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最前線  作者: TF


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とある人物が歩んできた道 ~油断、素が滲み出る~ No2の過去編

加筆修正完了!


誤字脱字の見逃しあれば教えてくださいませ~><;


後、後書きにネタバレなどが含まれてる設定資料とかも残していこうかと思っていますので

初見さんは見ないようにしてくれますと嬉しいです!

来る決戦に向けての定例会議、今日もまた私達は足を止めず前へ進む為に知恵を出し合う。

そう、あの大地を食らった様な錯覚を覚える程の凄まじい味と匂いがする健康食品を飲んでもらった、あの翌日でもね!

っと、これくらい気合を入れないと前日の体たらくが脳裏を全力で駆け抜けて行って込み上げてくる羞恥心に耐え切れず井戸の底にでも潜り込んでしまいたくなるのよ。


猶予も残されていない、気合を入れて前へ進まないといけないというのに、私は何時もの様に、研究塔に籠って魔道具の研究をしていた…のだけれどぉ~、同じ場所で同じ作業を繰り返すと気が滅入ってく・る・の・で!!


新鮮な空気を吸う!外に出る!

わかってる!こんな悠長に気分転換なんてしている暇なんてあるのか?ってね!ないわよ!!結果を何も伴っていないのは重々承知してますぅ!!

陰鬱な感情で鬱屈と作業なんてしたところで!何も進みませんとも!

はぁ…苦手分野だからなのか、結果が芳しくないからなのか、ダメね…気分が落ち込みやすくなっている気がする。


そんなのを振り払うように大きく息を吸い込み大きく吐き出し頬を小さく叩き、気分を入れ替える。

こうやってね、外に出ることでリフレッシュするのも大事、負の感情を転換し、性の感情に変換させる!…なんか、漢字が違うような気がするけど、気のせいキノセイ!!


陽の光が入ってこない場所で長い事いたせいなのか、陰気な空気に毒されたのか、お日様の下にいるだけで心地よく感じてしまう。


あ~ほんとうに、天気もいいし、お日様を全身で浴びれば浴びる程、気持ちが良い、人間には太陽が必須だよね!部屋の中に閉じこもっちゃいかんいかん!


場所を変えることで思考も切り替わる、心機一転!室内で作業しているからダメなのよ!

お日様を木陰から覗かせるような優雅な場所…そうね、中庭とかいいかもしれないわね、そこで作業の続きをしましょう。


中庭にある木陰の中にあるベンチ一つを陣取り、資料が風で飛んで行かないように重しを乗せ、売れるものがないか探りながら資料を読み漁っていく…


資料に意識を吸い込ませていても私という嗅覚は彼の存在を直ぐに見つけ出す。


我ながら困ったものだと、笑ってしまいそうになる

だって、中庭の前を騎士様が通りがかったのを見逃さなかったのですから。


通りがかった騎士様は私と違っていつも元気…だけど、気のせいではない、いつも以上に元気はつらつとしている。

大丈夫かしらっと、彼の心を心配してしまっている、そんな私の視線に気が付いたみたいで、爽やかに挨拶をしに近くまで来てくれた


「順調ですか?僕はすこぶる元気がよくて!」


太陽の下で見る彼の笑顔、ニカ!っと、輝く白い歯が、いつも以上にまぶしかった…その輝きが真っ暗な私の人生によく刺さりますぅ。

近くで見ると無理をして元気に振舞っているような感じではなく、純粋に調子が良さそう?私の杞憂だったみたいね。


では、どうして?普段よりも元気なのだろうか?


一つ思い当たることがある、もしかしたら、騎士様も魔力が枯渇していた可能性があるんじゃないかと、昨日は何をしていたのか、参考のために聞いてみよう。


口角が上がったままにこやかに!爽やかに!まさに、私にとって、全身が清涼剤の様な存在である彼に質問をしてみると

「昨日ですか?最近、自己鍛錬の量を増やしていまして、魔力による肉体強化、瞬間強化、持続強化、魔力放出などの訓練を行っているので…」

内容が魔力に関する内容ばかり?

