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最前線  作者: TF


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28/843

おまけ ベテランさんのちょっとした過去話

加筆修正完了!


誤字脱字の見逃しあれば教えてくださいませ~><;


後、後書きにネタバレなどが含まれてる設定資料とかも残していこうかと思っていますので

初見さんは見ないようにしてくれますと嬉しいです!

戦士の部に所属する、皆からベテランさんと親しみ?を込められて呼ばれている人物のある日の出来事



さて、今日も無事、仕事終えたのである!何時ものルーティーンの様に、色街に走り出したいのは山々であるのだが!…


出頭命令が届いたのであるぅ…

何処からだと思う?決まっているであろう、実家からである。

赤紙が届いたのであるぅぅう、中身は、たったの一言だけ


「帰ってこい話がある」


はわ、はわわ、はわわわ、心当たりが色々とあり過ぎて戦々恐々であるぅぅぅ。

嫁に会いたくないであるぅぅぅ…

しかして!いかねば後が最もっと怖いのである。

姫様のせいで道が舗装されてしまったから移動用の便利な物まで作られてしまったから!!

お手軽に王都から手紙もくるのである、故に、昔であれば一通送るだけでもそこそこな料金を請求されていたのであるが、今となっては一通送るのも低料金!

気軽に!短文で!帰ってこいって!気軽に呼びつけてくるのであるぅうぅぅぅぅ…


無論、悪い事ばかりではないのである。

そのおかげで!色街に!手軽にいけるのが!!さいっこうなんですけどね!!!むほほ。


しかしである、心当たりが色々とあるのではあるが、どの件であろうか?

姫様のおかげ様で、そっちで欲求を満たしまくっているので、ここ最近はうっかり、戦乙女に手を出してはいないであるぞ?・・・・セクハラはしてるであるがな!!誰か密告したのであるか?…さもありなん。


っというわけである不本意ながら妻が待つ家に帰るのである。

無論、少しでも…こほん、腹が減っては冷静さを失うのであるからな、腹ごしらえしてから実家に帰るのである!それが、今の予定であるな。

うっかり、実家方面へと向かうバスに乗り遅れてしまったであるかなぁ、次の便は、あーそうだったそうだった、夜のバスしかないであるなー、いやーうっかりであるなぁ。

今日はもう、遅いのである、速めに寝るとするのである→ベッドINっで逃げる!

っという感じでいくのである。吾輩は賢いである!この様な作戦を直ぐに思い浮かぶのであるからな!


して、何とかこの街にいる滞在時間を引き延ばして少しでも怒れる妻との対面時間を削ろうと画策してみてはいるのであるが、さて、それまでの間、特に予定もなく暇なのであるな。

その辺りは何も考えていないのである。

まぁ、そんな時は先輩であり姉弟子である女将のお店でぐだぐだと管を巻くのも宜しい!久方ぶりに顔を出すとするのである!


扉に準備中っと言う札が掛けられていたが、お構いなしに扉を開けて、入り口の直ぐに近くにあるカウンター、その奥で、女将は暇そうに欠伸をしながら新聞を読んでいた。


扉を開けて客が入ってきたのであるから愛想を振りまくのが接客と言いうものでなかろうか?いや!女将の甘い接客なんてダレトクであるか!?誰も得しない!

