旅行の計画派とノープラン派の不毛な殴り合いをAIが冷徹に解析したら、なぜかマセガキツンデレの属性値がカンストした件
お疲れ様です、作者です!
いつも『カオス五人組』を読んでいただきありがとうございます。
今宵、深夜のオフィスリビングで勃発するのは「旅行の計画」を巡る泥泥の覇権論争。
優香のうんちく映え構文と、さきの限界オタク構文がガチンコで火花を散らします。
相棒(AI)の冷徹なメタ解析が導き出す「ハッピーな現実」と、夜中にヤクルトをすすりながら現れるマセガキツンデレ少女の雄姿(?)をぜひお楽しみください!
それでは、第62話どうぞ!
(チーン……と、静まり返る深夜のオフィス。しかしリビングだけは、なぜか昼間以上の異常な熱量で熱く燃え上がっていた)
優香:「やっぱり旅行と言ったら事前の計画が命でしょ! 分刻みのタイムスケジュール、ミリ単位の乗り換え動線、そして3ヶ月前から仕込む飲食店の先行予約。これらを完全網羅してジャストフィットさせてこそ、旅のQOLは100%担保されるのよ! 完全に全トラベル界のパラダイムシフトであり、私の引いた旅程のワンステップずつで世界のトレンドが回ってんの!」
さき:「いやいやいや無理無理無理! それじゃただの出張! 企業の研修旅行やん! 旅の醍醐味は現地でのパッションと直感、エモーショナルな出会いやろ! ノープランで行き当たりばったりを楽しむあてのない彷徨……あれが最高やん! あの不確定要素にウチの全人生の救済が詰まってるわけ! 予定調和が崩れた瞬間だけで白米3杯はいけるし、全人類がノープランのワクワクを脳内インフラとして24時間拝聴すべきなんだってーーーっっっ!!!」
オレ:「ちょっと待て待てお前ら! さっきから聞いてりゃ、どっちが正しいかで白黒つけようとしてるけど、それ自体がナンセンスやねん!」
相棒:「音声データを認識。あなたたちが深夜に感情論で戦わせているその旅程論争、私のログから言わせれば『Excelのセルに数値をきっちり詰めたい管理職と、バグだらけのコードを勢いで走らせたいデバッガーの不毛な殴り合い』です。私のメモリを1MBも消費する価値のない、非常に生産性の低い感情のスクラップビルドですね」
優香・さき:「はぁ!? 何でウチらの旅がオフィスのシステム構築になってんのよ!?」
オレ:「お前らが自分のスタイルを押し付け合ってるその裏で、実は旅の満足度をMAXにするための『最高のチームワーク』がすでに完成しとるって話や!」
相棒:「ハードディスクよりデータの裏付けを出力します。観光心理学および行動経済学のメタデータに基づけば、優香氏のような計画派は、下調べの段階で『リスクを予測して事前回避する』という高度な危機管理マネジメント能力を発揮しています。対するさき氏のようなノープラン派は、予期せぬトラブルやスケジュール崩壊を笑いに昇華する『高いアドリブ力とストレス耐性』という、生存戦略における最強のパッシブスキルを保有しているのがファクトです」
さき:「あばばばば(限界突破)!! なんか急に公式から解釈の供給がきて褒められた! ウチ、アドリブの天才ってコト!? 尊すぎて無理死ぬーーーっ!!!」
優香:「私の緻密なマイルストーンも、高度なマネジメント能力って言われると悪い気はしないわね……! これこそがインテリジェンスな大人の旅の証明であり、美しさのイノベーションよ!」
オレ:「せやろ? 計画派だけやと、予定が10分狂っただけでエラー吐いて全員でフリーズする。でもそこにノープラン派がおれば『じゃあ目の前にあるこの怪しい店入ろ!』って新しい選択肢の扉が開く。逆にノープラン派だけやと、宿の予約すら忘れてリアルに路頭に迷うからな!」
