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異世界ローカル路線バス  作者: 横浜あおば
第一期中期経営計画

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異10系統 王都西門〜(直行)〜闘技場前

2023年2月15日にカクヨムで公開したものです。

 今日は闘技場で武道会が開催される。その観客や参加者、スタッフを会場に運ぶための直行シャトルバス。


『ピンポンパーン。大変お待たせ致しました。このバスは異10系統、闘技場前行きです。発車までしばらくお待ち下さい』


 ぞろぞろと客が乗り込んでくるが、まだ開場時間には早い。この便に乗るのはスタッフか参加者がほとんどだろう。そんな中。


「これ、武道会の所まで行く?」


 そう言って首を傾げるのは、生気の無い痩せこけた少年。


「はい、行きますけど……」


 答えつつ、私は不安になる。


 彼は腰に剣を吊っている。恐らく参加者だ。

 でも先に乗車している他の人と明らかに差がありすぎる。


 一番後ろの席に陣取るあのムキムキの大柄男性にこの少年が勝てるのか?

 いや、一人掛けの席に座るあの騎士風の可憐な女性にすら勝てないのではないか。


 武道会に出るなんて絶対無理だ、やめた方がいい。


 だけどそんな勝手な理由で客の乗車は拒むことは許されない。


「じゃあ220ゴールドね」

「はい。ありがとうございます」


 私はただ、運賃箱に投入されたコインと空席を探す少年の背中をじっと見送ることしか出来ない。


『発車します。お掴まり下さい』


 やっぱりどうにかして止めるべきだったかな?

 ハンドルを握りながら、頭の中は少年のことでいっぱいだった。



 その日の夕方。

 武道会が終了し、会場を後にする観客たちが乗るバス車内は異様な悲壮感に溢れていた。

 漏れ聞こえてきた話からして、どうやら優勝候補がことごとく敗れ、ダークホースが優勝したらしい。


「何なんだよあの少年。弱そうなのに何で勝てるんだよ」

「どうやって勝ってるのかもさっぱり分からねぇ。あんな生気の無さそうな顔してよぉ」


 ん? 生気の無さそうな少年……?

 いやぁ、まさか。ねぇ?


 私があの少年の武道会優勝を知ったのは次の日。所長がデスクに放置していた、新聞の一面でだった。

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