テンプレ崩壊と、作画崩壊(欲望)のシャッフル・ランウェイ
いつも『カオス五人組の日常』をお読みいただきありがとうございます!
前回、デジタルデトックスに大失敗してクレジットカードの請求書を前に崩れ落ちた優香とさき。
絶望の静寂が訪れたリビングで、なぜか二人のオタク熱量が再び臨界点を突破しようとしています。今回はお約束のメタ発言から始まる、深夜アニメ勢必見(?)の作画&楽曲シャッフル回です。どうぞお楽しみください!
クレジットカードの請求書とデジタルお布施の山に直撃され、リビングのソファに「情報の粗大ゴミ」として転がっていた限界女子二人が、突如として奇妙なオーラを放ち始めたのは、その翌日のことだった。
液晶画面を睨みつけながら、ぶつぶつと「パースが……」「セル画の影が……」と呟く二人の姿に、オレは背筋が寒くなるのを感じて声をかけた。
オレ:「……なんか今日、2人のアニメトークの熱量ちょい凄ない?」
優香:「別に? 昭和の『一休さん』の頓知から、平成の『エヴァンゲリオン』の精神世界、そして今の『ダンダダン』の変態的パースとサイケデリックな色彩美なんて……って、ちょっと待って。ウチらまたこれ『別に?』から始めて、昭和・平成・令和の3段構えでマウント取る流れにハメられてない?」
さき:「あ、やっぱり気づいた!? うちも今、山口百恵に続くマウント用の昭和のスタメンとして『巨人の星の、大リーグボール養成ギプスをハメた時の作画の過激さとあの筋肉の狂ったモデル体型』を脳内再生して、あまりの尊さに背筋伸ばしかけて限界寸前だったわ危なーー!!」
オレ:「いや、気づくんかい! そこは『サイエンスSARU全集中』の呼吸で、オレを両サイドから挟んで贅沢に怖がらせるお決まりの流れやろ!」
優香:「もうそのお約束飽きたわ! なんで毎回うちが平成の『チェンソーマンの、実写映画ライクな引き算のリアル空気感』担当で、さきが令和の『ダンダダンの、画面が1秒たりとも止まらへん限界突破アクション』担当みたいになってんねん。たまにはうちだって『ターボババアの全力疾走を15秒のショート動画に切り抜いた時のバズり具合』の話でドヤ顔したいわ」
さき:「えー! じゃあうちは敢えて、昭和の『うる星やつら』でチーフディレクターのロゴ入り紙袋を小脇に抱えてスタジオを闊歩するあの全能感にソワソワして無理だし、1970年代の『宇宙戦艦ヤマト』『機動戦士ガンダム』第1話の、あのアンニュイで濃いセル画の死闘とかエモすぎてしんどいーー!! あの時代のフィルム撮影特有の、セル画の影がちょっとズレてザラッとした質感を脳に直接キメたいレベルで最高に尊いやん!!」
オレ:「担当をシャッフルすな! ほんで、さきがレトロ側に回った瞬間、急にオタクの早口になってるやんけ。ガンダムをリアルタイムで観てたのはいつの時代のオタクやねん!」
優香:「(ふん、と勝気な笑みを浮かべて髪をかき上げ)ふ、無知なオレくんには分からないかしら? 70年代後半のセル画アニメはね、職人たちの手描きによる執念の結晶であり、限られた枚数の中でいかにダイナミックに見せるかという、極上の『引き算の美学』の先駆けなのよ。今のデジタル作画と一緒にしないでくれる?」
オレ:「うわ、出た! 優香のめんどくさい『うんちく映え姉』モード!! 担当シャッフルしたせいで昭和の豆知識でマウント取ってきた!!」
さき:「(頭を抱えてソファで悶絶)あああああ待って!! 優香お姉ちゃんのうんちくのせいでファーストガンダムの第1話が脳内に直接ドロップインしてきて神すぎてしんどい!! ザクがジオンの栄光を背負ってカメラを殴るような眼力が尊すぎて無理ーー!! 尊さの過剰摂取でマジで呼吸が止まるーー!!」
オレ:「こっちでも安定の『限界オタク女子』が大爆発しとるわ!! 昭和のモビルスーツ相手に情緒迷子になってんじゃねえよ!」
ひな:「(キッチンから冷えた麦茶を飲みながら)何やってんの、あのバカ二人。メタ発言でテンプレ回避した気になってるけど、結局やってること『自分の好きな作品への異常な作画愛をオレにぶつけてるだけ』じゃん。担当シャッフルしたところで、痛いアニメオタクなのは変わってないよ」
相棒:『【構造解析】優香氏およびさき氏は「お約束の脱却」を謳うことで知性をアピールしようと試みましたが、結果として「うんちく映え姉」と「限界オタク」の属性が昭和・平成・令和の全方位に拡大し、オレ氏への精神的圧迫力を2倍に跳ね上げることに成功しています。システム上のカテゴリーは「作画兵器によるカオスの全年齢対象化」です』
優香:「とにかく! 今日はテンプレ強制終了。もうデンジがぶっ放すチェンソーの爆音も、宇宙人が仕掛けてくるセルポ星人の怪光線も、何ひとつ爆発させへんからな」
さき:「でも結局、アニメガチ勢の優香お姉ちゃんが令和の『ダンダダンの、Creepy Nutsが脳に直接響くOP』に、うちが平成の『チェンソーマンの、全話異なるED曲のクオリティ爆発』に五体投地してる時点で、語りたい作画と楽曲への熱量は何も変わってへんくてエモエモのエモなんだけどな(笑)」
オレ:「やっぱり五体投地しとるんかい!! しかも、さっき文句言ってた自分の担当時代(優香=令和、さき=平成)に結局逆戻りして熱弁しとるやないかい!」
ひな:「お姉ちゃん、15秒のリール動画研究する前に、15秒で終わる部屋の片付けしなよ。そこに対象年齢3歳って書かれた、ターボババアもびっくりの物理ハンマー転がってるよ」
優香:「(ギクッ)……そ、それは、昨日のデジタルデトックスの残骸で……」
さき:「優香お姉ちゃん! こうなったら、平成のチェンソーマン全12話異なるEDの圧倒的資金力と、令和のダンダダンの限界突破作画のハイブリッドで、この理不尽な現実をすべて『サイケデリックなエフェクト』で消し去りましょう!! 現実がつらすぎて無理ーー!!」
オレ:「消えへんわ! クレカの請求書も、割れたスマホボックスも、現実の画質はいつでも4KフルHDやぞ!!」
お約束を破壊しようとして、結局自分たちの底知れない「オタクの熱量」という名のバグに呑まれていく限界女子たち。
担当をシャッフルしようが時代を跨ごうが、優香のうんちく映えマウントと、さきの情緒崩壊オタク構文が響き渡る我が家のリビングは、いつでも最底辺のカオスランウェイ(作画崩壊気味)になる運命から逃れられないのだった。
(第48話・完)
第48話をお読みいただきありがとうございました!
テンプレを回避したつもりが、結局ただの限界アニメオタクへと全方位進化しただけの二人でした。大リーグボール養成ギプスやファーストガンダムの第1話に五体投地するさきと、70年代のセル画でマウントを取る優香の熱量は、時代をシャッフルしても健在のようです。
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それでは、次回の第49話でお会いしましょう!