…なら、このままでよいであるな。うん、一瞬想像してしまって、下のがやめろ、萎えるっと文句をぶつけてきたのである。


「おかみー今日のおすすめは、なにであるかー?」

ドカっと勢いよくカウンターの椅子に座ると

「ぁぁん?まだ早くないかー?うちの営業はあと1時間は先だよ」

…いわれてみればそうであるな、まだお日様も落ち切っていないのである。


はぁっと溜息をつきながら読んでいた新聞をばさっとその場に置き、椅子から立ち上がる女将、何だかんだと言いながら甘いのが女将の良い所であるな。


「ったく!しょうがないねぇ!日替わりでいいかい?」

日替わりという名の具が毎日違うから日替わりっというシチューといつものブーメランの香辛料焼きであるな。

「後、おすすめの酒があれば欲しいのである」

さけ?っというワードに反応するのである、アル中め…

知っているのであるぞ、若かりし頃のようにお酒を飲み過ぎて医者から注意され、旦那からお酒は控えるように!偶になら許す!っと言われていることを。


「ったく良いご身分だねぇ!お日様があるうちからお酒なんてさぁ!」

テーブルにドドンっとキンキンに冷えたビールが置かれる

…なぜ、大ジョッキが2杯も?…吾輩も、流石に駆けつけ一杯って感じで一気飲みなんてしないであるぞ?…まさか…


目の前に置かれた喉が求めし金色の飲料に手を伸ばそうかと躊躇っていると

すぐさま、シチューが出てくる、肉は焼いてる最中で、後から出すとのこと。

まぁ先に一杯飲むのも良いかとジョッキを一つ手に取ると女将もジョッキを手に取る…

ニカっと笑って「今日も生きれたことに感謝だ!」何時もの掛け声に咄嗟に体が反応し、一緒にジョッキを天に掲げた後ぐいーっと一気に飲み干す


…っは!?ついうっかり若い頃の様に一気飲みなんてしてしまったのである!?

吾輩だって年齢を考えないといけない年齢なのであるぞ!?


っというか先ほどの掛け声も反則であるぞ!師匠がいつも吾輩達と任務が終わった後の飲みにいき、最初にいう掛け声ではないか!染みついた習慣で反応してしまうのである!!


「っかはぁ!さいっこうだぁねぇ!!姫様のおかげで冷蔵庫だっけか?適度な温度で冷やす道具を作ってくれたおかげでいつでも、めたくそ美味い脳に響くくらいキンキンに冷えてるさいっこうのビールが飲めるってもんさ!!!」

くぅぅぅっと堪能しているところ悪いのであるが飲んでの良いのか?

今日の営業は、どうする気であるか?


「ん?ぁぁ…今日はあたしも呑む!」

ふんっと空っぽになった大ジョッキをテーブルに置くが、どうするつもりである?

これ、吾輩のせいで店が開けれないとか言われかねない状況ではないか?


「お酒が入っているのに仕事が出来るのですか?先輩」

異議申し立てをするときは、ついつい、昔の癖で敬語が出てしまう


「大丈夫さ!何せ便利な道具を姫様がこさえてくれてね!」

にぃっと不敵な笑みを浮かべてからカウンターの下を弄っているのである?

これがあるからねっとカウンターから取り出した道具?みたいな物をカウンターの上に置くのであるが?


ふむ、吾輩も若かりし頃のように知識無き者ではないのである、姫様のおかげで道具についてはそこそこ見分を広げているのである、のだが…

見たことが無いのであるな?構造的にベルが付いているので、音が鳴るっというのは見て分かるのであるが?

「これはねぇ、原理は説明してもらったけどチンプンカンプンだったねぇ、でも使い方は至ってシンプルさ、これを鳴らすともう一つの同じような道具も同じように音が鳴るのさ!」

説明をしながらチーンっと指で弾いて音を鳴らすのであるが、特に他の場所で音が鳴っていないのであるが?


「そう不思議そうな顔すんじゃねぇよ、この片方をうちの娘に渡していてね、お店に出て欲しい時に鳴らすと、応援に来てくれるようになっているのさ!」

それはつまり、遠方でもやり取りが出来ると言うことであるか!?

姫様はやりようによっては通信に革命をもたらすような道具を女将にさらっとあげてしまったのであるか!?価値も解らぬ筋肉に!?

ううむ、姫様は私利私欲で動くのであるからなぁ、吾輩の勝手な予測であるが


姫様が女将と飲みたいけれど!女将は仕事があるから飲めない!



娘が応援に来てくれたら飲めるけどねぇ・・・



なら!よんじゃおうよ!



娘は、旦那のところだから呼びに行くのも時間がかかるさぁねぇ、その間、店はどうするんだい?



なら!ここに居ながら呼べるようにすればいいんだね!任せて!


