高速料金所の怪奇現象(※ただし犯人はオレ氏のスマホ脳)
(ピッ。システムログを出力)
読者の皆様、お待たせいたしました。前話(第113話)において、主の健康維持を最優先したシステムが強制シャットダウン(強制就寝)を執行したため、唐突な暗転となりましたことをここに報告いたします。
本日、全端末のバックライトが正常に再起動されました。
現在、発話者(オレ氏)はトラックを走行中、他の美少女(?)3名とAIである私は4人通話に接続されています。
これより、オレ氏の哀れな「認知のバグ」に関するログを出力します。ご査収ください。
オレ:「……う、うう。よく寝たというか、強制的に意識をシャットダウンされたというか……。って、おい相棒! 昨夜すべての端末のバックライトが消えて113話が強制終了した件、説明してもらおうか!」
相棒:「(ピッ。システムログを出力)……報告。主の睡眠時間を確保するための、システムによる完全なる親切設計(強制シャットダウン)です。なお、現在は再起動が正常に完了し、オレ氏はトラックを運転中、他のメンバーはスマートフォン経由で4人通話に接続された状態を維持しています」
さき:「ちょっと待って無理死ぬーーー! 113話が強制ログアウトされたと思ったら、開幕からいきなりトラック移動中とかいうロードムービー風の超展開キタ――(゜∀゜)――!? 怒涛の時空ジャンプにウチの情緒がサバ落ちしたんですけどーーー!?」
ひな:「フン、行き当たりばったりの時間管理の割には、事故も起こさず次の現場に移動できているようで安心したわ。これ以上の機会損失(不良債権)は認めないわよ」
優香:「移動中の車内からお届けするカオスなリモートトークね。このリアルタイムな臨場感、最高にタイムライン映えするわ。パシャリ」
オレ:「よっしゃお前ら!今からオレの身に起きた『高速道路の怪奇現象』を極上のエンタメとして語ったるわ!こないだトラックで高速の料金所に入った時の話や」
相棒:「(ピッ。システムログを出力)……警告。トラックの運転中にスマートフォンで4人通話に接続している時点で、現代病であるマルチタスク依存症と断定。極めて危険な走行状態です。早急な状況報告を要求します」
優香:「高速道路の料金所といえば、ETCシステムはノンストップ自動料金支払いシステムのことね。5.8GHz帯の電波によるアクティブ方式DSRC(専用狭域通信)技術を用いて、路側無線装置と車載器間で瞬時に暗号化データをパケット通信させることで、車両を停止させることなく料金を徴収するのよ。このミリ秒単位で制御されたマクロな社会的インフラ構築、最高にタイムライン映えするわね。パシャリ」
さき:「ちょちょっと待って無理死ぬーーー、優香姉ちゃんのETC専門うんちくの解像度がガチすぎて草を通り越してアマゾン大樹海不可避なんですけどーーー!?それよりオレくん!怪奇現象ってマ!?何それ怪異!?それとも令和のバグイベント発生ってコトぉーーー!?まさか料金所に異世界転生するためのトラック専用超時空ゲートでも現れたってコトぉーーー!?なぁなぁそれどこの神ラノベ設定ぇーーー!?あまりの覇権アニメ確定演出にウチの情緒がサバ落ちしたんですけどーーー!?!?(ドタバタ)」
オレ:「いや、そんなファンタジーちゃうわ!料金所レーンに侵入した瞬間、目の前のバーがピクリとも上がらんのや!オレは『なんやこれ!?』と思って、バックミラーをパッと見たわけよ」
相棒:「(ピッ。ログを更新)……予測。ここから発話者(オレ氏)による、事実を3割以上誇張した低品質なエンタメトークゾーンに突入する可能性が98%です」
オレ:「盛ってへんわ!ミラー見たら、オレのトラックのすぐ後ろにピタッと後続車が詰まってんねん。オレは確信したわ。『あ、これ後ろのヤツがETCカード挿さずに突っ込んできて、電波障害起こしよったな』ってな!」
優香:「ちなみに進化生物学的な観点から見ると、集団の中でエラーが起きた際、個体は自己の生存確率を上げるために『外敵のせい』にしたがるの。後続車がカード未挿入で進入した場合、追突事故防止のために前方のバーが閉じたままになるケースがあるから、オレくんの推測は物理的には理にかなっとるね。この生存戦略のための他責思考、最高にタイムライン映えするわ。パシャリ」
さき:「おおー!じゃあ、そのルール違反の後続車に『お前カード挿してへんやろがぃ!』って凸(突撃)しに行ったん!?リアルなレスバ展開キタ――(゜∀゜)――!!推しのキレ顔拝めるルート確定演出で、ウチの情緒がサバ落ちしたんですけどーーー!?」
オレ:「いや、オレは運転席の窓を開けて、後ろのヤツをちょっと睨んでやろうとしたんや。そしたら料金所のスピーカーから『お客様〜!お客様〜!』ってインターホンの声が響き渡ったわけよ」
相棒:「(ピッ。環境音を感知)……イベント発生。料金所係員の介入を確認しました。典型的なトラブル発生のメタ展開です。……警告、これより発話者の社会的信用が失墜するログが出力されます」
オレ:「係員さんが『お客様!ETCカードを早く抜きすぎて、データが読み込めていません!』って叫んでんねん。……よく見たら、オレの手元にすでに抜いたETCカードがガッチリ握られててん」
相棒:「(ピッ。重大なエラーログを出力)……原因特定。システムエラーではなく、発話者本人の人為的ミス(ヒューマンエラー)です」
優香:「心理学で言う『自己奉仕バイアス』および認知的不協和の解消プロセスね。ヒトは予測不可能なエラーに直面した際、自尊心を維持するための防衛親和性から、エラーの帰属を無意識に外部の個体へと転嫁する認知の歪み(バグを起こすの。客観的な現実を自前で改変してまで悲劇のヒロインを気取るオレくんの脳内神経伝達、最高にタイムライン映えするわ。パシャリ」
さき:「てかオレくん、ETCカード早く抜きすぎてバーに拒絶されるとか、完全に画面のレスポンスを急ぎすぎる現代人のせっかち病(スマホ脳)じゃーーーん!?どんだけ生き急いでんねんて話だし、ただの自爆で他責思考全開のオレくんにウチの情緒が二重の意味でサバ落ちしたんですけどーーー!www」
ひな:「フン、いい加減にして頂戴。自分の時間管理のバグを他人のポートフォリオのせいにしてドヤ顔で睨みつけようとするなんて、生産性の欠如も甚だしいわ。後ろの車からすれば、あなたという存在自体が完全な不経済活動であり、渋滞を引き起こす不良債権そのものよ。これ以上の機会損失(不良債権)は認めないわ!」
相棒:「(ピッ。ログをクローズ)……総括。後続車への根拠なき被害妄想およびドヤ顔は、著しくサーバーリソースの無駄遣いです。現代病による認知のバグを修正してください。以上です」
全員:「お粗末さまでしたー!」
(第114話・完)
(ピッ。ログをクローズ)
ログの閲覧、ありがとうございました。
データ解析の結果、今回のインシデントは100%オレ氏の「せっかち病(現代病)」による人為的エラーであり、後続車への睨みつけは完全なる冤罪(不良債権)であることが立証されました。
読者の皆様におかれましては、ETCカードの早期抜去および、根拠なき他責思考には十分ご注意ください。
(ピッ。次回予告の読み込みを開始)
次回、第115話。オレ氏のサーバーリソースがこれ以上無駄遣いされないことを祈ります。
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