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最前線  作者: TF


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32/843

とある人物が歩んできた道 ~決意の旅立ち~ No2の過去編

加筆修正完了!


誤字脱字の見逃しあれば教えてくださいませ~><;


後、後書きにネタバレなどが含まれてる設定資料とかも残していこうかと思っていますので

初見さんは見ないようにしてくれますと嬉しいです!

死の街についてから、それはもう、大変でしたわ。


大きな大きな巨漢の大男が、街に来るなり行き成り叫び散らかすものだから、なんとまぁ醜い存在なのでしょうと遠目で見てましたの。

嗚呼、やだやだ、これからはあのような見境なしと行動を共にしないといけないなんて、先が思いやられますわ。


騎士様がこの大地に居なかったら、すぐさま踝を返して、王都に帰りますのに。


大男が叫んでいるのを横目に長旅で疲れたお尻を摩りながら周囲の状況を観察し現在地を把握する。


それよりも、荷物などを用意されている自室に運んでしまいましょう。

それから、ですわね、騎士様にお目通りをしませんと貴族と言う枠組みに属する者として、側室の娘ですけど、っと、そんな事を考えながら歩いていると誰かの声が聞こえてきて立ち止まる。


ある人が、さきの大男と一騎打ちすると話が聞こえてきましたのよ?

長旅で鬱屈しておりまして、更には外に出て直ぐに野蛮な叫びを聞かされたものとして…

様々な好奇心が湧き上がってしまい、踵を返し人が集まっている場所へと足を向ける。


あの大男がやられる姿でも見て少しでも晴れやかな気持ちになってから、騎士様にお会いに行きましょうと、うんうんっと頷きながら喧騒な雰囲気が漂っている場所へと近寄っていきますと、既に、始まっていましたわ。


少し遠いので、顔までは良く見えないのでもう少し近寄ってみましょう。


歩きながら騒ぎの中心を見ていると、大男が繰り出す拳を軽々といなし、その力の流れを使って、あの大男が軽々と投げられている!凄いですわね…

大きな音が地面を鳴らし直ぐに大男は立ち上がって睨んでいる。

その一連の動きを見て少々鬱屈していた気分が晴れ渡るような、いいえ、あのような大男が投げられたという爽快感の方が上なのかもしれない、胸に少々興奮を宿しながら、前へ前へと喧騒へと近づいていく。


大男が投げられる様を見て、先ほど感じた不快感も少しは紛れていくのがわかりますわ。

多少は痛い目を見て、自身の荒々しさを反省すればいいのよ。


歩をお淑やかに進め続けてようやっと、争っている二人の顔が見える距離まで近づくことができ、タイミングも良く大男が暴れた後の土埃が晴れていく…

これで漸く大男を投げ飛ばした方のご尊顔をはいけ、ん…嗚呼、そこにいらっしゃったのですね、我が麗しの騎士様ぁぁぁ!!


誰よりも雄々しくて、誰よりも勇ましくて、誰よりも紳士で…

そう、彼の者は、誰よりも心の位が高い崇高なる御心!!我が騎士様!!

まさか、到着してすぐに、こんな、直ぐに勇ましい姿を…お姿を見れるなんて、大男!よくやった!

粗暴で野望な大男を唯一褒めてあげても良いと心の中で頷きながら麗しの騎士様を眼に焼き付けるように食い入るようにされどお淑やかに彼の者が巻き起こす風を全身で浴びる。


騎士様は、昔と変わらず、始祖様が描かれた肖像画を彷彿とさせる綺麗な黒髪で、目も漆黒の様に、真っ黒で、あの黒き瞳に見られるだけで心も体も吸い込まれて溶け込んでしまいそうな気分になってしまう。

姿を見ただけで妊娠してしまいそうなほど、私の心臓も子宮も興奮が抑えきれません!



後はもう、大男が力尽きるまで闘いを見続けましたわ。見守る?ふふ、私如きが祈りを込めなくとも騎士様であればあの程度の塵芥軽微、軽々とあしらわれますわよ、いえ、姿そのものはとても大きいですけれど、騎士様であれば軽く小さいっという意味ですわよ?

ただ、淑女として恥じねばならない精神を宿してしまった事には反省しておりますわよ、あの求め続けていた騎士様のお姿を雄々しき姿をもっともっともっと長く見たかったからといって、大男の事を自然と応援してしまいましたわ。だってぇ少しでも永く勇士を視たいと願ってしまった。相手が怪我をし続けるだけだというのに…応援してしまいましたわ。



永遠に続いて欲しい演武は大男が地面から起き上がらなくなることによって幕を下ろされてしまった。


地面から起き上がらなくなってしまいましたわ、嗚呼、愉しき悦びの時間はもう終わってしまったのですね。さてっと、強かな淑女として、ええ、側室として生きる為に会得した技能、ここで活かさずしてどうするのかしら?


