私はあなたに
たいっっっっっっっっへん長らくお待たせしました!!!!!
言い訳は後にして、最終話です。
「アーネスト様のドレス本当に素敵ですわ」
「その髪飾りはどこで?」
「肌も極め細やかで・・・どのようにお手入れしてますの?」
・・・・
えとせとら えとせとら・・・
なんでしょうか、この状況。
いえ、わかっているんですけど、正直疲れて現実逃避したいだけなんです。
あの卒業パーティーから一ヶ月。あの時のことは時折噂話では聞くけど、だいぶ治まってきた。
人の噂もなんとやらと言いますからね。
リーディアは結局、学園を退学のうえ、領地での療養扱いとなった。
あれだけのことをして随分甘いと言われるかもしれないが、言ってしまえば社交界からの追放。この先リーディアに貴族からの結婚の申し込みはないだろうし、王都に出てくることもない。
一応、王族が許可した場合のみ出てこられるらしいけど、レオンハルト様がそれを許可するわけもなく、陛下も余程のことがなければ呼ばないだろうから、事実可能性はゼロに等しい。
つまり、田舎で生涯一人で過ごすことになる。貴族でなければ結婚も可能かもしれないけれど、あの様子じゃ平民と結婚なんて絶対ないだろうし・・・。
こうしてヒロインはゲームの舞台から去った。どちらにしろあのパーティーでゲームとしての期間は終わるから、舞台から去るっていう表現は違うかもしれないけれど。
私としては目の前の危機が去ってくれたわけで万々歳です!!
・・・・だけど
目の前ではお茶会という名の笑顔の戦いが繰り広げられている。
それはもう皆様、素敵な笑顔なのですが・・・素敵すぎて逆に怖い。
これまでもお茶会に参加はしていたけれど、それなりに親しいというか私にとって友好的な所が多かった。
でも今この場には私にとって友好的とは言いづらい相手が多い。
正直笑顔で対応するのも疲れてきて、頬がひきつってないかと心配になる。早く終わってほしいと願いつつも、こういう時ほど時間が経つのが遅く感じるもので・・・。
けれど、これが私の選んだ道。
レオンハルト様の隣に立つ為にこれだって必要なこと。
これから外交などで、これ以上の相手と向き合わなければならないのだ。こんなことでへこたれてなどいられない。
それに
「あぁ来たのか、アーネスト」
「・・・レオンハルト様」
笑顔で迎えてくれるレオンハルト様。それに私も肩の力を抜いて微笑み返す。
最近はお茶会にだけではなく、レオンハルト様が学園を卒業された為、私も婚約者として各パーティーに付き添ったり、それに伴う知識を得たりと今まで以上に忙しい。
それでも頑張れるのはやっぱりレオンハルト様が隣に居てくれるから。隣で私に微笑んでくれるから。励ましの言葉や労りの言葉を、そして愛情を言葉にして伝えてくれるから。
レオンハルト様だって暇なわけじゃない。むしろ私なんかより忙しいし、責任だってあるはず。それでも私に対しても時間を作ってくれる。最近は平民に紛れて町でデートをするのが私たちの密かな楽しみになっている。その中でも暮らし振りはどうかとか色々見て私にも意見を求めてくれる。そんなところにも惹かれてしまう。
これ以上好きにさせないでほしい・・・。
正直今だっていっぱいいっぱいなのに。
「どうした?」
「・・・いえ、なんでもありません」
「そうか」
うぅ、その微笑み反則です。
なんなの・・・あなたそんなキャラでしたっけ?
う~でも、好きなんだよね。
はぁ、本当に私これから大丈夫かしら。
それからもう一つ問題が発生してたりする。
その人たちは人目を避けて私に接触してくる。時には手紙で時には人伝に、時にはパーティーなどで直接ということもある。
初めはびっくりしたけれど、それももう慣れてきた。
パーティーで一人になった時に、いきなり人影のないところに連れていかれても驚かなくなった。いや、これはこれで慣れちゃいけないんだろうけど。
それでも私に敵意がないのは感じ取れるから、とりあえずは大丈夫だと思う。それに見えないけど護衛もちゃんと付いてきているらしいから、そこも安心材料なのかなと思ってる。
レオンハルト様も最初に私の姿が見えなくなった時は内心慌てていたらしいけど、後で事情を説明すれば納得してくれた。
その内容というのが
「あ、あの実は最近、お腹回りが・・・」
「そうね、お腹回りはすぐに脂肪が付くから」
恥ずかしそうに言う令嬢に対して、私は慣れたもの。私の経験談を元にアドバイスをする。
そう、最近のもう一つの問題とはダイエットの相談のこと。
以前、仲の良い令嬢に相談されたときにアドバイスをしてから、私に相談すれば必ず痩せられるという噂が流れているらしい。
さすがに絶対とは言いきれないので、最後に後は自分の心掛け次第であることや体質もあるから、自分にあったものを行うようになどの話はしている。
他人事には思えないし、何より勇気を持って私に相談してきている様子を見ると思わず応援したくなるのだ。
私は目の前に立つレオンハルト様の顔をじっと見つめる。
「本当にどうしたんだ?」
レオンハルト様は少し困った様子で微笑まれる。
その表情からは自意識過剰でもなんでもなく、私が愛しいという感情が伝わってくる。
あぁ、だから私はどんなことがあっても、あなたの隣にいたいのです。
「・・・レオンハルト様」
「なんだ?」
「私は」
『私はあなたに相応しくなれましたか?』
本当にお待たせしました(._.)
待っていてくれた方、本当にすみませんorz
そして待っていてくれて、ありがとうございます゜゜(´O`)°゜
最後のまとめが相変わらず苦手です。
書きたいものを書いたあと力尽きてしまうのも、なんとかしないといけないと、わかってはいるのですが…。
それでも待っていてくれた方がいてくれたお陰で意欲も高まり、最後までなんとか書き上げることが出来ました。
ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました(^_^)