「そう、ですね、言われてみればそうです。確かに、ここ数日、魔力が枯渇していたのかもしれないですね」

軽快に笑顔で答えてくれた、嗚呼、笑顔が眩しいですぅ…

テンションが高いのか普段よりもリアクションが大きく、言われてみればっと頷いている。


そんな彼の言葉に一つ疑問を感じてしまった。


…魔力放出?っという訓練って、あれ、でしょ?

魔術師や錬金術師の方がされる、初歩的な、訓練ではなかった、かしら?


何のために?武芸に必要でした?

私が学生の時の訓練した内容は…ひたすら体を動かす事ばっかりだったから、きっと、高位な騎士だからこそ知る何かしらの理由があるのだろう


どうして魔力放出という訓練を行っているのか続けざまに質問をすると

「この間、父にもっと強くなるために必要な訓練は何かないかと文を送ったんです、その返事が返ってきまして、それらの訓練を行えって書かれていたので、今は、私を含め、できそうな人だけやっています」

返ってきた答えと瞬時にここ数日間の騎士様の様子を思い出しどうだったのかを比べてみると…てっきり、あの一件以来、精神にきてしまっているのか少々お暗い雰囲気を醸し出していた、他の人では気が付かないでしょうが私なら気が付きましてよ?


それと同時に直ぐに導き出された医療に携わる者としての直感。


ここ数日間の騎士様の雰囲気、発言内容…彼もまた私と同じだった?

彼の些細な動きから導き出されたその答え!!


やっぱり…魔力は精神に影響を与える?

体内にある魔力量によって、精神へと影響を与えるのは疑いようがないと思う。


あと、彼の言葉の中で嫌な予感を感じたので確かめないといけない。

その事を確認をしてみる為に気分上々な騎士様に医療班団長として確認を取る。


最近、それらを行っている人達が暗い雰囲気だったり、ネガティブな思考だったりしませんか?っと、この問いかけに直ぐに彼の表情が変化した。


困った感情と驚いた感情を表に出し瞬時にころころと表情が切り替わる騎士様。


考えていることがすぐ顔に出るから裏表がないのだと、心の底から思えるのって素晴らしいことよね。

「すごいですね!そうなんですよ!あの前向きな人たちが全員、ここ最近、表情が暗いし、やる気がないんですよ!」

笑顔で元気にそんな発言を…彼の勢いに圧倒されかねない。

何時もの騎士様と様子が違う…これもきっと、魔力回復促進剤の影響ね。


彼の勢いに圧倒されずに医療班の団長として凛とした態度で

予測と、経験則のみとなり確証が無いけれど…

魔力が減ると、気分が滅入る可能性があるとお伝えすると


眼を一瞬だけ大きく見開いてから腕を組み、深く頷いてから、顎を触りながらここ数日の自分と周りの状況を思い出しているのか、斜め上をみるようにし

「なるほど、それでだったんですね。最近、僕もやる気が出にくくて自分を鼓舞したりするのに大変だったんです」

何処か遠い場所を見つめてから納得したような表情で此方を真っすぐに見つめ返してくれた。

その仕草に、団長として構えていなかったら一発で天へと昇ってしまいそうだった。


弾け飛びそうな心臓を必死に落ち着かせようと、私も彼の言葉に頷き続ける。


魔力の性質には、困りものだなぁっと呟いている、それには私も非常に同感。

魔力って、非常に便利な物質だと思っていたけれど、やっぱり何処かでデメリットがあるのだと今回ので痛感した…

世の中、上手い事できてるなぁってね、ほんっと痛感しちゃう。


そして、この上手い事、出来ている部分を商機に変えずして勝機はなし!

私も魔力回復促進剤の影響なのか今日は良く思考が動く!!


商機に変えるためのデータ!実体験という大きな試験体!逃すわけ何てないじゃない!!


魔力が減っている同胞達に今の状態と魔力回復促進剤を服用することによってどの様な影響が出るのかレポートを出してほしいと!

前後における体調の変化、心理の変化っという、論文に使うために必要な多くの結果が欲しいと!


団長として騎士様に医療従事者として提案しましょう!


「練習に参加されている、そのメンバーに昨日、飲んでもらった魔力回復促進剤を飲んでもらうってのはお願いできます?」

味を考えると絶対に勧めたくないけれど!

医者としては古くからある言葉、薬は不味い物!押し通すは慈愛に満ちた相手を想う笑顔!これで行くしかない!