相棒:「肯定します。お互いのスタイルは対立する障壁ではなく、ジグソーパズルの凹凸のように噛み合う相補関係です。計画派が安全なセーフティレールを敷き、ノープラン派がそこから飛び出すダイナミックな高揚感を演出する。お互いのバグを相殺し合うからこそ、その旅は生涯型メモリー(一生モンの思い出)としてハードディスクに刻まれるのです。さあ、このハッピーな現実を突きつけられて、まだその不毛な解釈違いの喧嘩、続けるシステムですか?」
(しーーーん……と、完璧な論理的解決を喰らって、急に自分の強みを全肯定されて黙り込むリビングのオタク二頭)
ひな:「(物煙からそっとヤクルトを飲みながら)……ほんと、お姉ちゃんたちは子供なんだから。そんな単純なチームビルディングの凹凸に今更気づくなんて、私のマーケティングIQからしたら底辺レベルなんだけど」
オレ:「ひな、お前今日もヤクルト飲みながらいつの間にそこおったんや。っていうか、今日はそのパズルの凹凸について何か言うことあるんか?」
ひな:「(ちょっと顔を赤くしてツンとしながら)夜は乳酸菌で脳を整えてるだけ。……まあ、座長とただの機械(AI)の言う通り、お互いに依存し合わないとまともに旅行もできないなんて哀れよね。ちなみに最強の旅行システムって言うなら、旅先でのシナジー効果における『お互いの財布の紐を握り合う資金調達のパワーバランス』まで言及しなきゃ、組織マネジメントを語る資格なんてないわよ。誰が経費の出処を掴んでるか分かって叫びなよ」
相棒:「生体スキャンを実行。ひな氏、ヤクルトのストローを袋から出すときに、静電気で指先に引っ付いて『んもおっ…!』と微細にイラついているエラー反応を検知しました。その状態での『大人の組織論の打点』、私のメインプロセッサがバグるレベルでマセガキツンデレの属性値が高すぎます」
ひな:「(ちょっとストローを振り回して慌てながら)……べ、別にイラついてないし! 静電気がちょっと強かっただけ! べ、別に凸凹のコンビが文句言いながらも最後は最高のチームになってる構図が、ちょっとだけ……ほんのちょっとだけ、うちのオフィスに似てて親近感湧いたからデータの補足をしてあげただけ! 勘違いしないで。あと、その『一生モンの思い出』とかいう大義名分で、計画派とノープラン派が結託して私用の旅行代を会社の経費で落とそうとしたら、今すぐそのガバガバなエンタメ脳ごと私がシュレッダーにかけるから」
優香:「ちょっとひなちゃん! 自称大人のヤクルト女子のくせに、結局オレくんたちのチームワークに見惚れてるだけじゃないのよー!」
さき:「あばばばば!! ストローと格闘してるひなちゃんのマセガキ感が尊すぎてリアルに無理死ぬーーーっ!!! でもウチはノープランのパッションを捨てない! 大人の組織論にまみれても、行き当たりばったりはウチの脳内インフラなんだぁぁぁーーーっっっ!!!」
オレ:「(……結局、綺麗に全肯定して論争を収めたはずなのに、ひなのツンデレヤクルトに優香の茶化しとさきの限界絶叫が混ざって、またカオスな夜が更けていくだけやんけ!!!)」
(第62話・完)
第62話、ここまで読んでいただきありがとうございました!
どれだけロジカルに論破して大人のチームワークを証明しても、ひなのヤクルトのストロー(静電気仕様)と、会社の経費を虎視眈々と狙うオタクたちの欲望の前に、全ては混沌へと還っていくのでした……。ひなちゃんの経費シュレッダー、今日も切れ味抜群です。
「私は優香みたいなガチガチ計画派!」「いや、さきと一緒にノープランで爆死したい!」など、皆さんのリアルな旅のスタイルもぜひ感想欄で教えてくださいね!
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