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第31話 戦の報酬

11/11 誤字訂正しました。

 翌日は、リナの言ったとおり、朝から忙しく働かされていた。


 まずは公爵との謁見。先日の会戦についての報告だ。


 その前に、「服装が勇者らしくない」「公爵との謁見には不適切だ」と言う理由で、貴族の正装に着替えさせられそうになったのだが、頑として断った。だって、貴族が着ている服はちっともかっこよくないんだもん。


 とはいえ、転移したときに着ていた黒の革ジャンとジーンズは、魔物と戦ったせいで匂いと汚れがすごいことになっている。ジーンズはともかく革ジャンは洗えないしで、今は異世界(こっち)の普段着っぽい服をもらってそれを着て過ごしている。


 まぁ、ずっと部屋にいたもんね。服装なんて気にする必要も無かったわけだけど、改めて謁見となるとそういうわけにもいかないらしい。貴族は体裁にこだわるのね。


 あれ? そういえば俺の着てきた服はどこに行ったんだ?


 俺は、部屋付きのメイドに聞いてみた。あの会戦以来、部屋付きのメイドさんを用意してくれている。

 すると、メイドさん曰く

「カトリーナ様がクリーニングに出すようにご指示なさっています。」


「へ? クリーニング? そんなものもあるの?」


 異世界(こっち)にはクリーニング屋さんは存在しないけど、なんと生活魔法でクリーニングできるんだって。正しくはクリーンって生活魔法みだいだけど。俺が寝込んでる間にリナが俺の服をクリーニングするよう指示してくれてたらしい。ありがとうリナ♡


 結局、今着ているシャツの上から、クリーニングからあがってきた革ジャンを着て、その上にそれらしいマントを羽織ることで事なきを得た。

 それにしても、生活魔法恐るべし。俺も覚えたいな。


 そうして、用意した服で臨んだ公爵との謁見は、拍子抜けするほどに型通りのものだった。

 それにしても、俺を讃えてるのか公爵の自尊心を満たしているのかよく分からない状況だったな。


「勇者よ ご苦労であった。なかなかの活躍だったそうだな。どうだ? おまえを戦に出した儂の判断は素晴らしものであろう。おまえもそれなりに戦えたようだが、その場を与えた儂には感謝をすることだな。」


 どうやら公爵は、勇者を戦場に行くよう指示したのは自分だ。だから、一番の功労者は自分なのだ。と言いたかったらしい。

 俺はやっぱりあの公爵は好きになれないな。


 それでも良いことはあった。報奨金を貰えたのだ。

 金貨1枚。え? 金貨1枚だけ? って思ったんだが聞くところによると、金額にして50万アウルムだそうだ。俺の単位換算スキルによると1アウルム≒1円なので50万円ってことだ。これが多いのか少ないのかはよく分からない。異世界(こっち)の物価にもよるが、おそらくそれなりの報酬なのだろう。1回の()()にしては、良い稼ぎができたと思っておこう。それにしても、この金貨1枚が50万っていうのもなんだか恐ろしいな。落とさないようにしないとな……。


 そのあと、アガルテの有力貴族とか大商人とかとの面会が目白押しだった。

 みんな一様に、(勇者)をおだててはいるものの、勇者に取り入って自分の役に立てようとする魂胆が見え見えだった。まぁ、わかりやすくていいっちゃぁいいんだが、あんまし気持ちが良いものでもなかったな。

 俺はかなり適当に話を合わしてたので、何を話したのかその内容は全く覚えていない。


 そんな(せわ)しない仕事の締めは、ジェームズをはじめ要塞城の幹部たちとの懇親とミーティングを兼ねた昼食会だった。


 そこでは先日の会戦の戦況報告がおこなわれた。

 結局敵方は、ゴブリンとオーガの混合軍で総勢2000匹はいたらしい。ゴブリンロードとオーガロードが確認されたらしく、ある程度統率がとられていたのではないかとの報告だった。それでも、魔物だけの集団だったのが幸いだったようだ。魔族が数体でも混ざっていたら、結果はどうなっていたか分からないとはジェームズの言だ。