医療従事者としての笑顔で、激マズ飲料を勧めてみると

「ええ、もちろん!個人的に、あの味は苦手な部類です、匂いもきついものがあります。そして、飲んだその日に効果を実感しにくかったです。だけど!一日経ってから実感が湧きましたよ、気力が満ち足りるっていう感覚がこういうものなのかと…新しい未体験の感覚を知れたので貴重な経験だと思います。なので、僕としても飲むのを嫌がっても強引に飲ませますよ!みんなの為に!!」

力強く胸を張って頷いてくれるその笑顔が輝きすぎです…


うわぁ、笑顔がまぶしすぎる、いつも以上に元気はつらつになると、こんなにグイグイくるのね…


こんなにも信頼してくれるのならっとつい、側室として生きる為に仕込まれた悪知恵が囁いてくる…あの液体を躊躇わず飲んでくれるのなら、仕込めるなぁっと…

そうよ、あの強烈な味だったら、多少癖のある興奮剤でも仕込んでもばれないとおもう、あー失敗~失敗~、仕込んどけばよかった…

やれるときにやっておけばよかったかも!ってね、まぁ、あの時の私はそこまで気が回らんかったから仕方がないわね~

後、興奮剤って意外と高価なのよ、仕込めるとしてもひとつが限界、会議に参加しているのが私含め三名だから、確実に騎士様が飲むわけじゃないのよね。仕込んだ液体が財務の方に運悪く渡ってしまったとしてもそれはそれ、耐え切れなくなったら飛んで帰るでしょう?そうしたら、世継ぎを仕込めてよかったわねの一言よ。


うん、今思い返してもこの作戦、いけるわね…

あの味なら多少、そういった類のものを入れたとしても味に変化が起きにくい気がする、かといってー…自分で試飲したり効果を試すのは嫌だから~…

…今度、坊やにでも持たせておこうかしら?それも、ありね。乙女ちゃんなら滾る坊やを諫めてくれるでしょうし、ええ、きっと。っふ、私は悪い女ね…


悪知恵と商機を同時に働かせながらも、それ一切!表に出さずに会話を続ける。

騎士様に後ほど、激マズドリンクを訓練所に持っていきますので、飲み終わった後の感想レポートの提出をお願いし、突如、開かれた憩いのひと時はお開きとなった。



その後もベンチに座りながら、彼のあどけない仕草を反芻しながらも、魔道具のデータを改めて確認する作業を続けていると…


ふと、データを見ているときに突然、閃いてしまった…

先輩って薬学の知識も豊富じゃんっと…

どうやら、私の悪知恵さんはやれとおっしゃっている様だ。


今度、相談してみよう、私が知らない古い薬学の知識を先輩なら蓄えていらっしゃるだろうからね。

なぜ必要なのか、先輩に事情を話せば、興奮剤を用いることに納得してくれる!


魔力回復促進剤と興奮剤の組み合わせについて議論してみましょう。

ええ、勿論、裏の意図を一切合切掴ませませんことよ?ヲホホ


悪知恵さんが置いて行ってくれた言葉を忘れないようにメモをして、っと…後は、普段、持ち歩いている手帳、やることリストに【薬先輩】っと、書いておけば私だけが思い出せるってこと…うん、これでよし!

