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召喚勇者は便利屋じゃないんだよ! ー俺は名誉や金より安らぎが欲しいー  作者: しいたけ
第1章

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第20話 アガルテへ

11/02 表記統一のため修正しました。

 あれからジェームズはソリスの里で新しい馬に乗り換えて、俺を後ろに乗せるとほぼ蜻蛉返りで城塞都市アガルテへ向かった。

 俺は、生まれて初めて早馬の後ろに乗ったが、ケツが痛いのなんのって……


ピロン♪

『条件を満たした為

 スキル『物理耐性』を取得しました。』


 あ〜。ケツ攻撃されてるな。馬に……


ピロン♪

『条件を満たした為

 スキル『乗馬上進』を取得しました。』


 実際手綱は握ってないけど、馬には乗ってるわな。


ピロン♪

『条件を満たした為

 スキル『悪路走破』を取得しました。』


 街道に出たらそうでもなかったけど、ソリスの里から出たすぐ辺りは確かに悪路ではあったな。

 走ったのは俺じゃなくて馬だけどな。


 どうやらこの「条件を満たした為」ってのはかなり甘々設定のようだ。

 だって全部自分で何かしたわけでもないのに、簡単にスキル取得してるしさ。


 これが残念女神(アストレア)が言ってたチートって奴かもしれないな。

 イヤ、チートって言ってたのは俺か。


 でも、確かに女神(アストレア)もいろんな能力に目覚めるって言ってたしな。


 そうたしかあれは……


 ……ぽわん×4+ぽわわわわ〜ん《回想中》……

「はい。それは勇者ですので様々な能力に目覚めることができます。運も少しは関わりますが、かなり強くなりますよ。」(第4話参照)

 ……《回想終了》


 やっぱり……。結構やるじゃないか残念女神。いや、もうただの超美少女女神に昇格だな。


 ソリスの里を出てしばらくすると街道に出た。

 街道と言っても石畳ではなく、ちょっと整地した程度の道だ。


 それにしても、遠いな。

 どれくらいの距離なのか尋ねてみたのだが、

「ソリスの里からアガルテまでは30ガル程だ。」

って言われた。

 ガルって何よガルって……と思っていると


ピロン♪

『条件を満たした為

 スキル『単位換算』を取得しました。』


 このスキルによると1ガル=4kmらしい。日本で言うところの1里だな。ってことは30ガル=120km

東京からだと熱海辺りか? (個人の感覚です。)電車だと日帰り旅行できるけど、馬だからな。


 地味にこの『単位換算』ってスキルは便利だ。

 あって良かったって初めて思えたよ。

 あ、『言語解析』は必須だよね。


 それにしてもジェームズの馬は速い。

 馬が速いと言うよりジェームズが速い。疾風のジェームズの異名を持つらしい。

 なので、騎士であるのに今回の役目を任されたと言っていた。


 なぜそんなに速いのか疑問に思い、聞いてみたところ、ジェームズが馬を駆ると馬に強化がかかると言う。

駿馬疾風(しゅんめしっぷう)』というらしい。

 そういうスキルもあるんだな。

 俺もそういうの欲しいな。


ピロン♪

『条件を満たした為

 スキル『駿馬疾風(しゅんめしっぷう)』を取得しました。』


 すげっ! 欲しいと思ったら手に入れられるのか?

 どんだけ甘々なんだよ。落ち着いたら、色々試してみよう。


 それにしても、あんまり人がいないな。

 時折、道ばたにいる人や行商人らしき馬車とすれ違ったり追い抜いたりはするのだが、それも数十分に一度あるかないかくらい。意外と異世界の人口は少ないのかもしれないな。


 ジェームズと早馬に乗ってからどれくらいの時間がたったのだろうか。もちろん時計があるわけじゃないから、詳しい時間は分からない。

 しかし、出発したときはまだ太陽が真上に来る前だったにもかかわらず、今ではもう沈みかけようとしている。


 う〜ん。そもそも、ここの1日は何時間だ? 体感的には、地球と大して変わらないようにも感じるけどな。

自転は西から東なのだろうか?太陽が昇っているのが東なのかな?

 いかんいかん。そういった細かいことを気にしだしたら切りがないな。


 『言語解析』と『単位換算』のお陰で会話は違和感なくスムーズにできているし、今のところはそれでよしとしておかないと、頭がパンクしてしまうかもしれないしね。

 しかし、この時間は随分と色々考えることができたな。と、考えていると……


「ヒデオ殿! 見えてきたぞ。あれがアガルテだ。」


 ジェームズの背中越しに前を見ると、大きな森が見えた。

 その手前には、まさに城塞と言った感のある大きな塀と城壁に囲まれた都市が見えてきた。その向こうには赤茶けた大きな山脈が遠く見える。

 手前にある城塞はともかく、その赤茶けた山々はなんだか薄気味悪いものに感じられた。

 よく分からんが、あの向こうは嫌な感じがするな。


ピロン♪

『条件を満たした為

 スキル『魔力探知』が Lv.2になりました。』


 ソリスの里を出発してどれくらい時がたったのかは分からない。

 しかし、夕方、といってもまだ陽が明るいうちに俺たちは城塞都市アガルテに到着することができた。


どうやらスキル取得条件がかなり甘々に設定されているようです。

さて、アガルテではどんなことが待ち受けているのでしょうか。


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