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251.リロトの過去③

「そしてガニスに教徒奉仕者として様子を探ってもらうことにしました」


 ガニスが教徒奉仕者になったのはリロトの差し金だったようだ。ベンティ司祭に近づく魔族や闇のオーラを纏った人物はいないかを確認してもらうためだったらしい。結果的にクレマンスの影から見た場合に6回目でも7回目でも同じ行動を取った人に映ったということのようだ。


「ガニスからアリソタ様もベンティさんと同じオーラが見えると聞いた時に、共通点は首都マチュヤから黒い像を持ち帰り、ファボニウス派の教会を建てたことというのはすぐに分かりました。5回目の時点で黒い像には何かあると分かってはいましたので、おそらくベンティさんはこの黒い像によって何か魔術のようなものをかけられているのだろうと考えました」


「あらあら、それで6回目のリロトさんはどういう行動を取ったのかしら?」


「どうにかしてベンティさんを救いたいと思って魔物除けを使ってみましたが全く効果はなく、むしろベンティさんから警戒されるようになってしまって。ガニスに協力してもらって夜中に教会に忍び込んで黒い像の破壊を試みましたが何をしても傷1つ付けられずで、どうしたらいいものかと悩んでいた矢先にクアソルエの教会が落雷に遭ったという話が伝わって来て、1年後に教会が建て直されたという話が届いて、しかしその教会がファボニウス派ではなくなったという話でベンティさんがとても怒っていて」


「おやおや、つまりリロトさんの6回目の時点でもあなたは黒い像を壊していたのね」


 クレマンスが影に訊くと、影は頷いた。

 その反応を受けてリロトとガニスは目を丸くしている。

 リロトが納得したように影を見てから話を続けた。


「オレはガニスを連れてクアソルエの教会に確認しに行きました。ベンティさんから聞いた通り、クアソルエの教会はファボニウス派ではなくなっていて、ガニスに確認してもらったところ牧師は闇のオーラを纏っておらず本来の木属性のオーラしか見えない。また、その他に闇のオーラを纏う人物も見当たりませんでした。そして黒い像もそこにありませんでした。黒い像はどうしたのかと伺うと、落雷で粉々に割れてしまったそうで処分したということでした。オレはそれを聞いて、黒い像が牧師の人格を変えてしまっているのだと確信しました。破壊さえすればベンティさんを救えるはずだと」


「あらあら、その答えには辿り着いたのね」


「はい。そしてきっと黒い像は雷に弱いのだと考えました。ですから、雷属性の魔法で黒い像を破壊できないものかと思ったのですが、雷属性の魔法を使える人は少なく、ようやく見つけ出した雷属性の方の魔法でも黒い像は破壊できずで」


「あれは魔王国の特殊な魔鉱石で作られているから、我々五大魔法使いでも破壊は難しい」


 ファビアンの反応を受けて、リロトは「そうなんですね」と驚いた顔をした。そこまでの素材とは考えていなかったようだ。そして話を続けた。


「とにかく手段がなくて、しまいにはクアソルエの教会のようにルノソクの教会にも雷が落ちてくれないかと思い始めていた矢先に、ガニスからアリソタ様とベンティさんが闇のオーラに包まれた小さな箱を教会の祭壇の下に埋めていたと聞きました」


 話を聞いていた私たちは顔を見合わせて、その後テーブルの上の仕置き箱を見た。

 私たちの視線に釣られてリロトとガニスも仕置き箱を見た。

 そしてリロトは驚いたように言った。


「そうです、これです!」


「おやおや、これは魔王国の仕置き箱でね、この中にこの子が閉じ込められてたのよ」


 リロトは驚いて「そうなんですか?」と聞き返す。


「ええ、今回の世界ではヘルギムの教会にあったけれど6回目の世界ではルノソクの教会にあったのね」


 リロトは「はい」と頷いてから、影を見た。

 クレマンスは影に訊いた。


「だからあなたは次の世界でルノソクに教会が立てられる前にベンティ司祭の黒い像を破壊したということね」


 影は頷いた。


「おやおや、そういうことね。その話はあとで詳しく聞きましょう。まずは6回目の続きを話して」


 クレマンスはリロトに言った。


「はい。闇のオーラに包まれているのであればこの小箱もどうにかした方が良いと思ったのですが、魔物除けで包んでも、魔物除けが消滅してしまうだけで何の効果もなく。しかし、ベンティさんに見つからないよう魔道具屋にひっそりと持ち帰ってみたのですが、ベンティさんに変わった様子もなく、オレに盗まれたことに気付いてもいないようだと聞いて、この箱は急いで壊さなくてもよいのだろうと思い、より強い魔物除けを作るために手元に残すことにしました。この箱でも消滅しない魔物除けができれば、きっと魔王軍が攻めてきても多少は役に立つと思ったのです」

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