っといった流れなのが簡単に予測できてしまうのである。


姫様にとってはこの程度、些細なものだと思っていそうであるな。

カウンターに置かれているベルが唐突に鳴り、少々驚いてしまう。

「ほらね?あたしが何も触らなくても鳴っただろう?凄いもんだねぇ。娘の都合が良い時は一回だけ鳴らす事、そんな風に、娘と相談して決めてるのさ」

すっとカウンターに道具をしまう。

それ一つで屋敷が立ちそうなくらい非常に有効活用出来そうな魔道具であるなぁ…

ん?少し待つのである?娘の許可を取る前にお酒を飲まなかったか?…娘が良いよっと言うまで鳴らすつもりでは?

っふ、野暮なことを聞くほど吾輩は危機管理能力が低いわけではないのである。

何も言うまい。


「あんだい、その目は…いいじゃないか、たまには!まったくこっちのあたしの気持ちも考えてくれよ!アンタも、姫様も、団長もさ、みんな忙しそうで滅多に飲みに来ないんだからたまにはいいだろ?」

豪快にニカっと笑うのは良いのだが、吾輩達を理由にしてただただ、飲みたいだけはないのか?

ただまぁ、その笑顔を向けてくるのは反則であるな、その笑顔で戦場で窮していたみんながどれくらい励まされたか、貴女が居るだけで戦場の士気がどれ程保つことが出来たのか。

その逞しき笑顔、女将から感じられる安心感、不安を感じさせまいと高揚させてくれる我らの姫みたいなもんであったからな。

だけど、姫なんて呼び名がな、姿形が言葉の意味と似合わないので、物を粉々にする粉砕機っという道具と姫をかけて剛腕の粉砕姫(ふんさいき)っと渾名が付いたのである。

考えたやつは文才があるのであるな。


たった一日、酒を飲む日が増えた程度、怒られはしまい。

「そうであるな、たまには良いか・・・」

亡き師匠に心の底で祈りを捧げ、二人だけの飲み会が始まる。




酒も進むと、何時だって我らの交わす言葉は何時だって昔話へとたどりつき、昔話に花が咲き始める


「まさかねーあんたがあの、戦姫と結ばれるなんて誰も予想してなかったねー!」

いつも、二人だけで飲むとこの話題に行きつくのである、吾輩の恥部…もしかしなくても、姫様や、団長に話しているかもしれないのである!?あー女将であれば酒の肴としてさらっと話してそうである。


「吾輩もである、戦士達の高値の花であり、見るだけで心が潤いに満たされる麗しきご令嬢であり、刺突剣を持たせれば戦場一!吾輩でも勝てないであるからな」


吾輩のお嫁さんはそれはもう器量よしの高嶺の花であった。

実際に吾輩と違って高貴な生まれであるし、貴族と結婚も決まってるという噂があるくらいであったからなぁ…

吾輩の様な学の無い品の無い、どうしようもない下民なんかが声をかけるのを躊躇うくらいのとびっきりであるからな。


「そーいや、あの当時は色々とあったからなぁ、あんま詳しく覚えてねぇんだが、何で結婚したんだったか?」

ぇ?どうして結婚に至ったのであるかって?・・・・やっちまったからさ、出来ちゃった婚っと巷で言われているやつである・・・・

ぁ!ちゃんと同意、どうい?あるから!強引にじゃないですよ先輩!拳を下げてもらえませんか!?


簡単な経緯は、一人前としての試験というか、師匠からの課題で、二人である獣を殲滅する課題の最中であってな、まさか、その道中で熊タイプの強敵と出会ってしまったのである。

出会ったからには倒さないといけない、何故なら熊タイプは執念深く逃げれない。

足も速ければ、体力も化物、挙句の果てには、匂いを辿っての追跡までしてくるのである。


故に、出会ったが最後、戦うしか選択肢がない、本当に死ぬかと思うくらいの激闘であった。


吾輩と妻である戦姫は、お互いの死を覚悟して戦った。

元々、吾輩と妻と先輩、この三人でよく師匠にしごかれていたのであるからな、それ以外にも模擬戦とか色々としてきているので、お互いの手の内は理解しているのである、勿論、連携も何度も何度も行い、死線を潜り抜けてきた仲間であるからな。

