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現代ダンジョン奮闘記  作者: だっち
交錯する思惑

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第119話 情報戦のテーブル

是非、ブックマークか評価を。

私にガソリンをください!!

指定した場所は、駅近くのカフェだった。


人通りが多く、見通しもよい。

4人で下見をしてから選んだ場所だ。


直哉・武虎・真弓・陽平の4人でテーブルに着いた。

男性は少し驚いた顔をしたが、すぐに表情を戻して席に座った。


「パーティ、デスか?」


「はい、一緒にダンジョンに行っている仲間です。

みんなも海外のダンジョンに興味があって」


「ミンナ、強ソウ。

ウラヤマしいね」


男性が飲み物を注文した。

落ち着いた所作だ。

場慣れしている。


(イチカ)

(『計測中です。前回より近い距離で測れています——魔素量は相当高いです。

藤堂様より多いです』)

(強いな……)


直哉は表情を変えずに話を続けた。


「改めて聞きますが、あなたは何者ですか」


「ハワードです。

日本デ、タンサクシャ、シテイマスね」


「いや、そういうことじゃなくて」


男性が少し微笑んだ。

にこやかだ。

ただ、目が笑っていない。


「神谷サン、アナタ、ワープデキますね?」


「……なんで俺の名前を?」


「フフフ、顔にデテルね。

ワープは当てズッポウね、デモ、マチガッテナイ、デショ?」


直哉は何も言わなかった。


「アラタメテ、ハワード、デス。

トクベツなソシキにハイテルね」


「どんな組織ですか」


「シツモン、多イね。

イイことだよ。

……デモ、ソレ、アナタが知らなクテイイことね」


笑顔のまま言った。

声のトーンは変わらない。

しかし、その一言がテーブルの空気を少し変えた。


武虎の目が細くなった。

陽平が背筋を伸ばした。

真弓は相変わらず無表情だったが、手の位置が変わった。


ハワードは気づいていないふりをして、続けた。


「アナタ、ダンジョン入ってカラ、ナガイ間、イナクなるネ。

ワタシ、ダンジョン探シタよ。

デモ、ミツカラナイ。

アナタ、どこイッテル?」


「さてね、それを知ってどうするんだ」


「ドウもシナイ。

ワタシ、アナタのトモダチよ。

イイ人ヨ。

デモ、ワープ、トテモ珍シイ。

興味アルよ」


武虎が「それだけ、か?」と言った。


「イロイロな人、ワープ、チョウセンした。

デモ、セイコウした人、イナイね。

アナタ、ハジメて。

そのヒミツ、トテモ、トテモ、トテモ、シリタイね」


「……」


直哉が返答に困っているところに、武虎が助けに入った。


「って言われてもな。できないからわからんよ」


「ソウ、デスか。

デハ、ナガイ間、何シテル?」


「そりゃまあ、いろいろさ。

最近じゃ訓練もよくしてるぜ。

あんたも知ってるだろ、地下1階の訓練場」


「ナルホドね。

今ハ、ソレデ、イイね」


ハワードは少しの間、4人を順番に見た。


その視線が、直哉には少し不快だった。

物を査定するような目だった。

笑顔のまま、ずっとそういう目をしていた。


「アナタたち、若イね。

若イとキ、大事ニしないとネ。

ナニカ、アッテカラデハ、オソイね」


武虎が「それはどういう意味だ」と言った。


ハワードが笑顔のままで首を傾げた。


「ドウいう意味、デモナイよ。

タンなるシンパイね。

ワタシ、コワイ人、ジャナイよ」


こわい人じゃない、と言いながら、全く怖くないとは思えない雰囲気があった。


「ワタシ、結構、気がナガイね。

デモ、ワタシのナカマ、気ミジカイね」


飲み物の代金を置いて、続けた。


「ナニカ、コマル、気がカワル。

ソシタラ、連絡スル、イイね」


「まあ、その時はまたお願いするよ」

直哉は肩をすくめ、曖昧に笑った。


男性が小さく笑った。


「フフフ。

デハ、マタ、会イマショウ」


男性がカフェを出ていった。


* * *


4人はしばらく動かなかった。


「気づかれてた、のかな」

陽平が言った。


「っぽいな。

まあ、でもまだ確証は持てない、って感じか」

武虎が言った。

「どこから情報が漏れてるんだ」


(『行動軌跡からの予測でしょう。

それと——今のやりとりで気になる表現がいくつかありました。

「若い時を大事にしないと」「何かあってからでは遅い」は、脅しの定型文です。

笑顔で包んでいますが、意図は明確です』)


「やっぱり脅しか」

直哉が言った。


「手強い」

武虎が言った。


「なあイチカ、あいつの魔素量、最終的にどのくらいだった」


(『測定値は不確実ですが、藤堂様より高いです。

加えて、意図的に魔素を抑えている可能性があります。

本来の実力はさらに高いかもしれません』)


「……それは、厄介だな」

武虎が言った。


「これからどうする?」

「どうするも、気を付けるしかないだろ。

それに、田所さんが護衛をつけてくれるって言ってたし」


「それ言われた時は、何を大げさなって思ってたけど、そうでもないのかもな」


「最後に言った言葉、気になる」

真弓が言った。

「仲間の気は短い、か」


「脅しとも取れるし、ただの捨て台詞とも取れる」

武虎が言った。


「どっちだと思いますか?」

陽平が直哉に聞いた。


直哉は少し考えた。

「脅しだろうな。

それにあいつ自身も、なんか嫌な目してたぜ。

笑顔なのに、ずっと査定してた」


「査定……」

陽平が繰り返した。

「俺もそれは感じました。

笑ってるのに、全然安心できなかった」


「——強引な手を使ってくる可能性があるということですか」

誰も否定しなかった。


「すぐに田所さんに連絡しよう」


直哉はスマートフォンを取り出した。

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