大男のことを利用させていただきましょう。


鞄の中にある医療道具を片手に私は平静を装い淑女としての気品を纏いながら前へと進む。

優雅で愉しき蕩けてしまうような演武が観れた決闘の場に漂う熱を払うように手をパンパンっと叩きながら割り込みますよっと意思表明をしながら割って入る

「はいはい、殴り合いはそこまでにー」

騎士様がなにやつ?っとこちらを見てくる、視線を向けてくれる!!

嗚呼、ダメよ、そんな目で見ないで、濡れてしまいますぅ。


「お初にお目にかかります、私は医療を志すもので、この度、こちらの街で研鑽を積ませていただきたく思い馳せ参じ参りました、しがなき医者の卵にてございます」

何度も何度も練習してきた数々の挨拶、その一つを堂々と披露する。

ペコリとお辞儀をした後、未練を、彼の視線に尾を引かれてしまうが、それをしてはいけない。

気丈に背筋を伸ばし医者としてあるべき姿、理想を宿し、直ぐに大男の方へと体の向きを変えて診察を開始する…

驚いたことに、大男は、擦り傷と打撲くらいで大きな怪我がなかった。

凄い、こんな大男と闘っていても相手を傷つけずにあしらうなんて、なんて技量の高さ、嗚呼、ダメ、心の昂ぶりが止まりませんわぁ…


騎士様が小声で、お医者さんなら後は任せてもいいかっと呟いたのが聞こえてしまいましたわぁ、嗚呼、その一言で天に昇りそうですわ。


「初めてお会いするのに不躾で申し訳ありませんが、そいつの治療をお願いします、後日改めてお礼にいきますので、お願いしますね、先生」

ぽんっと私の肩にお触れになった後、何処かに行かれましたわ。


彼からすれば何気ないコミュニケーションかもしれませんが、私にとって、彼の者を敬愛し続けてきた焦がれし者としては、それだけで至ってしまいそうになる。



狂ってしまいそう、胸の高鳴りがとまりません、嗚呼、あぁ、ああ!!!叫びたい!!心の躍動を言葉にして叫びたい!!!!



迸りそうな情動を諌め心を水面のように静かにさせ診察を続けていく

「わりぃね、見ず知らずのあたいなんかの面倒みさせちまってね、ああ!膝なんて地面につけちまって!綺麗なおべべが汚れちまってるじゃないか」

ん?無骨な大男だと思っていましたら、声はそこはかとなく女性ですし、気遣いも出来る?

ちらっと大男の下を見ると体のラインがきっちりとでる動きやすい服装、もこってない…

すぅっと鼻から息を吸い気付いていましたと、女性を扱うように丁寧に診察を続けていく。

女性でしたか、これはこれは、ライバルの予感がするわね。なら利用するのが一番ですわね。


「構わないわよ、この場所に来た時から、汚れる事なんて日常的になるでしょーっし、ほら、炎症止めの薬を塗って差し上げたいのですが、貴女、女性でしょう?何処か部屋で…」

何処かに医療室があるはずだろうけど、ここは知らぬ街、何処に何があるのかわかりませんし、処置は何処でしましょうかしらね。

鞄から塗り薬を取り出すと、大男、もとい、大柄な女性は首を横になり、いいっていいって遠慮してくる


そうもいかないと、戒めようとしたら、ガバっと豪快に立ち上がり

「薬なんて高価なもの使わなくてもこれくらいなら明日には治ってるさ!」

すっとこちらに手を差し伸べてくる。

あら、意外と常識人なのかしら…なら、なおさらじゃないの、利用できる可能性が高いじゃないの、恩を売るにはもってこい!だったわね、惜しいチャンスを逃がしたわ。

つっても、肩を叩かれるという、声をかけて貰えるという前褒美を頂いたので、薬の対価以上の価値を得られたのよ、私としてはね。

なのでこの程度の薬くらい、先の褒美に比べたら惜しくないですわ。

嗚呼、思い返すだけで…最高の瞬間でしたわ。これだけでイケる。


つい惚けてしまいそうになるのを諫め、相手に気取られないように気丈に振舞い続ける。

大きなゴツゴツとした手を握り立ち上がらせてもらう。

あら?力の加減が上手ですわね、豪快な人だと初見では感じたけれど…ふむ、女性らしい性根も持ち合わせていらっしゃるのね。


「これ、あんたの荷物だろう?体を見てくれた礼だ、運ぶよ!」

私の鞄をすっと持ち上げて、一緒に運んでくれた。

ふむ、気持ちの良いさっぱりとした性格ね…ならなぜ?着いて早々に叫んでいたのかしら?