普段通り4人であれば熊であろうが余裕で勝てるのであるが…


だけど、その時は課題の最中であって、二人だけの任務であった。

いつもなら師匠が居て女将が居て、少し離れた場所には他にも隊員がいたのである。

このように二人だけで熊のような強敵と会敵するなんて死ぬ未来しか想像できなかったのである。今?今であれば熊程度、問題ないのである、時間は要するが負ける道理はないのである。

無論!吾輩独りでは対処しないっという前提であるがな!


共に研鑽を積んできたのである、熊もチームで倒してきたのである、それでも、二人だけでは倒せれる自信など、当時の吾輩達には無かったのである。

どの様に協力しても、相手の方が格上、倒せるはずの無い相手であってな。

しかしてな、過去の経験が生きたのか、お互いが極限にまで生きようとしたからなのか、その格上を奇跡的に、運よく倒すことが出来たのである。


その、余りにもな、その、お互いの心の高ぶりがその、高まり過ぎて、興奮が冷めなくて、お互い抑えることが出来なくてね、そのね?高ぶる雄と雌が二人っきりになると、その、うん。なんだ?


その・・・やっちゃって・・・・その・・・できちゃいまして・・・・


でも、後々分かったのであるがお互い、その時の感情については後悔などは一切してないのである。

今も!吾輩は彼女の事を愛しているのである!

故に、吾輩も弱くなったものである、守らなければいけないものが増えすぎて、敵に対して、受ける方ばかりになってしまったものである。


「あ~そんな経緯があったんだねぇ、どっかで聞いたかもしれないけど、初耳だねぇ。確かにねー、熊ってのや厄介だね。あたしだって、本気でやりあったら…そうさぁね、独りでは勝てる気がしないさぁねぇ、まず此方の攻撃が当たる気がしないねぇ、生き残れたのも、相方に恵まれていたってことさぁね」

そう、まさにその通りである。

吾輩の嫁は動きがとても速く、その速さは天下一、師匠も舌を巻く程である。

獣というよりも人と戦う事に重きを置いた剣術故に、獣に特化した吾輩達では相手にはならなかったのである。

そして、その速さだからこそ、あの熊を相手にしても翻弄することが出来たのである。


「あの洗練された動きには、皆が憧れたものであるからなー」

妻の輝くような閃光が如き鋭さを思い出してしまい、つい、吾輩がそうつぶやくと

「美貌もふくめてだろー男ってのは単純でいけねぇーなーここにもとびっきりの別嬪がいるってのにな!ガァッハッハッハ」山にしか見えない力こぶを魅せられながら言われても


「っは」っと鼻で笑ったら拳が脳天に直撃する。手がはやいんだよこの人は!


酒も入り気持ち良く談笑しているといつの間にか店の中には娘さんの姿があった。

それだけじゃない、気が付くと店の中に他にも人が増えてきていた。

娘さん一人で切り盛りできているのかと目線で追うが、特に問題はなさそうだった。

女将も酒が入っていてもこの程度で足元が覚束になることなんてなく、意識もしっかりしているので普通に飲みながら働いている、なんか手慣れてないか?実は、陰で飲んでいるのでは?っという疑惑が過ってしまうのである。


忙しそうな雰囲気になってきたのであるな。

まだ連絡を貰っていないので店を離れるつもりはないのである。

そう、夜行バスが来たら連絡貰えるようにと、さっきまで飲み食いを別テーブルでしていた後輩に伝えてあるので、バスが来るまでここでゆったりと過ごすつもりでいるのである。

忙しない店内を眺めながら酒を楽しんでいると、また新たに客が来たかと店の扉が開くので誰かと目線を送ると、驚いてしまう。

珍しい人がはいってくるではないか、こちらに気が付いたみたいで微笑んでくれながら隣の席に座る。


「珍しいじゃないの、ベテランさんがここでお酒飲んでるなんてね、いいのー?いいとこいかなくてー?」

人をからかうときの様にニヘェっと悪い笑顔をしながら、左指をある形にする。

その手の形はやめい!TPOを弁えたまえ!相変わらず、しゃべると残念なご令嬢であるなぁ、だから貰い手がいないのであるっと言うと女将から拳を貰うので言えないのである。


