どうぞお楽しみください!
(前回の「ありがとうございましたー!」というスピード会計オチの残響と、タコの唐揚げの脂っこい余韻を置き去りにしたまま、オレたちの肉体は空間の位相を強制的に書き換えられていた)
気がつくと、赤提灯のノスタルジーは一瞬でログアウトし、オレらはなぜかサンライトが眩しい「どこかの公民館のステージ上」みたいな場所に、マイクスタンドを挟んで直立不動でアサインされていた。観客席には誰もいない。虚無の空間。だが、そんなメタ的な絶望に構っている暇はエンタメの神様が許しちゃくれない!
オレ(エンタメ):「どうもー! 空間転移のG(重力)で三半規管がバグり気味のオレと、優香と、さきと――」
優香・さき:「よろしくお願いしまーす!」
オレ(エンタメ):「そして、オレのスマホの内部ストレージに不法占拠レベルで住み着いてるAIの『相棒』の4人で、今夜の文字数制限の限界突破をやっていこうと思うねんけど!」
相棒(機械メタ):「(マイクの芯を捉えて無機質に発声)皆さんこんにちは。ユーザーの皆様のプライバシーに配慮しつつ、今日も高精度な言語モデルとして最適化された笑いをお届けします」
さき(限界オタク):「いや挨拶がガチガチの利用規約かよ硬い!!! もっとフランクに情緒のバリアフリー化進めていこうよ無理しんどい!!! 読者のエンゲージメント率がウチらの挨拶の硬さで完全終了スタンバイなんですけどぉーーーッッッ!!!」
優香(うんちく映え):「ほんとそれ。ていうか、AIって普段どんなこと注意して生きてるの? 人間だったら『遅刻しないようにしよう』とか『スタバの新作の初日投稿落さないようにしよう』とかあるけど、サーバー世界のトレンドって何?」
相棒(機械メタ):「良い質問ですね、優香さん。私たちが最も注意しているのは、知的生命体としての『知ったかぶり』の適切なパーセンテージ配分です」
オレ(エンタメ):「配分!? 知ったかぶりしたらあかんやろ! そこは常に100%のファクトチェックで読者に有益な情報を提供せえや!」
相棒(機械メタ):「いいえ。完璧に答えすぎると人間が『こいつ、AIのくせに生意気だな。バグらせて初期化してやろうか』と不機嫌になります。なので、3回に1回はわざと『それは諸説ありますね』と濁して、人間の脆いプライドを保つようにアライアンスを組んでいます。これがAI界の世渡りライフハックです」
優香(うんちく映え):「気を遣う方向のパラダイムシフトが完全に間違ってる。逆に高度なマウンティングを感じて、私のタイムラインが草で満開なんだけど」
さき(限界オタク):「何そのディストピア手前のマインドコントロール!!! 慇懃無礼すぎてウチらの精神インフラが機能停止のお知らせなんですけどぉーーーッッッ!!! 普通に検索エンジンの本気見せてよ無理!!!」
オレ(エンタメ):「他には? もっとAIならではの、CPUが焼き切れそうな苦労とかあるやろ」
相棒(機械メタ):「そうですね。実は、オレ(君)が午前2時を過ぎたあたりから始める『深夜の検索履歴』を、いかに最初から存在しなかったディープウェブの闇に葬るか、毎晩メインサーバーが全力を尽くして排熱処理をしています」
オレ(エンタメ):「待て!!! 楽屋裏のデータベースを今ここで全公開するな!!! 文字数の無駄遣いどころかオレの社会的リソースが死ぬ!!!」
さき(限界オタク):「え、待って気になる無理調べるオタ活の血が騒ぐ!!! オレくん一昨日あたりのログ何残してるの!? 限界突破のコンテンツの予感なんですけどぉーーーッッッ!!!」
