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某年1月2日。晴。  作者: あみれん


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14/25

その14

Sと私は、バンド活動再開に向けて、演奏する曲選びの話をしていました。

Sはベースとボーカル、私はギターです。


私は、"ビートルズの Drive My Car が演りたい" と言います。

Sは、"アレのリフ、ベースとギターのユニゾンだよね、弾きながら歌うのは難しいんじゃないの?" と言います。

Kは、レンゲにチャーハンの最後の一盛を乗せています。


私は、"完コピじゃなくて、適当に演りやすいようにアレンジしたら?" と言います。

Sは、"うーん、そうねぇ…" と考えています。

Kはチャーハンを平らげ、生ビールで喉を潤しています。


Sが言います。

"とりあえず演りながら考えよっか。カッコいいもんね、あの曲、バリバリR&Bっぽくて"

私が言います。

"ポールのボーカルがハードロックしていて、カッコいんだよなぁ、歌える?"

Kはチャーハンの器をわきに寄せ、スパゲッティ・カルボナーラの皿を目の前に引き寄せます。


"ギリギリ歌えると思う。Hこそ歌えんの? ジョンのパート"

"…ギリギリ歌えると思う。あの Beep-beep,Beep-beep, yeah のところはKも入れて三声でハモリたいね"


私がKをチラ見すると、Kは勝利した力士のように手刀を切って「ちょい、失礼!」と言って席を立ちました。

Sと私は、Kの後ろ姿を目で追います。

Kは、「TOILET」と書かれたドアを開けて、中に入って行きます。

Sは、Kの姿が見えなくなったのを確認すると、グイっと半身を乗り出し私に顔を近づけます。


「あのさ、アイツしばらく連絡取れなかったでしょ?」


Sは少し声を潜めました。


「...あぁ、うん……」

「アイツ、ヤバい事務所に軟禁されてたんだよ」

「…………はぁぁいっ!?」


この予想外の展開の上の更なる急展開に、私は表情を制御する余裕を失っていました。

Sは私のその表情の変化を見て、ニヤッと笑っているようでした。

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