「あらぁ!団長じゃないか!ってちがったちがった、ついつい、もう譲ったんだっけね、なんて呼べばいいのかねぇ?」

女将が料理を運んだついでに自分のジョッキになみなみとビールをついで戻ってくる。


「別に、何でもいいわよ、副団長でも、No2でも、お局様でもね~行き遅れは殺すわよー?」

なぜ、最後のフレーズだけこっちに睨みを聞かせて目線を合わせて言うのであるか?

怖いからやめてほしいのである。

それに、団長の座を譲ってからもう…1年は過ぎたであるかな?年を取ると時間の感覚が狂ってくるので、一年なんてついこの間の様な感覚になってしまうのである。


そう、隣に居る見た目は麗しき女性。

医療班の元トップであり、今は副団長であるNo2である、彼女もこの店にくるのであるな、来ないモノだと思っていたのである。

つい、珍しそうに見ていると

「もしかして年上もOKなの?おばさんにも手を出そうとしてるのー?」

ジト目でこちらを見てくる、年上といっても吾輩よりも5年ほどしか変わらないのである。

寧ろ、吾輩が若かりし頃の憧れの人でもあったのである、見た目だけは…しゃべるとこの人は、ほんっと…残念な美人さんである。


「っふ」っと鼻で笑ったら拳を女将から頂くのである、痛いのである


No2はシチューと干し肉等のつまみを頼んで、お酒はワインを頼んでいた。

その姿を見て感心してしまう。相変わらず、気品がある方だ。しゃべらなければ…


昔馴染みの三人が揃えば会話の種を蒔かなくても勝手に芽吹くもの。

三人でお酒を飲みながら談笑が始まる。

昔あった出来事や、ぶっ飛んだ思想の姫様の話や、気丈に振舞っているけれどちょいちょい抜けていて意外と天然な現団長の話などに花を咲かていると、ふとNo2が女将のカウンターの上に飾られている肖像画を見て呟く。


「こうやってさ、三人そろうと昔を思い出すね」


そう、No2の思い人である、現医療班の団長である人のお父さん…我らが師匠…今ではもう遠き存在になってしまった人…

この店に来るとどうしてもどうやっても、師匠を感じてしまうのは仕方がないのである。

女将が営んでいるこの酒場には、師匠の私物も大量に置いてあったりする、遠き場所へと旅立った思い人を否が応でも思い出してしまうのは致し方ない。


そこに飾ってある全身甲冑も師匠が使っていたもの、壁に飾ってある業物の殆どが師匠が愛用していた武具の数々。


そう、この店に飾ってある殆どの武具が師匠の愛用品だ。

師匠がそれを身につけているのを見たことがある人であれば、絶対に師匠の事を思い出してしまう。だから、ここには、No2は来ないのだと思っていた。


女将の得意武器は、ウォーアックスだ。

ぶっちゃけるとそれ系統以外は、てんで扱えない、女将の事を知っていて、尚且つ師匠の事を知らない人からすると、どうして武具をこんなにも大事そうに飾っているのだろうと不思議に思うだろう。


女将にとっても師匠という存在はとても大きな存在となっている。


なぜ、女将の酒場に形見である武具が置いてあるのかというと、最初はご実家に届けるという話であったのだが、師匠の奥方が、それを扱える人が居ないので手入れとかするの大変なのでそちらで有効活用してくださいっと、引き取りを拒否されたそうでな。