ベンチの隣において作業を再開する。


作業に没頭していると「ほれ、頑張ってるじゃねぇか」先輩が瓶に入った飲み物を渡してくれる中身はたぶん、こーひーかな?先輩は紅茶よりもコーヒーが好きだもの。

私はちょっと苦みが苦手なんだけど、疲れた時に飲むとリフレッシュするので今はちょうどいいかも

笑顔で「ありがとございます、いただきます」っと感謝の言葉を述べながら、瓶を受け取ると、ふと、視界の端に誰かが見えた。

誰だろうと、視線を動かすと先輩の後ろに人影が見える…

先輩の後ろにいる人物なんて…思い当たる人は一人しかいないけれど、間違っては失礼。しっかりと目視で確認する。

誰だろうと覗き込むと予想通り、奥様もいらっしゃって照れくさそうにしている、その仕草から察する。


きっと、奥様が気を利かせてくれたのだろう。

だって!あの!先輩が!私に!差し入れなんて絶対するような人じゃないもの…

奥様にも挨拶とお礼を言うと照れくさそうにしてベンチの空いたスペースに座り、先輩は立ったまま瓶を傾け黒い液体を口の中へと含ませていた。


最近は良くあう三人が集まり話題も特になく、少しの間、風を楽しむ様にコーヒーを飲みながら優雅に休憩をしていると、先輩がふと、ベンチにおいてある開かれた手帳をみて

「薬先輩って誰だ?薬学で詳しい人でもいるのか?」この街にそんなやついたかなぁ?っと首をかしげている。

それ、先輩の事ですよっと返事を返すと


「んだよ、俺のことか、薬学に詳しい人が居るのなら話してぇなぁって思ったんだがなぁ」その反応をみて驚いてしまう。

あの先輩でも、まだまだ知識量が足りていないのだと自覚されていることに、驚愕の事実を知ってしまう。


薬学ってやっぱり大変なのね…

私は、毒とアレに関連する薬効成分ばっかり研究してたから、先輩のようなありふれた薬学はあまり勉強してきていないので、ちょっと苦手なのよねぇ。


良い機会だし、先輩に魔力回復促進剤について質問をすると奥様もあの味を思い出してしまったのか二人そろって苦虫を嚙み潰したような顔になる。

お顔が皺だらけ。


「苦いものは食べ慣れるるけど、あれは群を抜いて、やばいからなぁ、味だけじゃなく臭いもそうとうだからなぁ」

先輩が言うにはあの魔力回復促進剤に用いられている材料は非常に素晴らしく理に適っていて、これ以上ないほどに完成されたレシピだと褒めている。

ただ、味と臭いさえ無ければ珠玉の一品だと眉間に皺を寄せ褒めていた。


先輩もそう感じてるのであれば!相談はしやすい。


眉間に皺を寄せている先輩に相談しようとしたら言葉がまだ途中だったみたいで、傾聴の構えで先輩の教えに耳を傾ける…ふむふむ、先輩も考えてはくれていたのですね。


あれを飲みやすくするために、薄めて飲んだりとか味を変えてみるために素材を一工夫したりする方法も考案したけれど、結果は良くなかった。


薄めたら一気に薬効作用が減ってしまって効果も激減するからたちが悪いとか、あれに何かをプラスすると成分が変化して薬効作用が激変するかもしれないとか…先輩が密かにチャレンジしていた貴重な内容を聞かせてくれた。


因みに、あれを販売するとしたら売れますか?っと手を上げ質問をすると

「売れる売れる!王都じゃ材料が手に入んねぇから高くても買うやつは買うぞ!」

え!?それじゃ大量にせいさ「でも、売るのはお勧めしねぇ、今、戦士達も術式を扱うようになっただろ?いつかでてくるぞ、魔力枯渇症状がよ」んんー?…そうか売れないのかぁっという残念な気持ちを直ぐに吹き飛ばすような彼の的確なアドバイスに思考が追い付くのにやっとだった。


わぁお、流石、先輩だ。

この街の全てを見通してるような的確なアドバイス!


惜しむらくは彼を巻き込めないってことかな!


っくっそぉ、惜しいなぁこの知略も知識も経験も豊富そうなこの人を巻き込みたいけど、巻き込めない!

だぁってさぁ、これ以上あの、会議室に人が増えると、減るの!騎士様の隣に座れるチャンスが減るの!

あと、秘め事を共有するっていう連帯感を少しでも維持したいから巻き込みたくないのよねぇ。っという我欲まみれなだけですけどね。


なので、私一人ではどうしようもない、そんな限界を超えそうになる前に、相談しに走る予定ではあるけどね。もっと早く相談しやがれって頭叩かれる覚悟はとっくに出来てるので問題なし!


