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魔王さま、無職でした。
お待たせしました。とエルの声が聞こえる。
わたしは、お礼を言いその場から立ち去ろうとした。
「八尾。どこにいく」
「帰ります。」
「家賃の話聞かないのか」
寂しそうな魔王さまを見て、エルも呆れる。
「八尾さんは、総合受付課なので忙しいのですよ」
「しかし、侵略担当だぞ。魔王城の経営も知っておかないとだな…」
侵略担当?とエルは、八尾の顔を見てため息が落ちる。
「人間の受付も大変ですね。」
エルは、魔法で椅子を引き座るように促す。
そうして、エルの話は続く。
「魔王さま、家賃75000円共益費5000円です。」
魔王さまは、家賃の金額に一言。
「ぼったくってないか」
「「働いてください。」」
八尾とエルの声が揃う。
「我は魔王だぞ」
「無職です」
「無職です」
「…………」
魔王さまは、静かに目を逸らした。
「とりあえず、討伐される前に働け」
ーー説明は、まだまだ続きそうだ。




