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魔王さま、住めばどこでも魔王城です。
項垂れている魔王さまに、掃除のおばちゃんが声をかける。
「魔王さま、やっと戻ってきたんすか」
「アシュベル…」
「佐藤な。それうちの住んでるマンションですわ」
ぱぁと明るくなる魔王さま。
「お前もおるのか。では、我の側近としてー」
「わたし、7階なんで」
「………」
沈黙が続く
「なん…で」
我より上なのか。聞きたいのだろうが言葉が詰まる。
「魔王さま、魔界課で希望言ってないんですか。」
「希望?それは、みんな我の考えなどわかるだろう」
わからんわ。と佐藤がツッコミを入れる。
「もう一度希望伝えたらどうです」
佐藤が魔王さまに、提案する。
「うむ…」
魔王さまが受付を見渡す。八尾はどこかに行ってしまったが、鈴木の姿が見えたので声をかけることにした。
「鈴木。こっちの住所だが…」
「魔王さま。こちらに住所ができて良かったですね。わたしも、魔界課まで行ったかいがありました。」
課長はニコニコで話す姿を見ると、変えたいとは言えない。
「魔王が住めば、魔王城か…」
「指定日にゴミは出すんやで」




