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魔王さま、立ち位置変わりました。
課長と相談した結果、適正がわからなかったので
職業訓練をしようという結果になった。
受付の椅子にドカッと座る魔王さま。
「八尾よ。我はどこで働ける」
働くことが始めての魔王さま。
内心はわくわくしているのだろう。
目を輝かせ聞く。
「あの…まずはーー」
説明しようとした時、沙也加ちゃんの受付で暴れるお客様。
「だーかーら、少し抜けてただけだろ。それなのに、まだ待てって何時間待たせるんだよ」
沙也加ちゃんは、涙目になりながら決まりでして…と小さくなる。恐らく、書類に不備があったのだろう。
鈴木課長も席を立った。
「おい。貴様順番は、そこの番号札を取るのだ。」
魔王さまが、男の後ろで伝える。
「誰だ、てめ…ぇ」
真っ黒なマントに赤い目に大きな羽。
身長も190cmあるだろう。
そんな男が、後ろに立たれれば流石に驚く。
男は、黙ったままだ。
「やり方がわからないなら、教えてやろう。」
魔王さまが、手を伸ばす。
ひぃと声をあげ、男は受付の書類をひったくり逃げ出した。
「魔王さま、職業決まりました。」
「ほんとか」
課長の顔を不安そうだが、なにも言わない。
任せてくれるのだろう。
「魔王さま、警備員です。」
「我が守るのか……」




