第20話[何言ってんの?]
どれだけ走っただろうか。
二つの頂きを求め、今も尚走り続けている。
異世界に来る前に、合法ロリちゃんがよく言ってたっけ。
「努力は必ず報われるよ」
それを聞いて私は彼女を落とす為に、死ぬ程努力した。
途中で彼女の靴の匂いを嗅いだのがいけなかったのかな。
それともリコーダーを舐めた事?
いや、心辺りが多すぎて考えるのが面倒だ。
そんな事より今は努力は必ず報われるという事、これについてだ。
私は魔物を倒すべく死に物狂いで走り続けた。
きっと第三者から見たら努力している様に見えたに違いない。
そして今、私のこの努力は報われたんだ。
「うへへぇ、やっと捕まえた」
私は魔物兼村娘を押し倒して馬乗りになり、涎を垂らしながら、彼女の顔を見つめていた。
頑張って努力した甲斐があったね。
悪い魔物さんをコレから退治しないと。
「もう逃さないから」
「止めて、誰か助けて〜」
いくら暴れようとも叫ぼうとも無駄、人気の無い場所を選んだのはこの魔物だ。
誰も助け何て来る筈が無い。
私は魔物の二つの頂きを堪能しようと乳に手を伸ばした。
その時だった……。
「何やってんの?」
日菜ちゃんが現れた。
「日菜ちゃん、これは違うの」
「コイツは魔物だから」
「私を惑わした魔性の女なんだから」
「いや、何言ってんの?」
この隙に村娘は私から逃げ出した。
日菜ちゃんの手前、私も彼女を追いかける事ができない。
獲物を逃し落胆する私に日菜ちゃんが話しかけてきた。
「そんな事より大変なの、私人を殺したかも知れない」
えっ?
日菜ちゃんが人殺し?
「日菜ちゃんこそ、何言ってんの?」
第20話 完