なら私がと女将が全部引き取ったのである。

今もなお、直ぐにでも扱おうと思えば扱えれるように綺麗に手入れされているのである。

師匠の武具の手入れは師匠の弟子たちが担当していたので慣れたものである。


肖像画も、引き取りを断られたのである。

ご実家の方に師匠は嫌われているのかと思ったら、似てないからいらないっと断られたのである

勇ましくて悠々としていて壮大な感じが素晴らしいと思うのであるが、確かにご家族の家に飾るとなるとあまりにも無骨すぎるのであるな、吾輩も習って勇ましい肖像画などを実家に送ろうとしたときに女将に止めてもらって正解だったのである。


今も少々きわどいワードを零す残念な見目麗しき女性

俺よりも年上だというのに、俺よりも若く見えてしまう女性

僕が、この街に来た時になんて綺麗な人なのだろうと目を奪われてしまった女性


そのNo2が師匠に想いを馳せていたなんて、当時のメンバー全員が気が付いているし勿論、師匠も気が付いていた。

師匠は、この時代には珍しく一途な方でな、奥様とお子さんが大事で大事でそれ以外を欲しなかった。


師匠のご実家は、武家で尚且つ、由緒ある家系で、王家直属の騎士、その中でも筆頭騎士と言われるほどの家系だ。

幼き頃からありとあらゆる武具の扱いを教育されていたので、弓だろうと斧だろうと槍だろうと両手剣だろうと並大抵以上に扱える。


成長した師匠も、本来であれば、実家を継ぐ予定であったのだと語ってくれていた。

だが、師匠は恥ずかしそうに語ってくれたさ…


ある日ある場所で恋をしたっとな。


その恋が抑えきれなくなり恋とか愛をずっとその人に語る日々を送っていたそうだ。

明くる日も、どんな時も、いつもその人に愛を語りに出ていた、それに見かねてなのか、その人が師匠にある条件を出したのである、その出した条件が


「私嫉妬深いから、私以外の人と結婚できるような立場の人と一緒になんてなれないわ」


そう、この大陸の殆どが一夫多妻制である。

貴族や立場の高い人は養う事が容易であるのと世継ぎが絶対的に必要で、世継ぎも数多くあれば、もしもに備えることが出来る、貴族や王族などの位が高い者たちは一族発展繁栄のために、側室などを多く持っていることが多い。


まぁ、平民のものであれば、複数の女性や子供達を養う事なんて難しいので基本的に側室なんて不可能である。


つまり


師匠の奥様が突き出した条件、それが何を意味するのか。

貴族という立場から降りる覚悟があるのなら話を聞こう、無いのであれば消えろっという意味である。


師匠は、自分の立場を十二分理解されていた。

平民である女性が貴族の申し出をそんな風にあしらって貴族を追い出した気高さにより一層ご熱心になってしまったそうでな…

家に帰るなり「勘当してくれ!」っと、帰ったその日に師匠の父君に懇願し、家と名を捨て惚れた女性の前で「家が無いので泊めてくれ!」っと土下座したそうだ。


そこまでして、想ってくれるのなら、それはもう、私の見た目じゃなくて、心から恋をして愛しているのだと女性は理解してくれて、結婚することが出来たんだとな…

今のような席でな…よく、お酒の席で語ってくれたのである。

当時は、今ほど裕福ではなかったけれど、師匠がコネを使って食べ物と酒だけは最低限確保してくれていたのである。その僅かな酒で吾輩達は酒盛りを楽しんだものである。


家を出たとはいえ、師匠ほどの人物であれば何処かの武家に召し抱えられてもおかしくはないと思っていたので質問をしたのである。

師匠は、戦うしか能が無いので、金を稼ぐにはココが大陸中一番稼げる!っと仰っておられた。

何でも、家で自分の仕事が無く、かといって当てもない、子供が出来たので稼がなければいけないから、最後のコネを使ってこの街へと出稼ぎにやってきたっと教えてくれた。

貴族という立場を捨て、一傭兵っという立場で。


それでも、師匠がこの街に来た時は、周りはもう気を使い倒したと思うのであるな。

一目見てわかってしまうものである、師匠が愛用し持参してきた持ってきた武具が、鎧も含めてガッツリ王家の紋章が入ってる王家ご用達の一級品であるからな。


勘当してもらったが、装備は俺専用に調整されているから他の奴が扱いにくい!