 俺のはたらきはジェームズにとっても予想以上だったらしい。おそらく50匹くらいは倒したのではないかと言われた。もちろんアルファーの騎士には遠く及ばないが、初戦にしては出来過ぎだと言われた。

 褒められると悪い気はしないな。

 それにしても、魔族ってのはどんな奴らなんだろう。俺のファンタジー知識とこれまでの状況では、人族と敵対しているんだろうなとうことは予想できるが、誰も詳細を教えてくれない。リナに聞くしかないかな。


 戦況報告会の後は、意外にも自由な時間となった。

 

 異世界(こっち)に来てから初めてと言っても良いくらい、沢山の人と会ってかなり気疲れしてしまった俺は、取りあえずあてがわれた部屋でのんびり過ごすことにした。


 俺は、メイドが持ってきてくれたハーブティーを飲みながら焼き菓子を食べている。さすが大貴族様のお屋敷だな。おやつのクオリティーも地球(あっち)と遜色ない。


 のんびりしながら、俺はステータスの確認をする。


「ステータス・オープン」


ピロン♪


□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □

タダノ ヒデオ

♂ 17才

種族:人族

職業:勇者

ランク:E

______________

レベル:3

HP 20/20

MP  0/ 0

______________

加護:超美少女女神アストレア

称号:異世界人・召喚勇者

属性:なし

_____________

【スキル】【アイテム】

【設定】

□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □


 あのとき ピロン♪ ピロン♪ うるさかったけど、ちゃんとレベルアップしてるな。

 しかし、あれだけ頑張ってレベル3か。結構渋いな。

 聞くところによると、ゴブリンだけでも3,40匹は倒したって聞いたんだけどな。結構盛ってるのかな?

 それにしても、未だ MP 0/0 ってどういうことだ? とりあえず、スキルの確認だな。



ピロン♪


□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □

【スキル】

『言語解析』

 ○日本語

 ●ベルグランデ語

『視覚強化』Lv.2

『聴覚強化』Lv.2

『嗅覚強化』Lv.4

『身体強化』Lv.2

『気配察知』Lv.3

『危険察知』Lv.3

『魔力探知』Lv.3

『物理耐性』Lv.2

『乗馬上進』Lv.1

『悪路走破』Lv.1

『単位換算』Lv.1

『駿馬疾風』Lv.1

『片手剣士』Lv.3

『格闘体術』Lv.5

『護身体術』Lv.5


エキストラスキル

『思考加速』Lv.1

会心一撃(クリティカル・ヒット)』Lv.1

ユニークスキル

『限界突破』Lv.1

□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □


 結構変化があるな。

 それにしても、忌々しいのは『嗅覚強化』だよな。絶対()()()()()のはこのスキルのレベルが上がったせいだ。そう考えると、感覚機能が全部上がっていくってのは便利なようで不便じゃないのか? 耳とかも聞こえすぎると五月蝿いだろうしな。

 何とかならないもんだろうか……。


 今回の戦で新しく増えたのが

『片手剣士』Lv.3

『格闘体術』Lv.5

『護身体術』Lv.5 か。

 多分、元々スキルがあったからだろうけどこいつらLv.1からのスタートじゃないんだな。


 エキストラスキルの

会心一撃(クリティカル・ヒット)』Lv.1

ってのもあるな。あぁ、倒れる直前にもらったヤツだ。でもこれは……言われなくても分かるぞ。きっと、チートなやつだ。やっと勇者らしくなってきたな。


 それにしても、このスキルのレベルってどうなんだろうな。全然基準が分かんないや。

 そのあたり、リナに聞いたらわかんないかな。

 そうだ。リナに名刺もらってたし気分転換にちょっとリナん所にでも行ってみようかな。

 リナにも逢いたいし……。


 そうと決めたら、善は急げ! って善なのかな?


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