この会話を聞いていた奥様が首を傾げており、小さな声で、アレ売れるのかなぁ?っと呟いていた。


そんな奥様にも、ちょうど聞きたいことがあるので、ついでに聞いちゃおう。


魔道具の解析状況はどうなっているのか新着状況を聞いてみると、何か思い出した顔をされ

「過去に作った特殊な魔道具を思い出したからね!引っ張り出してきたの!あげる!」っと、渡され、つい、あの?状況はっと、小さな声で申し訳なさそうに伝えると、わかってるってー今からいうから~っと、いつものようにマイペースに報告してくれた。


気が付けばベンチでの、医療班と研究塔の会議が始まってしまった。

ちゃんと会議室でやればいいのに…こんな風に何処でも会議が始まるのがこの街の良い所なのかもしれない。



うん、息抜きでこっちに来てみて良かった、思いがけない出会いがあるものね。

先輩にも、色々と相談に乗ってもらったし、奥様からも解析状況がどうなっているのか、詳しい話も聞けましたし、息抜きでここにきて正解だった。


一通り突発的な会議も一区切りし、良い頃合いだなっと、二人も持ち場に戻る、ってことでお別れする帰り際に先輩がさらっと

「背負い過ぎるなよ、頼れるときは頼れよ、俺はもう責任者じゃねぇが、お前の師匠だと思ってんだからな。だから、遠慮なんてするなよ?」

カッコいい決めセリフを去り際に言う辺り、奥様にカッコいい処を魅せたかったのだろうなって思ってしまう。


だって、帰り道に奥様が腕に抱きついていたし!!仲良すぎ!


…うらやましくないもん!いつか私も騎士様とラブラブになるんだからね!!


内心、二人のラブラブな関係に涙しながら、二人を見送った後。

時計を見るといい時間になりつつあるので、研究塔に戻って魔力回復促進剤を取りに行かないといけないわね。


背筋を伸ばしてからベンチを立ち上がり、空を見上げれば今日もお日柄がよく、空は何も憂いを感じさせてくれなかった。


足取り軽やかに研究塔へ戻り、暇をしている職員を見つけたので、魔力回復促進剤を何本か頂いてもいいですか?っと確認すると「全部持って行っていいよ!腐るから!早めに飲んで」っと、前回作成したやつ、全てを余すことなく全部!一度に、渡されてしまった…

木箱の中を見ると、あの液体が入った瓶…私が飲んだ時よりもやや大きめの瓶が…えっと、ひと、ふた…みぃ…?数えてみると想像以上に多かった。

全部で10本、多くない?…余りそうな予感


今この瞬間だけでみれば、必要以上の数があるけれど…

先輩の予言に近い言葉が頭から離れない。


今後、先輩の予想ではもっと必要になると思われるので材料がまだあるのか確認しておかないと


念のためにまだ材料があるのか?追加で作ってもらっても大丈夫なのか、確認すると「材料?あるある!まだ欲しいの?だったら…ちょうどいいね、錬金釜での新人研修には、ちょうどいい教材になるだろうから、新人たちに作ってもらうよ!ただし!その代わり、余すことなく飲んでね!余ってるからといって!こっちに渡さないように!絶対に!私達、飲みたくないから!絶対に!!」っと、強く念を押されてしまった。

研究塔の人達も、一度は絶対に飲んでるのだろうなぁっと理解してしまった。

絶対に貴方達に飲んでもらうことはないのでご安心くださいっと頭を下げ、作成依頼を出し、渡された両手で持つにはちょっと重たいくらいの大量の瓶が入った木箱を抱えて、訓練所の方にお邪魔すると…目を見開き声が漏れてしまいそうになった。


訓練所の中は、予想外の状況だったから。


項垂れる様に頭を下げ椅子に座り込む人物が一人、若いのにだらしないわね。

隅っこの方で三角座りの姿勢で膝を抱え地面の一点をじっと見つめている人物が一人、まだまだ成長途中なのだから気に病むことはないのよ?

訓練所の隅っこの方であるが大の字で寝ころんで微動だにせず空を見つめ時折、零れる長い溜息が空へと溶け込ませている人物が一人、図体でかいのに大の字で寝るなっての、邪魔に…ならないように隅っこで転がっているのは良しとしましょう。


そして、彼らほどの虚無感を醸し出しておらず、表情に幾ばくかの余裕が見えるが息の荒い人達が大勢…此方の人達は純粋に疲労で息を整えようとしているって感じね。

疲労困憊、精疲力尽などなどってところね、魔力回復促進剤だけじゃなくて何か食べ物も持ってきてあげればよかったわね。


そんな彼らの中心…

訓練所の中央には一人の人物が立っていて眼を瞑っている。

騎士様が一人で集中してらっしゃるけど…なんだろう?よくわからないけど、何故か…


あそこだけ雰囲気が異質というか異様っていうか、よくわからないけれど、空間そのものが違うような気がする。


集中力を高め何かをしてるのは確かなので、邪魔をしては申し訳ないのと…その、どうしてなのか、わからないけど!!上半身裸なのよ!!