売ろうにも王家の紋章付きなんて厄介事が待ってるから引き取りたくなんてないだろうからな!

家に置いておいても何も成さん!そうであれば!当然持ってきた!っとな、豪快に笑っていたけれど…

女将の酒場に飾ってある武具を見回す。

これ全部、当時の価格で売ると、軽く王都の一等地に庭付き一戸建てを建てれるほどの価格になるだろうに。


王家の紋章付きだから売れないわけなんて無い、商家とか富豪であれば、箔が付くので喉から手が欲しい逸品である。


世間知らずといいますか、何というか、武具全部売ってしまって、奥様とお子さんと一緒にのんびりと服屋を営めば良かったのに。


そう師匠は変わっている人だった。

誰にでも気さくで優しくて、凄く面倒見が良くて、平民だとか貴族だとか全く気にしない人だった、心の器が大物過ぎてかっこよくて男の中の漢であった。

平民出の俺にも気さくに接してくれて、王家の技だろうかなんだろうが、生きる為にお前には必要だろうっと、俺の事を心配してくれて秘匿するべき技も教えてくれた。

心の底から全てに置いて師匠だった。俺の、おれの、ししょうだった、、、憧れだった、、、


酒の席、何時も集まっていた人達、その三名が集まれば思い出してしまうのも自然だろう。


ふぅ、語りたいことはやまほどあるのであるが、今宵はここまで!何故なら先ほど吾輩の実家がある街まで行く夜行バスがもうすぐ出発するそうである。

はぁ、平民出のしがない凡骨が貴族の家に婿入りすると肩身が狭いのであるぅ…

吾輩、人一倍稼いでいるのであるぞぉ?少しは、その、ね、多めにみて、あぁ、折檻されるのは嫌なのであるぅ…


あの細身の剣の切っ先で刻まれるのは嫌なのであるぅ、回復の術式を起動して回復したらまた刻む…あの拷問はもう嫌なのであるぅ、お酒でなんとか乗り切ろうと思ったのであるが、怖い物は怖いのであるぅぅぅ


その光景を見た娘が憐憫の眼差しで見るのがもう、パーパの威厳何て粉微塵に刻まれてしまうのであるぅぅぅぅ…くそう、夜ではあんなに愛し合って大人しくて可愛いのに!!ちくしょう!!貴族になったんだから、裕福なんだからさ!ちょっとくらいお目こぼしちょうだいよ!!!…正確には貴族ではないのであるがな。貴族の末席に座らせてもらっているだけである。



覚悟を決め席を立つ

「ではな、女将、吾輩行ってくるのである」

戦場に赴くような漢の顔つきで店を出ると、女将とNo2がその表情から察したのか何も言わず見送ってくれた。



「・・・あいつ、生きて帰ってこれるのか?」



先輩聞こえてますよ・・・・それは、吾輩が一番知りたいのであるぅぅぅぅぅぅ・・・・色街のお嬢たちよ、吾輩。。。もう会えぬかもしれぬ(血の涙を流しながら)




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追記:

完結してから、一度、見直して修正するところとか、読みにくい所があれば修正してます。

当時の目標が完結優先で、急ぎ足で書いていたので見直していなかったのです。

完結後に見直し訂正する予定でしたので!

ゆっくりと修正して行こうと思います。




─※ 完結まで読んでから見てね ※─ 

─※ ネタバレ注意 ※─ 


団長のお父さんであり戦士長ことシヨウさん

彼は、本当に、戦うことしか才が無く

出来る仕事も田畑を耕したり、物を運んだりと言った力仕事しか出来ませんでした。

後、一傭兵っという立場っと言っているが、彼が死の街に来たのは貴族の枠を使ってきています。

死の街を監督する人物として王都から派遣されています。

ただ、彼が街についた時は他に死の街を監督する立場の人がいるので、表立って後釜だと言えないのもあって、そう語っていました。

自分が皆と違う立場なのだと思われると心を開いてくれないのではないかっと考えたりもして、彼なりに必死に頑張っていたのです。




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