玉ねぎと竜涙華と
ガラス張りの温室に、キラキラと、陽が差しこんでいる。
様々な植物に綺麗な水路。そこをかわいいくまゴーレム達が一生懸命作業し、ちょこまかと動いている。
このような空間を歩いていると、光が満ちているサンクチュアリにいるようであった。
俗世から切り離されているような感覚を受ける。そこに、美しい2人が並んでいると益々俗世とは別
の場所にいるように感じるのであった。
ネイクは時折、リルネットを見つめ優しく微笑む。するとリルネットも微笑むのであった。
────どこからともなく騒々しい声が聞こえてきた。
「いや~ん。やだ~アハハ。違うわよー。
貴方達~。
こ・れ・は・たまはたまでも、たま玉ねぎなのよ~。ウフフッたまたまよん。
ねっ~こんな卑猥な名前なのに、お肌にも良い、とっっても優れたお野菜なのよね~」
所々聞こえてくる声ですぐに誰だかわかるのであった。
そう…デスモンド家の30番目の子……ジーザス。
ジーザスが、くまゴーレム達と話していたのだった。
ネイクはやれやれという風に首を横にふる。
ジーザスという人間は、失礼で下品この上ない者なのに、ネイクはジーザスを注意する事なくジーザスの好きなようにさせていた……
他の者であったら、恐らくネイクの逆鱗にふれ2度とこの世で、その姿を見ることがないような事になるであろう。
ネイクはジーザスを可愛がっているように思えた。
……人間として扱っているというより、動物……ペットとして可愛がっているような、
(赤獅子のペット?)そんな感じであった。
ルイジアに対してそのような対応をするネイクをリルネットはチラリと見た。
ジーザスが両手にたくさんの玉ねぎを持ち、片手をブンブンふり、スキップしながら、こちらにやって来た。
「あら~あらあら皆様お揃いで~。朝振りねっ。」
バチンとウィンクをネイクに向けてする。
ネイクはすかさずパッパッと手で振り払う。
「フフッお玉のねぎおさんを、掘り起こしてたのよ。」
「主様達は温室を散歩中なのよね~?お二人とも仲睦まじいわねっ。」
ネイクは、再びジーザスをしっしっと追い払う素振りをする。
それでも、お構い無しにジーザスはズイズイッと近寄ってくる。
「この温室は、素晴らしいわぁ~本当にね!!
美しいくまゴーレムと珍しい植物がすくすくと育ってる。」
ジーザスは、遠くを見ながらしみじみと言った。「主様の命令で、世界中のとんでもないところに行かされたわね……。
植物の種やら苗やらを取りに行かされたのよねっ。本っっ当ーーに大変だったわ。
フフフッさすがの私もドラゴンの近くにしか生息してない竜涙華を取りに行け!といわれた時は……もう………本当に逃げ出したくなっちゃったわよ。」
「まぁっいいわっ。こ~んなに素敵な温室になったのだからね。」
またもや、ネイクに向けてウィンクする。
すると、いつの間にかジーザスの目の前にリルネットがいた。
「ジーザス、ありがとう。」
リルネットは美しく微笑みお礼を言った。
「まぁっ!まぁっまぁ~なんて可愛らしく素直なお方なのかしら。
フフッ良くってよ♡世界広しと言えども、私位の手練れでないとね。あんな恐ろしいところには、行けやしないわぁ~~オーホホホホ~」
ジーザスは上半身を反らしながら、高らかに笑った。
ジーザスの燃えるような赤い髪と瞳が美しかった為、中身が余計に残念にみえた。
「(何なんだ!!あの下品な片眼鏡やろうは!
あっっ、私の愚弟か……ゾッッ。)」ルイジアは我が弟ではあるが、ひと思いに消してしまおうかと思った。
あんな変人をお嬢様にこれ以上見せてはいけないのではないか!
今すぐに消し去ってやりたいが……。
リルネットがニコニコしながら、ジーザスの話を聞いていたので堪えたのであった。
「それにしてもね~あの竜涙華って何なのかしらね~?そりゃぁ~とても美しいのだけれど…
別にこれといってね~どこの文献にも何も載ってないし~大した効能もなさそうだしね~!」
ニコニコと笑顔でジーザスの話を聞いていたリルネットが更にズイズイッとジーザスに近づいた。
「ジーザス……何も記載されてないから何も効能がないということではないのですよ。
何故なら竜涙華を手にすること事態ごく稀で、それが専門家の手に渡り調べていたとは考えにくいのです。
……ましてや、栽培するなんてことは聞いたことがありません。
そんな竜涙華が、この温室にあるというのですね。」
今までただニコニコとしていたリルネットがにこやかではあるが急に少し早口で沢山話し出した。そんなリルネットにジーザスは少したじろいた。
「あら、、、、、あらあら。ええ。ええ、この温室で栽培しているわ。」
「では。案内して下さい。是非!」
──────
「(僕の…僕のリルがとても楽しそうだ!!)」
「(お嬢様が生き生きとしてらっしゃる!!)」
──────
ジーザスに迫るリルネットを見て、ほんわかとした気持ちになるのであった。
ネイクがリルネットを後ろから、そっと抱き寄せる。
リルネットの耳に吐息がかかる。
「それでは我が愛しの婚約者殿。竜涙華までご案内致しましょう。」
甘美な声で囁くのであった。
──次話に熱く続く
変態一口メモ
ネイクは、リルネットに近づく度に、リルネットの匂いを嗅いでいるのだ。
最後までお読みいただき誠に感謝致します。
☆アクション☆評価☆ブックマーク☆変態に関する感想等
上記頂きますと、非常に喜びます。
宜しくお願い致します!