そんな珍しいお姿で集中されている騎士様を!!

合法的に舐め回すように見ることができる!!

邪な視線を向けたとしても周りの惨状!誰にも怒られないのであれば!

見ないなんてありえない!!!


今の私の心の中は涎が垂れてしまっているだろう。

ぐへへ、ええ体してまんなぁ…


今にも涎が本当に垂れてしまいそうな程に湧き上がる欲…

その欲に流されようとしている自分を戒めるように気持ちを切り替える。

って、ダメダメ、大衆がいっぱいいるときにそんな邪なこと考えちゃだーめ、みんなに変態だってばれちゃうじゃないの。

…誰が変態じゃ!!


少し気分がまぎれたので、冷静に思考を動かす…

今までの経緯や、周囲の状況…感じたことのない雰囲気…

魔力を使った何かしらの稽古であるのは間違いない。


っであればよね!折角、良い物を持っているのだから使わない手はないでしょう?

騎士様のトレーニングが終わるまでの間に、奥様から受け取った特殊な魔道具を取り出して、っと…魔道具を取り出すと、紙も一緒に添えられていた。

紙には使い方が記載されているので、その通りに実行しましょう。


まずは、レンズを目の前に持ってきて、レンズに取り付けられている小さな魔石に魔力を注入するように…魔力を注いでっと…?

説明書通りに魔力を込めると、視界に変化が起き驚いてしまう。


レンズが反応して、ってこれ、もしかして!?


あれ?あれですか!?衣服が透けたり!?…するわけないよねぇ~、でも、騎士様の周りになんだろう?白い湯気みたいなのがいっぱい見える。

レンズを通していない視界の方へと意識を向けると、白い湯気のようなモノは見え…いいえ、僅かに見える気がする。


レンズが前にある片方の目を閉じても、何故かわからないが見えるような気がする。どうしてだろうかと不思議に思っていると


騎士様が手の平を上に向ける始めたので、両方の目を開き騎士様の動きに意識を向けると…白い湯気みたいなのが手の平に集まっているのが見えた。

それを前方にでも投げようとしているのか投擲のような構えをしてから、投げる動きと共に手首を動かすとボールのような丸い湯気の塊が前に向かって飛んだ…と?思ったら霧散して消えた…


これ、って、やっぱりそうよね?もしかしなくても!?

魔力を視認するための魔道具じゃないの!?


汗だくになっている数名に向かってレンズを向けてから、レンズを覗き込むと…数名から湯気が昇っているのが見えた。

項垂れている坊や、隅っこで縮こまって座っている乙女ちゃん、大の字豪快巨躯を見ると、湯気がほとんど…ない?出ていない?


やっぱり…

そうなると…

あの三名は魔力が枯渇していっている可能性が高い。


だとすれば、この魔道具があれば!?

その閃きと同時にこの魔道具がどれ程までに素晴らしいものなのか実感が湧き上がってくる。


うわぁ、何これ!?

すっごい魔道具じゃないの!

魔力の流れが見える魔道具なんて画期的で使い道が凄く多そうじゃない!

ほあぁ~っと手に持っている魔道具に感激していると、直ぐに、奥様のマイペースっぷりに少々苛立ちも感じてしまった。


…なんで、もっと早くにこれの存在教えてくれなかったの!?

箱を見る限りそうとう年期が入ってそうだけど!?

絶対、5年以上は経過してるよね!?

きっと、魔道具のデータ漁りをしていたときに、見つけた成果物だと思いたい!うっかり忘れてたぁって言いそうな人だからそっちのほうの可能性が、可能性が高いのでは?!ってね、申し訳ないけれど、疑ってしまって辛い!!


