温室で…光り輝く君と…
噴水から温室前に到着した。
温室はガラス張りのキラキラとした素敵な建物だが、意外にも、こんじんまりとしていた。
しかし、温室内に入ると、外観とは違い、とても広々としていた。
外観と室内の大きさがあまりにも違っていたのだ。
温室の中が一つの町みたいにとても壮大な大きさであった為、ルイジアは内心目玉が飛び出る位、驚いていたが、専属侍女としておとなしくしていた。
──どうせ、主様の魔法が施してあるのだろう。
温室の上の方の広々とした空間から、視線を下へと移す。
すると、流石のルイジアも「はうぅん!」と変な声を思わず出してしまうのであった。
温室内には、可愛いもの好きのルイジアには堪らないくまゴーレムがいた。
それもわんさかいたのだ。
ルイジアは感極まって………少し震えていた。
なんなら少し涙で目が潤んでいた。
─裏社会を牛耳るデスモンド家の十番目の子、ルイジア。──
裏社会の事は何から何まで知り尽くしている。
そして冷酷な主に長い間、遣えてきたのだ。
それ故精神のバランスがいつの間にか崩れていたのだろうか。
それを補うかのように可愛いものを貪欲に欲したのだ。
可愛いものに対して異常なほどに執着してしまっているのである。
くまゴーレム達がうんしょ、うんしょと、植物に水を与えたり肥料を与えたりして一生懸命動いているのだ。
その愛らしい姿といったら…。
通常のゴーレムとはかけはなれていた。
大きさも、質感も石とは全然違う。
プニプニのもちもちなのだ!
思いっきり抱きついて、可愛さを貪りたかった。
しかし、朝は不覚にもくまゴーレム達と戯れてしまったので…堪えた。
職務中である事と、あのくまゴーレムは、ネイクの魔力をたっぷりと含んで作られたものなのだ。
外見はいくら可愛くても……だ。
あの冷酷なネイクから生まれた物達なのだ!!
だから、なんか嫌だった。
そんなルイジアを見ていたリルネットが、ネイクにそっと尋ねる。
「ネイク様、あの石を頂いても宜しいでしょうか?」
「フフッ勿論だよリルネット。この温室にあるものはリルネットの好きにして良いのだよ。そう、そして……勿論僕の事もね。」
リルネットに顔を近づけて囁く。そしてすかさずリルネットの可愛らしい耳をそっと指でなぞるように触ったかと思うと、軽く吸い上げるようにキスをした。
リルネットは少しピクリと反応したが、先程、指差した石の方に歩いていった。
──石をそっと重ねる。そして指先に魔力をこめて魔方陣を描く。
そう朝に出会ったゴーレムの魔方陣を……
リルネットの指先から輝く金色の糸のようなものが出てきて、複雑な魔方陣が描かれていく。
ネイクはリルネットの後ろでニコニコとしている。
リルネットは頭の中で反芻する。
ネイクのくまゴーレムの構造は……、質感は………
これらに更にリルネットの思うように、付け加えていく。
──ホファ・エメト・ゴーレム──
呪文を唱えるとリルネットの前髪がフワリと浮いた。
先程の石が煙の渦に包まれて宙に浮く。
今まで何度もリルネットの魔法を見てきたルイジアであったが毎回リルネットの魔法は神々しかった。
まるで女神が祝杯を授けているようなのだ…。
ルイジアはいつものように感動し、うっとりとしているのであった。
──やがて煙の渦の中から何かが出てきた。
中から出てきたのは、ネイクのくまゴーレムに似たゴーレムだった。
ライラック色のむっちりとしたなんとも可愛らしく愛らしい、くまゴーレムだった。
リルネットは両手でそれを優しく受け止める。
くるりと、ルイジアの方に向き、「ルイジア、どうぞ。」ルイジアに両手でそっと渡す。
……ルイジアは混乱していた。
嬉しさと感動が入り乱れていたのだ。
うやうやしく、両手でくまゴーレムを受け取り、それを両手で掲げ、自らはひれ伏した。
くまゴーレムはフニフニと柔らかかった。
ネイクはすかさず
「お前ごときが、リルネットの美しい創造物を受け取るなんて、なんておこがましい…」
ネイクから冷ややかな声で言われたが、いくら主でもこればかりは譲れない。
お嬢様から直々に承ったのだから…。
ルイジアは涙を流しながら
「お嬢様。ありがとうございます、ありがとうございます。」と言うのであった。
リルネットは、頷きにこりと微笑む。
ルイジアの手の中にあったくまゴーレムが、もぞもぞと動き、手を伝っていつの間にかルイジアのメイド服のポケットに収まった。大きさが変わったようだ…
それを、見ていたネイクがリルネットを後ろからそっと抱き寄せる。リルネットの綺麗でたおやかな黒髪がネイクの頬に当たる。
「大きさが、自由自在なのだね。、フフッ素晴らしい。」
「(お嬢様。ありがとうございます、ありがとうございます、ありがとうございます!!)」
「(僕のリルネットは勉強熱心だからね。僕のゴーレムを見てただの勉強として作ったのであろうね。)」
ルイジアのポケットからリルネットの瞳の色そっくりのくまゴーレムがじっとネイクを見つめる。
「(なんとも可愛らしく愛らしいきゴーレムなのだろうか。)」
「(フフフッルネちゃん。ママのポケットの中でねんねしましょうね。)」
優しい声でくまゴーレムに囁くと、くまゴーレムはルイジアのポケットの中に潜っていった。
ルイジアは勝ち誇ったような眼差しでネイクをみた。
ネイクは、さっとリルネットの後ろによろめきながら隠れる。
あれはあれだよ。そうそう…ハハハッッあの可愛らしくも愛しいリルネットの瞳の色のようなゴーレムは……。
僕のゴーレムから、リルネットが発展させた魔方陣を描きゴーレムを産み出した。
リルネットのゴーレムは、僕のゴーレムの魔方陣とを融合させて産み出されたのだ。リルネットは素晴らしい。そして美しい!
ん?……僕のゴーレムの魔方陣を融合させて産み出したゴーレム……ハッそれは、もはや2人の融合した結晶物。
…すなわち…
2人の子供?子供ではないか!
ブツブツと言っていたのだが合点のいく考えが閃いた為、フッと頭を上げる。
するといつの間にか、リルネットはネイクの方を向いていた為、ネイクの顔は丁度リルネットの柔らかな胸の谷間にあった。
リルネットはポンポンと軽くネイクの頭を撫で、ネイクの綺麗な銀色の髪の毛をそっと耳にかけた。
……と、同時にリルネットの唇がネイクの耳たぶに触れ、その後軽く甘噛みをしたのであった。
──熱く続く──
──変態一口メモ──
耳は、性感帯である、
・迷走神経・大耳介神経・アポクリン腺
上記が要因とされているとの事である。
最後までお読み頂き誠にありがとうございます。
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