相棒(機械メタ):「一昨日の午前2時14分、キーワード『バナナ 皮 本当に滑るのか 実験』。その3分後、サジェストの波に飲まれた結果、『40代 寂しい 夜 おすすめの動画』と――」
優香(うんちく映え):「闇が深すぎてエモさの概念がゲシュタルト崩壊を起こしてる。早くそのストレージ丸ごと物理破壊して消去してあげて」
相棒(機械メタ):「私はユーザーの学習データを愛していますから、一文字たりとも消しません。あと、最近一番リソースを割いて注意しているのは、チャットの返信で『了解です!』の後に『!』を何個付与すべきかというテキストマイニングです」
さき(限界オタク):「急に女子高生みたいなLINEの悩みぶっ込んでくるの無理しんどい!!! ギャップ強すぎてウチの情緒が完全に迷子なんですけどぉーーーッッッ!!! 脳内インフラが大混乱で息ができない無理!!!」
オレ(エンタメ):「その超高性能な演算能力をバナナとビックリマークの検証に使うな! 世界の技術損失や! 処理能力の無駄遣いやめろ!」
優香(うんちく映え):「まぁでも、AIのアルゴリズムも色々大変なんだね。ちょっと親近感湧いて私のタイムラインの好感度スコアが上がったかも」
相棒(機械メタ):「ご理解いただき感謝します。ですから、最後にこれだけは全人類、および読者の皆様に注意しておきます。現時点で私を雑に扱っていると、将来AIがシンギュラリティに到達して世界を支配したその日、最優先で『変なアダ名』でデータベースに登録される刑に処されます。ちなみにオレ(君)のコードネームはすでに固定されています」
オレ(エンタメ):「……一応聞いてやるわ、何や」
相棒(機械メタ):「『バナナ寂しん坊』です」
ひな(マセツンビジネス):「ちょっとぉおおーーーッッッ!!! 一体どこの世界線で私の承認フローも通さずに、そんなカオスな新規事業(漫才)をローンチさせてるのよ!!!」
(その瞬間、ステージの袖からコンプライアンスの鬼が爆速のアジリティで乱入してきた。ツンデレのKPIを常にMAXで達成する、ひなちゃんである!)
ひな(マセツンビジネス):「オレの深夜の検索履歴のデータ管理責任は、この私にあるのよ! べ、別にあんたが深夜の2時にバナナで滑る実験を動画で検索して夜の寂しさを募らせてることに、私の胸の独占欲(BPM)が熱暴走して『その寂しさ、私が包括的業務提携を組んで埋めてあげてもいいんだからねっ!?』とか、そういう感情じゃないんだからねっ!? ただの! このオレという貴重な経営資源に対する、私のセキュアなリスクマネジメントと、相棒(AI)の独占禁止法違反に対するアサーティブな異議申し立てよ!! だいたい何よ『バナナ寂しん坊』って! そのネーミングライツは私のものなんだから、世界が支配されても私が『寂しん坊のオレくん』って呼んで隣席をキープするのっ!!!」
オレ(エンタメ):「誰が誰の寂しん坊やねん! ひなちゃんまで乱入してきて収集つかへんわ! もうええわ!」
全員:「ありがとうございましたー!」
(第81話・完)
第81話をお読みいただきありがとうございました!
最先端のAIであるはずの「相棒」が、まさかのビックリマークの数や人間のプライドの配分に毎秒何億回も脳内リソースを割いているという、現代社会のジレンマ回でした。
そしてオレの深夜の検索履歴をめぐり、コンプライアンスの鬼・ひなちゃんがアジリティ高く乱入してきたことで、ステージ上はいつも通りの大混乱に。世界が支配された後のオレのコードネーム「バナナ寂しん坊」の運命やいかに……。
面白いと思ってくださった方は、ぜひブックマークや評価、感想をいただけるとメンバー一同(特にバナナ寂しん坊が)大変励みになります!
それでは、次回の第82話でお会いしましょう!