新しい?魔道具によって新たな可能性に心高ぶるけれども、まずは、魔力が枯渇している三人にアレを飲まそう、ええ、薬嫌いが居ますが強引に飲んでもらいましょう。

坊やの肩を叩いて「差し入れ(ハート)」拒否を許さない笑顔で渡して、今すぐ飲めよっとプレッシャーを与えてから、

次の人へと小走りで向かう。


隅っこで三角座りをしていて自分の世界へと落ちてしまっている乙女ちゃんのわき腹をつつくと、ビクっと体を跳ねさせた後、顔を真っ赤にしてこちらを見ている乙女ちゃんに「飲みなさい」っと真剣な顔で渡して、飲んだら元気になるからっと心配そうに相手を気遣う様に接してから

次の大きな女へと足音を出しながら近づいていく。


大の字で寝ている野生人の口の中へと、ダイレクトに瓶の中身をぶちまける。この人ね、大の薬嫌いだから、渡しても飲まないの知ってるからね。


大の字で寝てた野生人がものすごい勢いで起き上がり、凄い形相でこちらを睨むので

「貴女の症状を回復させるためのお薬よ、我慢して飲みなさい」

お医者モードで接すると、恨みがましい表情が困惑した表情に変わり、観念したのかごくんっと喉を鳴らし口の中に放り込んだ液体を飲みこむのと、同時に勢いよく立ち上がり、砂埃を巻き上げ地面に響くような重みのある音を出しながら、水場へと走っていった。


坊やと乙女ちゃんもどうやら、瓶の中身を飲みほしたみたいで一斉に水場へと走っていく姿が見えたので

「吐き出したらだめよー?吐いたらもう一本強制的に飲み干してもらうからねー!」

念のために、水場へと救いを求めるように駆け出した三人めがけて大きな声で吐くなよっと、注意を呼び掛ける。

彼らの悲痛な叫び声が聞こえてきそうな後ろ姿を見た周囲の人達が私の方へと熱い熱い視線を向けてくるじゃないの…飲む?っと軽くジェスチャーを送ると全員にそっぽを向かれてしまった。


余ったやつは~…どうしようかな?

とりあえず実験してみようかな?味とか成分とか調整する試みに使わせてもらおうかな?

うん、そうなると一旦保存するために冷やしといたほうが腐りにくいと思うから、後で食堂のおばちゃん、もとい、お姉さんにお願いして保管しておいてもらおう。


水場から各々、帰ってくると全員から何てものを飲ませるのだと、非難轟轟…文句をぶつける様に言われてしまった。

けれど、あの味の文句を言われてもねぇ?私が味付けしたわけでもないし、調合したわけじゃないからねー、悪くないよねー?


まぁ、その気持ちもわかる!

あの味はね、誰かにこの理不尽をぶつけたくなるものよ!

そもそも、唐突にあんなまずい物を飲まされたんだもの、持ってきた人に感情をぶつけたくなるのも頷けるってものよね。

それくらい受け止めてあげるわよ、同じ苦しみを味わった同胞ですから。


私も!騎士様も!アレを飲んだからこそ、その苦しみが痛いほどわかる。

なので、甘んじてその怒号、受け止めましょう。


あの味から解放された三名の被検体…こほん、協力者からの感想はというと…

この世全てにある元より不味く、他と比べる事すらおこがましい、そんな食べ物をこれでもかと豊かに詰め込んだ味で、沼地のような土本来の風味を添えた香りが何度も何度も…飲んだ後でさえ鼻の奥を突き抜けていく度にその異臭が死ぬほどつらかった、二度と飲まない!っというね…ありがたい感想をいただいたのですが…

不味いわね、いえ、味だけではなく、これは早々に味の改良をしないと士気に関わるわね。


たぶん、騎士様はこの中身が必要であると感じてるから、今後…遠征時にみんな最低でも2本は持たせるつもりだと思うわよ?

この味に馴れておいてほしいなぁ、味の改良が出来そうだったら頑張ってしてみるけど、期待はしないでほしい。


なお、確認の為に皆から大変不評を頂いているもう一つの栄養食、丸薬と此方どちらの方がましなのか確認も怠らない。

満場一致で、こっちの方が圧倒的に、口に含むのが辛いっとのこと

…私も同意見ね。


丸薬は、食感さえ何とかすれば、無味無臭に近いので食べられないことはない。

いえ、少々美化しました…若干、よくわからない食材の臭いとか、味がするけど、幸いなことに、いろんな味が混ざってお互いを喧嘩しているので、何かよくわからない物を口に含んでいるって感覚で済むのよね、つまり、食べれないことはないのよ。

けれど、これは、苦みとえぐみがきつい上に、香りがとんでもねぇってので軍配が上がりました。


うーむ、不味いものが更に増えるとなると…

戦士の人達が遠征でこれを飲んだとしても士気が落ちるだけなのでは?