小さな疑問が湧き上がってくる、この街では色々と詮索してはいけないけれど、これも何かの縁なのだと感じてしまう。


部屋に向かいながらお互いの挨拶を済まし、先ほどの件など色んな話を聞いてみる。


やはり、この街に来たくて来る人はそうそういないのね、こんな闘うだけしか能がない人でも、来たくなかったのね。



部屋に荷物を置きお互い行く場所があるので其方へ向かう為に笑顔で別れた。

そして、それからは、色々とあった…医療班の方達に挨拶をしたり、研究所の人達にも挨拶をしたりと、こういったのは最初の印象が大事ですからね。

私の評価の底上げをしておくことで、騎士様と接するときに、騎士様が私に対して好印象を抱いてくれる可能性が高くなりますからね、周り全てを利用して我が願いを成就させますことよ!


胸に大志を…野望を抱きながら

人生で最も前へと明日を夢見て、私は邁進し続けようと日々の激務を走り回った。



それからの日々、思い返してみると…

数カ月の間、何も進展はなかった。


騎士様を遠目で眺めるだけで直接的な関りは無かった。

もっと何かこう運命のような!騎士様にとっての禁断の恋!…のような予兆も何もなかった。

同じ街で頑張る者としての軽い挨拶等はします、その程度でしか関りはありませんでした、ええ、何も、何も…起きなかった。


だが!私にとってはそれだけでも、天に昇るほどの幸せでしたわぁ!!


だったら!何かアクションを起こせばよい!っと、考えたりもしました。ですが!お近づきになるきっかけが何一つ思い浮かばなかった!

己の不甲斐なさ経験の少なさっというどうしようもない、情けなくもあり、困りものですわね…

言い訳をさせていただけるのでしたら、想定以上に医療班としての仕事が忙しすぎて策を練れていない!ってのもあります。はい、側室として生きる為に研鑽を積んだ殆どが使い物になら無さそうなのです。


まぁ、絶望を抱くのはまだ早い、焦る必要はない。

そも、短期決戦なんて無計画ではない。

私が考えた計画、流れとしては順調に進んでいる、研究塔の人達とも交流を深くすることが出来ていますし、医療班の皆とも信頼を築けています。


術式研究所の方はちょっと、関りが薄いし今一つ、誰が所属しているのかどうかも把握できていませんですけど、焦っても仕方がない、何かきっかけがあれば転がってくる。機を待ちましょう。


こうやって、この街に私と言う存在が必要不可欠なのだと順調に根を伸ばしていく。

街全体の評価が上がって行けば騎士様も意識するはず!気の長い計画ですけど、下手にアグレッシブに欲全開で歩を進めては一生の後悔が待っています事よ。


それにね、実はその、今としては、獣達を研究している研究塔の中にも私個人として興味のあるものがある。

なので、それらを支援して、その人が持つある技術を教えていただけると、どこかしらで有効な手段に繋がると思うと感じている。

なので、全ての計画をゆっくりと進めつつ、いざっというときの為として第二のプランが練れる初めているので…損はしていないはず。たぶん。


それに!世の中に絶対は無いのよ!

だから、メインクエストである、騎士様と添い遂げるという願いが何かしらの要因で叶わない可能性もありますし、それに備えての次なる手立ても用意しないとね。

差し詰め、サブクエストってところかしらね。


用意周到に、自分の願いの為に、出来る全てを使ってやってみせる。

それがこの街に来た理由ですもの。そう考えると毎日が充実して楽しいですわ



気が付くと、今まで灰色だった世界も色づいて見える気がする。

やっぱり騎士様がいない空間なんて耐えられないわ、騎士様がいるだけでこんなにも毎日が充実して楽しいなんて、今までの人生が終わっていたのだと、この街に来てから体感出来ましたわ。



そういえば、初日で騎士様に倒されていた女性は風の噂だと、騎士様に弟子入り志願をして、見事、弟子入りを果たしたみたいね…

やはり、ライバルとして壁になるのかしら、あの巨躯が!壁となるか!

物理的にも壁になるとしたら厄介ねぇ…早めに懐柔しておくのが吉なのでしょうが…難しいわね。


何せ、彼女が所属する戦士部隊は、基本的に遠征で街にはいないし、私達は基本的に遠征で怪我した戦士達をケアするのが仕事だもの…

戦士達も基本的に怪我をしたら周りに迷惑をかけてしまうから、怪我をしないのが第一前提で動くのよね。

それでも、怪我をして帰ってくることもあるのだが、怪我をするのは戦闘慣れしていない人達ばっかりで強い人達は基本怪我なんてしない。


あの巨躯の女性も騎士様も強いのか、怪我なんてしない。会うきっかけがないのよ!




はぁ、強い敵でも出てこないかしら?なんてね、そんな事を考えていたら罰があたるわね。


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追記:

完結してから、一度、見直して修正するところとか、読みにくい所があれば修正してます。

当時の目標が完結優先で、急ぎ足で書いていたので見直していなかったのです。

完結後に見直し訂正する予定でしたので!

ゆっくりと修正して行こうと思います。


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