長期遠征を考えれば、士気の低下は死に繋がるので、あまり、よろしく無さそうなのよね~…

そうね、そうならない為にも早急に対策を練ろう、かといって私は料理なんてしたことが無い…味をどうやって変えればいいのか見当もつかない、っとなると、食といえば!食堂のおばちゃんよね!彼女に相談するのが一番かも。


うんうん、っと非難を浴びせられながらも次の方針を固めていった…




さて、皆も元気になったみたいだし!ここでの私のやることは終わったわね!

おっと、忘れないように騎士様の分もひと瓶置いてっと!

坊やたちに騎士様もトレーニング終わったら飲むようにと言伝を頼み。

訓練所を離れ残った魔力回復促進剤を手土産に食堂に向かう。


食堂のおばちゃんに改良点が無いのか相談しよう。


食堂に入ってみるとおばちゃんが料理の仕込みを終えたみたいで、少し休憩タイムみたいだったので、早速、意見を聞くために「おばちゃ~ん、ちょっといい?」

手を振りながら近寄ると「次、不敬な呼び方したら、おやつ作ってあげないよ」こめかみに青筋を立てながら、ギロリっと睨まれてしまった。

ついうっかり、お姉さんって呼ばなかったからお怒りのご様子じゃないのさ、初手でやらかしてから気を付けていたんだけど、最近はどうも仕事の量が多すぎて配慮が欠けている気がする、反省しないといけない。


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追記:

完結してから、一度、見直して修正するところとか、読みにくい所があれば修正してます。

当時の目標が完結優先で、急ぎ足で書いていたので見直していなかったのです。

完結後に見直し訂正する予定でしたので!

ゆっくりと修正して行こうと思います。




─※ 完結まで読んでから見てね ※─ 

─※ ネタバレ注意 ※─ 


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考えていることがすぐ顔に出るから裏表がないのだと、心の底から思えるのって素晴らしいことよね。


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彼も貴族としての生き方を叩きこまれています

信頼する相手ではないと表情を隠しますよ。

彼の天真爛漫な姿を近くで見過ぎていた為、彼女も彼はこういう人だったのだと思っています。


目の前にある彼との日々が過去の彼の姿を思い出すことが出来なくなっているのです。

そこに気が付けば、彼女もまた彼に対してもっと積極的にアプローチを…すればするほど、彼は避けるでしょうね。

じわじわと懐へぬるりと自分という存在を彼の心に浸潤するように染み込ませていく、そんな戦力が最も適していますね。



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だって、帰り道に奥様が腕に抱きついていたし!!仲良すぎ!


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何せ、あの研究しか頭にない一族である彼女の心を揺さぶり惚れさせた男ですからね。

奥様の方がべた惚れで、セレグさんも、元々慈悲深い方でもあるので身内には意外と甘い人物で世話焼きな部分もあり、双方ともに支えあい仲睦まじく暮らしていました。

その姿を見てきた人達からすれば、理想の夫婦と言われ続けていましたからね。


───────────────────


この時代でも、姫様ほどの画期的な魔道具はなくとも

保管するために必要な魔道具は数多く生み出されており

食堂や研究塔には食材などを保管する為の専用の倉庫があります

(年代物で燃費はかなり悪い)

必要な魔力に関しては魔石に魔力を込めるっという仕事が各部署持ち回りであるので、そういった重要な施設への魔力に関しては何とか工面出来ています。


ただ、研究塔の保管庫は色んなものがありすぎてスペースが残されていません。

なので、直ぐに消費したいものを保管するのを研究員たちは嫌がります



ただ、姫様が改良しまくった現代では様々な倉庫や小さなご家庭用の冷蔵庫といった魔道具を開発しているため、倉庫や食材の保管庫には余裕のスペースが出来ています。


問題があるとすれば、数多くの魔道具を稼働させるための魔力源がないっということです。


この街にいる人達だけでは足らなくなってきたのもあって

多くの他の国、地方からでも人から魔力を貰うシステムの構築が必須となっておりました。




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